ここから本文です

ケーブルを材質から考える 前編 (導体編)

2021-10-11

テーマ:実録 ! サービスマン日記

楽器や音響の世界では、ケーブルはなくてはならない存在です。
一口にケーブルといっても、単純な構造のように見えて、昨今さまざまなケーブルが販売されています。
その数多あるケーブルについて、根本的な材質をベースに少しお話したいと思います。
今回は前編として芯線材に使用される「導体」についてお話します。

目次
ケーブルの構造
ケーブルの芯線材(導体)

まず初めに、材質のお話に入る前に、簡単にケーブルの構造を見ていきましょう。

● ケーブルの構造

ここでは音響に関わるケーブルを前提に、基本的な構造についてお話します。
主にケーブルは3つの構造体で構成されています。

■ 導体・・・芯線(内部導体)、外部導体に使用される金属線部分
■ 被覆・・・ケーブル外装、芯線外装部分
■ 絶縁体・・主に芯線(内部導体)部分を覆う絶縁材料部分
ケーブル断面を図に表すと、以下のようになります。

実際にOYAIDEのGSPOTケーブルで現物を見てみましょう。

OYAIDE ( オヤイデ ) / G-SPOT CABLE

上記のとおり、ケーブルは「金属線」とそれを覆う「絶縁材料」によって、構成されており、構造自体は難しいものではありません。
では構造が分かったところで、本題へ入りましょう。

● ケーブルの芯線(導体)材

ケーブル芯線に使用される金属の材質は、そのほとんどが実は「銅」です。
なぜ芯線(導体)に銅が使われるのでしょうか。
それには理由があります。
簡単に言えば、最も高いコストパフォーマンスを実現できるのが「銅」だからです。
では(楽器・音響ケーブルの)芯線(導体)におけるパフォーマンスとは何でしょうか。
単純に「音質が良い」・「ノイズがない」これが理想ですよね。
ただ音質に関しては、好みやシチュエーションによってさまざまなので、難しいところではあります。
前置きはこれくらいにして、ではなぜ「銅」が音質面やノイズ性能で優れているかを考えていきましょう。

ここで考えるのは、金属の「導電率」です。
導電率は電流の流れやすさを示す指標です。
つまり導電率が高い金属程、よりスムーズな信号伝送が可能であり、 ノイズの影響を受けにくく、より解像度が高い音質になります。
実際に主要な金属材質と導電率を比較してみると、

上記のように銅を100%基準で考えた場合、「銅」よりも導電率が優れているのが「銀」。
「金」も導電率は他金属よりも高い方ですが、「銅」には劣ります。
「銀」「金」に関しては、希少価値が高く、宝飾品などにも用いられるため、高価です。ですが、一部の高級ケーブルでは、銀を使用したケーブルもあります。
また楽器・音響の話からはズレますが、送電線などの長距離を繋ぐようなケーブルの場合、「銅」よりも重量が軽い「アルミニウム」が使用されるケースはあります。
ここまでで、「銅」が導体に使用されるのに適した金属であることは分かりました。

ただ「銅」といっても、さらにまだその先があります。
より不純物の少ない方が、さらに導電率を高めることができます。
電気精錬など、技術の進歩により、「銅」の中でもさらに優れた「無酸素銅」通称「OFC(Oxygen-Free-Copper)」というものが製造できるようになりました。
「無酸素銅(OFC)」は、いまやケーブル業界ではスタンダードな存在になってきました。
JIS規格に基づき「純度99.96%以上」の高純度の銅が、「無酸素銅(OFC)」と呼ばれるものになります。
※純度が低いものは、タフピッチ銅(TPC)と呼ばれ、OFCはTPCよりも高価です。

少し余談になりますが、OFCの中にも、さらに高度な技術で生成されるものがあり、種類が増えています。
OFCの加工方法において、信号伝送の障害となる部分を排除した「Hi-OFC」や、超高純度を追求したものが存在します。
OFCの純度は「99.96%以上」とお話しましたが、この「9」の数字が何個あるかを示す「N」の表示がついているものがあり、超高純度の無酸素銅のものは「6N-OFC」のようにNが表示されます。
具体的に、6N-OFCだと「99.9999%」の純度を示し、現在は8Nまで実用化されています。
まとめますと、以下のようになります。

世の中に出回っているケーブルの導体のほとんどは前述のとおり、TPCやOFCであり、さらに高級なケーブルでは、Ag(銀)やOFCの中でも高純度・高度加工がされたものが採用されています。

今回弊社取り扱いケーブルでいくつかピックアップしてみました。
OYAIDE社は独自技術による高度加工導体が特徴です。

■ OFC導体

↓楽器用

CANARE ( カナレ ) / GS6

MOGAMI ( モガミ ) / 2524 ギターシールド

↓スピーカー用

audio technica ( オーディオテクニカ ) / AT-ES1100E

■ 高度加工OFC導体

↓楽器用

OYAIDE ( オヤイデ ) / QAC-222

↓マイク、スピーカー用

OYAIDE ( オヤイデ ) / PA-02 V2 

↓スピーカー用

OYAIDE ( オヤイデ ) / ACROSS 3000

今回はケーブルの材質(導体編)をテーマにお話を進めました。
簡単な内容で言葉足らずがあるかもしれませんが、ご容赦ください。
これからのケーブル選びの一助となれば幸いです。
次回は被覆に関して、お話していく予定です。

技術サポート / 堀江 司

社会人経験を経て、ESPギタークラフトアカデミー卒業後、楽器音響業界へ。音響機器修理エンジニア就いて10年。PA音響機器の修理を中心に数多く携わってきました。年々修理分野の幅を広げ、現場で培ってきた知識・経験・技術を土台に、時代とともに変化する新しい技術や製品へ対応すべく歩み続けています。主にJBL、QSC、BEHRINGER、SUMMITAUDIOを中心とした音響機器の修理に従事。電源機器の修理サポートも行っています。第2種電気工事士資格保有。

OYAIDE / ACROSS 3000

OYAIDE

ACROSS 3000

¥3,608(税込)

スピーカーケーブル、102SSC+OFC、2芯、切り売り1m単位

ブログ有り

 

完売しました

OYAIDE / G-SPOT CABLE

OYAIDE

G-SPOT CABLE

¥600(税込)

楽器用ケーブル、単芯、切売り1m単位、シールド

評価000005

ブログ有り

在庫あり

数量

OYAIDE / PA-02 V2

OYAIDE

PA-02 V2

¥1,430(税込)

インターコネクトケーブル、102SSC、2芯、0.75SQ、切り売り1m単位

評価000005

ブログ有り 動画有り

在庫あり

数量

OYAIDE / QAC-222

OYAIDE

QAC-222

¥750(税込)

オーディオ用ケーブル、切売り1m単位、緑

評価00001

ブログ有り 動画有り

在庫あり

数量

audio technica / AT-ES1100

audio technica

AT-ES1100

¥500(税込)

スピーカーケーブル、切売り1m単位、OFC導体採用

評価00001

ブログ有り

在庫あり

数量

CANARE / GS6

CANARE

GS6

¥250(税込)

楽器用ケーブル、1m単位切売り、シールド、定番

評価000005

ブログ有り

在庫あり

数量

MOGAMI / 2524 ギターシールド

MOGAMI

2524 ギターシールド

¥180(税込)

ギターケーブル、切売り1m単位、外径6Φ、黒、シールド

評価000005

ブログ有り

在庫あり

数量
 
 
 
サウンドマートスキル出品を探す サウンドナビアフィリエイト記事を書く

カテゴリーから探す

翻訳記事

ブログカレンダー

2025年4月

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30

ブランドから探す

ブランド一覧を見る
FACEBOOK LINE YouTube X Instagram TikTok