前回ストレート型のフォンプラグのはんだ付けを書いたので、今回はL型フォンプラグのはんだ付け作業を解説していきます。
前回の記事をご覧いただいていない方は、まずこちらの記事からお読みいただくとスムーズかとおもいます。
過去記事『はんだ付け初心者にもわかりやすくシールドケーブルの作り方を解説 〈実践編〉』
前回と同じように今回の記事内でもスイッチクラフトのプラグを使用し説明しますが、初めてケーブル製作をする方はClassic Proのプラグなど比較的安価なプラグを使うことをお勧めします。ケーブルも前回のブログで紹介したMOGAMIの2524を使用します。
SWITCHCRAFT ( スイッチクラフト ) / 226
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / P12R L型フォンプラグ
最初に言ってしまいますがストレートとやることは基本的に同じです。ちょっとしたポイントなど付け足していきたいと思います。
プラグの構造も基本的にストレート型と同じです。
赤い〇の部分がチップ(Tip)、黄色の〇の部分がスリーブ(Sleeve)でそれぞれ繋がっています。スリーブのケーブルを固定する部分も前回と同じように少し広げておきましょう。
前々回L型プラグ用に何か固定する器具を探してみますと書いていたのですが手軽で丁度いいのが無く困っていたところ、発見しました。
これだ!!!!!
ジャーーーーーーーン!!
そう、ダンボール箱です。
灯台下暗しとはこのことか、ダンボール箱に穴をあけてプラグをさせば簡易固定台の出来上がり!
要は軽く固定できれば何でもいいのです。発泡スチロールなどでは溶けてしまうかもしれないですが。
というわけで製作に入りましょう。
ケーブルの被膜をカッターで切りまして、シールド線を広げます。
いきなりですがL型のポイントがここ、下の画像のようにケーブルの元々の巻き癖に対して下側でシールド線をまとめます。
ストレート型の時は特にどの位置でも問題なかったのですがL型の場合はこの位置によってプラグの角度が変わります。適当な位置でつけた場合に出来上がったあとケーブルをまとめた際に、下の画像のように外側にプラグが向いてしまったりします。
こうなるとギターケースのポケットなどに入れた際に引っ掛かりやすくなったりします。
シールド線をケーブルの巻き方向に合わせてまとめて制作すれば上の画像のように内側になります。これは逆に言えばシールド線をまとめる位置によってL字の向きを変えられるということです。パッチケーブルを製作する時などはこれを利用してクランクにするなど好きな向きで製作できます。
また余談ですがケーブルには方向性があるという事が昨今よく言われるようになりました。
ケーブルに書いてある文字の方向に電気が流れやすくなっていると言われておりストレート型とL型のプラグを使用する、いわゆるS-Lタイプのケーブルの場合は楽器側にどちらを使用するかなどを考えて製作する必要がある事になります。方向性の持たせ方も様々あるようですので興味が出た方は調べてみてください。
なお、筆者自身は一時期いろいろと試してみましたが、そこまで大きな違いを感じなかったためあまり気にしなくなりました。
製作に戻ります。今回はスイッチクラフトのL型を使うときの作り方です。L型のプラグはメーカーによって端子の形がわりと違います、クラシックプロのP12Rで作っている方はストレート型の時とほとんど同じ形ではんだ付けするといいと思います。
この時点でケーブルにカバーと絶縁用ストローは被せておきましょう、できたと思ったらつけ忘れていて一度はんだを外して最初からやり直すなんてことがないように気をつけてください。(筆者も何度も経験しました。。。)
プラグに軽く予備ハンダをします。
ケーブルをあてがってみます
丁度よさそうなところでカットしケーブルにも予備ハンダをします。
スイッチクラフトのL型はよく見るとTipの端子が外側に向かって曲がっているのでこれを利用します。
この部分を少しさらに曲げます。
この状態で下から芯線を穴に挿し、ケーブルを当てます。
ここまでくればケーブルをこのまま端子にハンダ付けすれば完成です。
芯線をはんだ付けし
シールド線を横からはんだ付け
こんな感じですかね。
芯線とシールド線が接触してない事を確認、熱しすぎると絶縁体が溶けて接触する場合があるので〇で囲った部分が接触しないか注意。テスターを持っている人はこの時点でケーブルを揺らしたりして接触しないかチェック。
OKであればケーブルを固定する部分も閉めこみます。
カバーを被せて完成!!
前回のストレート型と合わせてS-Lのシールドが完成しました。 テスターがある場合はそれぞれのプラグのTipとTip、SleeveとSleeveが導通していること、TipとSleeveが導通しない事を確認しましょう。
テスターが無ければひとまずギターとアンプを繋いでみましょう。失敗している可能性も考えてアンプのボリュームは下げておきましょう。
ボリュームを少しずつ上げて無事に音は出たでしょうか?TipとSleeveの片側しか繋がってなかったりすると大きいノイズが出たり、接触すると音が途切れたりします。
3回に分けてシールドケーブルの作成方法を紹介してきました、この記事を読んでシールドを作ってみよう!!と思った方がいれば幸いです。くれぐれも火傷には注意しましょう。はんだ付け直後のプラグもかなり熱くなっている場合があるので気をつけてください。
サウンドハウスではケーブルタイなども販売しているので自作したケーブルをまとめるのに便利ですよ。