音楽制作をする上で、重要な機材と言えばスタジオモニタースピーカーですね。今回、注目するポイントは、ずばりスピーカーユニットのサイズです。
サウンドハウスの売れ筋商品ランキングTOP10を見ると、超定番JBL 305P MKII(5インチ)、YAMAHA/HS5(5インチ)、MSP3(3インチ)など、「5インチ以下」のモデルが占めています。
確かに、日本の一般的な住宅事情を考えると、5インチ以下のモデルで音量は十分だと思います。
でも、あえてここでは言いたい!!
口径が大きなモデルもおすすめだよと!!
大きなモデルのメリットを挙げてみたいと思います。(※あくまで個人の私感です)
1. 音量が大きい
- シンプルに小口径モデルより大きな出力のアンプが搭載されています。
- 同じような音量間であれば、大きいW数の方が全体域にわたって余裕のある鳴り方をすると感じます。
2. 低域の迫力が違う (再生レンジが広い)
- PAスピーカーもそうですが、サイズが大きい方が、低い周波数帯を再生することができます。感覚としては「厚みが増す」という感じでしょうか。
- 低域が厚くなることで音像全体の厚みも増し、「臨場感が増す」ように感じます。
と、言葉で伝えてみたものの、イマイチ伝わらないと思い、以前、こんなものを作成しました。百聞は一見にしかず!とにかく聞いてみてください。
SOUNDCLOUD
定番スタジオモニター比較
これは、レコーダーZOOM/H6を使用して、同じ音源、同じ距離で録音をしたものです。PAスピーカーと違ってクリップ(リミット)インジケーター的なものが無いので、スペック上の出力音圧レベルと同じくらいの音量を騒音計で確認しつつ、その音量で聞こえる音が歪みなく、きれいに聞こえるかを確認して収録したものです。
JBL 305P MKII → 308P MKII
- 繊細なイメージングと幅広いスイートスポットを提供するイメージコントロール・ウェーブガイド
- レスポンスとリニアリティの向上を実現する次世代JBLトランスデューサー
- すべての再生レベルで優れた低音性能を実現するSlip Stream低周波ポート
- 高出力と広いダイナミックレンジを提供する112Wデュアルインテグレイテッド・カスタムD級アンプ
- 使用環境に合わせて低周波の変化を補正する新しいバウンダリーEQ
- 室内の音響、または好みに合わせて高周波出力を調整するHFトリムスイッチ
YAMAHA HS5 → HS7
- 「精確性」というHSシリーズ・スタジオモニターの設計理念
- ニアフィールドモニターに求められる精確な再生能力を徹底的に追求し、確かな音像定位と高分解能・フラットな特性を実現
- 新開発のトランスデューサーを採用し、また音響部品の再選定・最適化を合わせて行うことにより飛躍的な再生能力の向上を実現
- 高域と低域のそれぞれの帯域を専用パワーアンプで増幅するバイアンプ方式を採用。常に高品位で音質変化の少ない均一なサウンドを提供。
- 不要な共振を徹底的に排除し、音の精度を極限まで高めるよう設計されているエンクロージャー
- ポート周辺のノイズを低減させるため、最新の流体音制御技術により設計された新型ポート
- スピーカーを壁際に配置した際に強調されがちな低域を補正し、正確なモニタリングを可能にするROOM CONTROL
- 部屋や用途に合わせた緻密なバランス設定が行えるHIGH TRIM
TANNOY Reveal402 → Reveal802
- パワーと明瞭性を両立させたバイアンプ・モジュールとアクティブ・クロスオーバーフィルター
- スイートスポットが広く、ミックスのステレオイメージを失うことなく作業スペース内を移動することも可能
- ツイーターのボリュームを調節するEQコントロール(NEUTRAL、HI CUT、HI BOOST)
- カスタム高効率LFドライバーと高精度ツイーターを搭載
- ベースのレスポンスを最適化し、壁面に近接した設置を可能とするフロントポート設計
- 音楽プレーヤー/スマホ/タブレットを直接接続可能なAUX IN搭載
- 片方のスピーカーにステレオ入力し、付属の3.5㎜ケーブルで2台目のスピーカーをリンクさせることでステレオ・ペアを構築可能なMONITOR LINK
いかがでしょうか? 個人的な感想ですが、
・JBL/308PMKII
JBLが自分好みという先入観もあるかもしれませんが、一番広く受け入れてもらえるんじゃないかと思いました。YAMAHAほど平面的ではなく、キビキビというより、ほんの少し柔らかいというか低域から高域までのつながりが自然で、TANNOYよりは低域が程よく抑えられていてリスニングにも音楽制作にもちょうど良い感じです。
・YAMAHA/HS7
DTM/DAW音楽制作を中心に考えているならこれ!!良い意味で平面的なイメージで各楽器の音がキビキビ鳴ってくれているイメージで、とてもチェックしやすいように感じました。さすが定番のYAMAHAですね。選ばれ続けている理由がわかります。
・TANNOY/Reveal802
今回聞き比べた3機種の中で唯一のフロントバスレフポートタイプということもあって、一番低音を気持ちよく聴くことができたのがこのモデル♪HS7を平面的とするなら、低音が出ている分、立体的に感じました。
平面的 | 立体的 | |||
HS7 | > | 308PMKII | > | Reveal802 |
低域抑えめ | 低域強め |
デモ音源を聞いてみると、サイズ違いでけっこう音全体のイメージが違うことがわかると思います。なんというか、スケールの大きな音は、よりドラマチックな音になったと思いませんか?(笑)
もちろん、そのように感じるためには「ある程度大きな音量で鳴らす」必要がありますが、もしそれが可能な環境であれば、ぜひともワンサイズ大きな口径のモデルをお薦めしたいと思います♪