配信環境でかなり重要な位置を占めるモニタースピーカーに付いて色々語ります。
家庭内でのモニター環境としてはヘッドホンが主流ですが、音源や音質のトータルバランスをチェックするにはやはり実際にスピーカーからの出音を聞いてみるのが一番です。
しかしどのようなスピーカーを選べば良いのか?サイズ?出力?ブランド?
それぞれに音質の好みは有るでしょう。しかし現在使用しているスピーカーはその好みにマッチしていますか?
もしかして自分の好きな音のスピーカーを選択したのではなく、選択したスピーカーの音を好みと思い込んでいるだけかもしれませんよ?
以下の選択項目をチェックしていきましょう。
■ 選択項目
- パッシブスピーカーかパワードスピーカーか?
パッシブの場合はパワーアンプが別に必要にですがスピーカーとパワーアンプの組み合わせで好みの音に近づけることができます。パワードスピーカーはパワーアンプをスピーカー本体内に内蔵しているのでアンプが必要ありません。 - フルレンジタイプか2ウェイ、または3ウェイか?
フルレンジとはボックス内に1個のスピーカーユニットで低音~高音まで再生します。 大変バランスに優れ自然な音です。 2ウェイ、3ウェイは低音用、高音用にそれぞれ大きさの違うスピーカーが一つのボックス内に入っているタイプです。 再生する音域がより広くなりダイナミックな音を再生します。 - フルレンジスピーカーユニット、または2ウェイ、3ウェイのウーファーユニットの大きさは?
フルレンジの場合は10cm~25 cm、ウーファーは10cm~38cmぐらいの選択肢があり口径が大きいほど余裕のある低音を再生します。 但し、大きなスピーカーは低音再生に有利ですが高音は出にくくなるので、それをどのようにフォローしているかがカギになります。 - ボックスのタイプは?
密閉箱、バスレフ、バックロードホーン、フロントロードホーンなどさまざまな種類があります。 密閉箱は低音が締まった歯切れの良い音。バスレフはスピーカーの口径以上の量感の低音を再生できる。バックロードホーンはスピーカーの背面振動を増幅して前面に出すためエネルギッシュで迫力のある音。フロントロードは音場の拡がりを重視し個々の楽器の音像定位が分かりやすいなど、それぞれ特徴があります。
では、プロの現場で使用されているモニタースピーカーはどのようなものが在るのでしょうか?
国内品ですがYAMAHAのNS-10Mは定番の大ベストセラー品です。
パッシブ2ウェイスピーカーで密閉箱、ウーファーは18cmの小型モニターですが、実はこのスピーカーは本来モニター用ではありませんでした。
普通にオーディオ用としてNSシリーズの最小サイズスピーカーとして販売されたのですが高音から低音までのフラットな出音に加え、個々のデティールを細かに表現する性能と全体的なまとまりの良さが評価されたのです。

またFostexのNF-1も独特の16cmウーファーユニットを使用したバスレフで人気の高いモニタースピーカーです。NS-10Mに負けず劣らず自然で滑らかな再生音です。
海外品だとGENELECの8010Aなどの評価が高かったようです。プロが現場に持ち込むコンパクトモニターとして使用されています。
2ウェイの密閉箱でウーファーも最小ですがその低音の力感と音像定位の素晴しさは群を抜いています。
GENELEC ( ジェネレック ) / 8010AP パワードモニタースピーカー
JBL ( ジェービーエル ) / 1 Series 104-BT デスクトップモニタースピーカー
現代だとJBLの104など人気が高いようです。
見た目はフルレンジですが同軸2ウェイと言うユニットを使用しており、口径以上の 再生帯域の広さを実現します。またアンプ内蔵のアクティブスピーカーなのでミキサーなどにダイレクト接続できて重宝します。
選択肢を選んだらそれに当てはまるスピーカーを探してみましょう。
■ モニターに使うためのスピーカーを選ぶコツは
- 周波数による出力の強弱がないこと(高音キンキン、低音ボンボンは最低です)。
- 楽器の音を再生した際のそれぞれの位置が何となくわかる物。
- 長時間聴いても疲れず飽きない音(何となく普通で物足りないぐらいが良い)。
- とどめはボリュームを変えても聞いている音の印象が変わらない物。
これらに当てはまるスピーカーであれば安心してモニター用に使用できます。
ブランドや値段にこだわる必要はありません、ぜひ自分の感性で自分だけのモニタースピーカーを探しましょう。