スタジオモニターと言えば、一般的にイメージするのはデスクトップのディスプレイの左右に置いて、音楽を聴いたり、ミックスしたりというものですが、大体の場合、フルレンジのスタジオモニターそれだけで満足されているのではないかと思います。自分もそう思っていたうちの1人です。というのも、JBLをはじめ、多くのスタジオモニターの有名ブランドの定番シリーズには必ずと言っていいほど、サブウーファーがラインナップされています。
これは試してみるしかない!!
サブウーファーを増設すると、どのような変化があるのか?
一番売れているJBL 305P MKIIとサブウーファーLSR310Sを使用して体験してみたいと思います。
こちらがJBL 3 series MkII用サブウーファーLSR310S。
ウーファーユニットが10インチということで、ある程度の大きさは予想していましたが、305P MKIIがコンパクトな分、想像していたより、大きく感じました。
艶ありブラックパネルがカッコいいです!!

ちなみに底面はこんな感じです。

4つの脚部、中央にエレガントな光沢を放つウーファーユニットが鎮座しています。この下向きに出力される独自の設計と、正面に見えるJBL独自の“スリップストリーム”設計を採用したバスレフポートにより、伸びと深みのある豊かな低域が出力されます。
接続はとっても簡単で、音源を出力する機器とスタジオモニターの間に挟むだけです。

LSR310Sには、このようにINPUTが2つ、OUTPUTも2つあります。逆に言うとこれしかないので迷う心配もありません(笑)

続いて3種類のCROSSOVER選択時の出力について解説します。
LSR310SのOUTPUTから出る信号は、どれを選択するかにより、ハイパスフィルターが変わります。スルーアウトではないというところがポイントです。
- 80Hz
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サブウーファーから80Hzより下の信号を出力
OUTPUTからは80Hzより上の信号を出力
305P MkII、306P MkII、308P MkIIと合わせるなら迷わずコレです!!メーカー推奨はそれぞれのVolumeを同じ位置に合わせると最適なバランスになるということですが、まさにそのとおりです。感覚としては、305PMkIIだけで鳴らしていた時と近い良いバランスのまま低域はサブウーファーが鳴らしているので、その厚みをよりリアルに感じ取ることができました。また、低域をカットした信号を305P MkIIから鳴らしていることもあってか、低域の上の方と中高域もスッキリ聴きやすくなりました。
- XLF
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サブウーファーから120Hzより下の信号を出力
OUTPUTからは120Hzより上の信号を出力
これは80Hz時よりも、サブウーファーが鳴らす範囲をより広くした設定で、低域がさらに増す設定です。低域の効いたクラブミュージックなどを作る時、聴く時にオススメの設定がコレです。5インチで鳴らす低域と、10インチで鳴らす低域は、やっぱりぜんぜん違いました。気持ち良さが段違いです!!
- External
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サブウーファーからハイパスフィルターなしの信号を出力
OUTPUTからは出力されません。
もっと自由にクロスさせたい人はコレです。外付けのクロスオーバー(チャンネルディバイダー)を使えば、スロープ特性や周波数も自由自在です。どちらかというと玄人向けですね。注意点として、INPUTに入力した信号がフィルターを通らずにウーファーからそのまま鳴るため、ユニットを壊さないよう必ずクロスオーバーを使いましょう。
ちなみにどの設定もOUTPUTから出力される信号レベルは、LSR310SのVOLUMEの影響を受けません。
個人的にはLSR310SのVOLUMEをゼロから徐々に大きくしていったり、305P MkIIと同じ位置にしてから上げ下げしたり、自分の好みのポイントを探っていくのがオススメです。
今回はショールームにあるDTMルームにセッティングしていろいろな音楽を聴いてみました。
この写真を見ると最初に言った「意外と大きい」感が伝わるのではと思います。
実際に音を聴き比べてみた感想として、
サブウーファーは、無くても良いと思うかもしれない。
でも、あった方がさらに良い。
これに尽きると思います。

もっと生々しい低音を「耳で聴く」というか「振動で感じたい」という人にはサブウーファーの追加という選択はかなり有効でとってもオススメです。