

さて今回は何です?
レコーディング!
え?レコーディングに関して、ですか?これまでにやって…ないのか(笑)
やってそうで意外とやってなかったみたい。
そうか、、、語れるかなあ。まずは王子からどうぞ。
OK!バンドの数だけレコーディングのやり方進め方はあると思うけど、あくまで僕らの場合!
はい。
あくまでザ・キャプテンズの「HANATABA」のレコーディングについて!
はい。
まず、ドラムとベースは同時に録ります。
いわゆるリズム隊ですね。たしかにここの呼吸を合わせるのは大事なので、せーの、で録れるといいですよね。時間短縮にもなるし。
だよね!ちなみにベースはアンプを鳴らさず、ライン録音です。
なるほど。最近は大体そうですよね。となると、DIが大事になってきますね。
今回、テッドはほぼライブでのセッティングで録ってたね。
画像の右上にテッドさん(ザ・キャプテンズのベーシスト)の大好きなアヴァロンのDIが見えますね。
AVALON DESIGN ( アバロンデザイン ) / U5 SILVER
サオもいつものモズライト。
モズライトがデフォルトというか、これありきで普段から音作りしてますもんね。
そうそう、以前の回で詳しく紹介してるからよかったら見てみてね!
⇒ 現役バンドマンが語る~個性派ベーシストのボード編~
かなり個性的ですよね。
ね。ウチはドラムベースは必ずと言っていいほど同時に録りますが、あわよくば僕のバッキングギターも同時に録っちゃいます。
そのほうがより時間短縮にもなるので合理的ですね。
だよね。でも頑張って録ったあとにやっぱり要らないや、とカットされることも…(泣)
泣かないで…
今回はライブでのメインギター、テスコのスペクトラム5を弾きました。
もはや見慣れたギターです。
エフェクターはほとんど使わなかったと思う。チューナーもクリップタイプで、アンプ直で!
潔い!アンプは何を?
スタジオにあったフェンダーのツイードアンプ!
年季が入っててかっこいいですね。
ね!ドラムとの音のかぶりを防ぐためにギターアンプは別のブースに入れて録ったよ。
なるほど。大事。ドラムがいいテイクを録ってもギターが間違ってたりしたら大変ですもんね。音かぶってたら。
なので、ドラムがある部屋に僕とテッドが入ってシミズトール(ザ・キャプテンズのドラマー)とアイコンタクトや身振りでの合図を送りながら録れるというわけ。
ライブをたくさん重ねたバンドには適したやり方ですよね。
うん!全員ヘッドホンしながらね。ヘッドホンの中の音量バランスはそれぞれで調節してさ。ドラマーはクリックも聴きながら。
絵的にレコーディングっぽい。
でしょ!
お、この白いミキサーのツマミで各楽器の音量を決める訳ですね。
正解!流石だね!
流石にね(笑)ヘッドホンはSONYの定番のヤツですね。
うん。どこのスタジオ行ってもまずはコレが出てくるよね。
ですよね。何十年も続く定番モデル。
あると安心。で、サオの音色やドラムセッティングとマイキング、ヘッドホン内のバランス取れたらいよいよ録ります。
ドキドキ…。
ウチの場合はだいたい3テイクぐらいやればドラムベースはOKテイク録れるね。
流石です!
ミスったところがあれば自己申告してその箇所を録り直します。
はい。自己申告制なんだ。
ウチはね。エンジニアに突っ込まれる前に自分から言うスタイル。
なるほど(笑)でも、大体そうかな。自分が一番よく分かってるはずですもんね。
で、何度かやってドラムベースリズムギターのOKテイク録れましたー。
お疲れ様でした。
お疲れ様!
え、帰るの?
帰る!
リードギターや歌は?
歌はこの日一曲くらい録ったかな。おつかれさまー、ではまた!
え?
説明しよう!レコーディングスタジオのレンタル時間から計算して、この日はドラム・ベース・バッキングギターが録れれば御の字!というもとからの計画だったのだー!
そういうことか。ま、一日で終わらないのはあるあるですよね。
ねー。で、この後の流れとしては、後日、別のスタジオで歌入れ。ドラム・ベース・バッキングギターだけで歌えるものはどんどん歌入れしていって。
リードギターなどは?
Tomoaking(ザ・キャプテンズのギタリスト)が自宅で録ってデータを送ってくれた。
近年は宅録でもかなりのクオリティで仕上げられますもんね。
ねー、凄い時代。生っぽい狙いならそのリードギターのデータをリアンプしたり。
送ってもらったギターのデータ音源を実際のアンプで鳴らして、そのアンプの音を改めて録る手法ですね。
それっ!曲によってはラインの音を活かした方が曲に合うこともあるからうまくチョイスして。
その辺はバンドの方向性や曲によりますよね。
そうそう。次はコーラス録り。このあたりまで来るとレコーディング終盤。
ですね、録りものとしてはコーラスは最後のほう。
ウチはコーラス隊長がいますので基本的にお任せ!
テッドさんですね。録りの最初から最後まで大活躍。
ね!頼れる!
裏方的なことまで含めたら何人分の仕事してるんだろう、、、ベースプレイひとつとっても凄いのに、ホント超人的です。
コーラスだけでも一曲の中に5、6人のテッドが居ることもあるよ!コーラスの達人、テッドのコーラスが入ると作品のグレードが何段階も上がるんだ。
それはホントにそう。自分たちのレコーディングでも勉強させてもらいました。
ナショヲナルの音源「JAPAN」のプロデュースやってたもんね、テッド。
そうそう。でも、あの時はあまりプロデュースされなかった気がするんですよね…
ん?どういうこと?
せっかくテッドさんが入ってくれたので、ベースラインとか相談したんですけど「そのままでいいと思いますよ」って…「ホーリーさんらしくていいと思います」と。曲に合うなら他人が考えたフレーズでもいいと思っちゃうクチなので、ちょっと聞いてみたかったんですよね。
でも、それは本当にそのままでいいと思ったんだと思うよ?
だとは思うんですけど、ナショヲナル以外のレコーディング現場…傷彦さん絡みのヤツだと結構教えてくれるんですよね…ま、バンドの個性をきちんと見極めてプロデュースしてる証なんだと思います。それにあの時は細かなズレとかもテッドさんが修正してくれてた…んじゃないかな?エンジニア的な仕事までこなしてくれてました。確か。
流石だね。さて!メンバーの録りの稼働はここまで!
メンバーの、ということは?
あとは外部のアレンジャーにお願いしていた音源を確認!今回のアルバムだと「シンデレラ、君となら」という楽曲のストリングス!
あれ、凄くゴージャスですよね。
お城の舞踏会のイメージだからね!
納得。
これで素材はすべて揃った!
あとはミキシングですね。録った音のバランスを調整したり、と。
僕の弾いたギターがカットされてませんように…。
結果どうなったかは、アルバムを聴いてみてくださいね。
よろしく!
実際のところどうだったんですか?
傷彦のギター、カットされてました!
ご愁傷様です…
違うの!
どう違うの?(笑)
アルバムタイトルにもなっている曲「花束-HANATABA-」はライブではTomoakingのギター一本で弾き切る曲なので、僕から「傷彦ギターカットでいいよ」と言ったのさ…(泣)
泣かないで(2回目)
全体のためにエゴを捨てることも大事なのさ…
まぁそうですね。メンバーそれぞれが自分の音を大きくしようとして収拾つかなくなる、というのはよくある話で。ブラック・サバスもライブアルバムのミックスで揉めて、メンバー間に亀裂が入ったとか入らなかったとか…どこかで冷静に判断することも必要ですよね。でも今回はレコーディングについて聞けて良かったです。
今度はホーリーの経験談を聞かせてね。色んな現場、色んなやり方を知ってるでしょうから。
はい。まずは思い出すところから…
楽しみにしてるよ!そう、すべては?
愛ゆえに!
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