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蠱惑の楽器たち 56.GM音源17 SFX・カテゴリー

2022-12-30

テーマ:音楽ライターのコラム「sound&person」, 音楽全般

■これまでのGM音源シリーズ
GM音源01 いにしえのGM音源
GM音源02 ピアノカテゴリー
GM音源03 クロマチック・パーカッション・カテゴリー
GM音源04 オルガン・カテゴリー
GM音源05 ギター・カテゴリー
GM音源06 ベース・カテゴリー
GM音源07 オーケストラ・カテゴリー
GM音源08 アンサンブル・カテゴリー
GM音源09 ブラス・カテゴリー
GM音源10 リード・カテゴリー
GM音源11 パイプ・カテゴリー
GM音源12 シンセリード・カテゴリー
GM音源13 シンセパッド・カテゴリー
GM音源14 シンセSFX・カテゴリー
GM音源15 エスニック・カテゴリー
GM音源16 パーカッシブ・カテゴリー

SFXカテゴリーです。GM2(1999年)で最も増えたカテゴリーですが、Roland独自のGS音源(1991年)と同等となっています。 ドラムセットのSFXの音が、このカテゴリーでも使えるようになり、鍵盤から音の高低を扱えるようになりました。

基本的にサンプリングされたひとつの音を広い音域に割り当てているので、原音から低すぎたり、高すぎたりすると、録音した音からかけ離れて不自然になります。また低い音はゆっくり再生することで音程を実現しているため再生時間が長くなり、高い音は速く再生しているので逆に短くなっています。オリジナル音はC4に割り当てられている場合が多いです。

楽器の音と違ってSFX固有の音は印象に残りやすいという特徴があります。 TTSの音はRolandの最も普及したGM音源と同じ音がします。1990年代から2010年ぐらいまで、このカテゴリーの音は、あらゆるメディアで使われてきたため、「どこかで聞いたことある!」と思うかもしれません。

121 ギター、ベース用ノイズ

ギターやベースのノイズです。最近のギター、ベース音源であれば、アーティキュレーションで効率よく扱えますが、GM音源ではノイズは別音色として扱う必要があります。生演奏では仕方なく出てしまったノイズですが、打ち込みでは、あえてノイズを入れることで生っぽさを演出できます。

121 000 GtFret Noise

コードチェンジをする際に入ってしまうキュッというノイズです。ギターを弾く人からすると、なるべく入れたくない音ですが、はたから見るとギターならではの味として感じるようです。 純粋なシンセサウンドは、きれいすぎて物足りない音になるため、あの手この手で音を汚していくというプロセスになります。

121 001 Gt.Cut Noise

弦をミュートして、全部の弦をピックで弾いた時の音です。鍵盤全域で鳴らす必要のない音ですが、ギターのリアリティを追求するだけでなく、打楽器的な扱いをしても面白いかもしれません。

121 002 Noise Slap_St.Bass

スラップベースのアタックノイズで、音程のある音と組み合わせてノリを作り出すための重要な音ですが、GM音源では2つの音色を組み合わせて作る必要があるため、なかなか面倒な作業になります。最近の音源であれば、アーティキュレーションで、ひとつのトラックで様々なノイズも実現できるようになり、とても便利になりました。

122 フルート用ノイズ

こちらもフルートの演奏に臨場感を持たすためのノイズです。

122 000 Breath Noise

ブレスノイズですが、音程があるので気を使う必要があります。フルートのメロディパートを全てコピーして、ベロシティでコントロールすると手っ取り早く作業が可能になります。

122 001 FL.Key Click

キー操作の時に出るノイズですが、音程がないので気楽に使えます。この音は他の楽器でも利用可能です。

123 自然現象の音

シンセサイザーが登場したときから、よく使われていた波や風の音です。 TTSに入っている音は、サンプリングされたものなので、あまり変化は付けられず柔軟性という意味では、物足りない感じですが、サンプリングならではのリアルな側面もあります。本物の音を録音したものと、人工的に作った音があります。

123 000 Sea Shore

海岸の音ですが、鍵盤を押していても、すぐに減衰するため、波らしい音にするためには、うまく次々と波を発生させる必要があります。昔のラジオやテレビでは小豆とざるを使って波の音を作っていました。

123 001 Rain

穏やかな雨です。押した鍵盤の数だけ、少し激しく降ります。

123 002 Thunder

雷鳴です。アナログシンセで作るのは難しい音です。物理的に雷鳴のような音を作る場合は、下写真のようなスプリングドラムなどがあります。

123 003 Wind

風の音はアナログシンセの得意とする音で、柔軟に様々な風を演出できます。しかしTTSではサンプリングのため寒そうな風の音だけで、バリエーション作りは難しいです。

123 004 Stream

小川の流れる音で、押した鍵盤の数や音域で、表情がつけられます。

123 005 Bubble

水の泡ぶくの音です。おそらくC4がオリジナルの音だと思いますので、やはりその周辺の音がナチュラルに聞こえます。

124 生き物

生き物系の音は、もっと拡張してもよいと思えますが、少な目です。RolandのGS音源では猫の鳴き声なども入っていて、もう少し多くの音が扱えます。

124 000 Bird Tweet

小鳥のさえずりです。この音に近い下写真のような擬音笛というものもあります。構造的には中に水を入れて吹く水笛です。

124 001 Dog

犬の吠える声です。音程感は希薄ですが、鍵盤の音域ごとに、大型犬から小型犬まで演出できます。オリジナルはおそらくC4でしょう。柴犬あたりの中型犬でしょうか。

124 002 Horse Gallop

馬の駆ける音で、こちらに向かって走ってきて、そして過ぎ去っていく音です。石畳のような硬い面を走っているような音がします。おそらく、人工的に作った音だと思います。

124 003 Bird Tweet 2

これも小鳥ですが、鍵盤を押すと1回「チュン」と鳴くだけです。音素材としては最小単位なので、使い勝手は向上します。 発音するとピッチが微妙に下がるのでトムトムのような感じで楽器扱いしても面白いかもしれません。ピッチ感もそれなりにあります。

125 インドア

125 000 Telephone

ダイヤル式黒電話の呼び出し音で、C4がオリジナルです。 80年代前半までは黒電話はどこの家にもありましたが、今では骨董品扱いです。 電話線から供給される電気を使って、ふたつのベルを打ち鳴らしています。

125 001 Telephone 2

プッシュ式電話機の電気音で、これもC4がオリジナルだと思います。 現在でもこれに近い音の電話機は多いので、電話の音という認識にはなるかと思います。

125 002 Door Creak

古いドアを開けた時のきしむ音ですが、ちょっと芝居がかった音に聞こえます。あまり気持ちの良い音ではありませんね。

125 003 Door

ドアが勢いよく閉まる音です。これは電子的な打楽器として活用できそうな音です。

125 004 Scratch

ドラムセットにあるスクラッチ音は高低の2音しか使えませんが、こちらは幅広い音域で実用的に扱えるため、様々な表現が可能になります。

125 005 Wind Chimes

このカテゴリーにいるのが不思議なウインドチャイムです。様々なジャンルで使われ続けている魅力的な楽器です。 ドラムセットSFXでは1音しか使えませんでしたが、ここでは広い音域で扱えるため、表現力が上がります。

126 乗り物

126 000 Helicopter

ヘリコプターが空中でホバーリング状態という感じの音です。鍵盤を押している間、同じ音量でループします。

126 001 Car-Engine

車のエンジンをかけるときの音で、鍵盤を押している間、エンジンが回っています。

126 002 Car-Stop

車が急ブレーキをかけたときのスリップ音ですが、ピッチが上がる方向に鳴ります。どうやって作ったか分かりませんが、本当の音ではなく、人工的だと思います。スクラッチ音として使うと面白いかもしれません。

126 003 Car-Pass

レーシングカーが目の前を走り抜けるような音です。これも音楽的に使えそうな音です。

126 004 Car-Crash

車がクラッシュするときの音ということですが、当然ですが人工的な音です。何かを砕いた時の音を収録したのだと思います。この手の音はシンセで作るのが難しく、やはり実際に録音したものが強いです。1音だけでも生々しい音ですが、たくさんの音を同時に使うと爆発のような音にまでなります。これも打楽器的に使えそうです。

126 005 Siren

外国のパトカーという感じのサイレンの音で鍵盤を押している間ループになります。C4がオリジナルだと思いますが、音域が違うと雰囲気が全く変わってしまいます。

126 006 Train

電車の音ですが、近づき、遠ざかって行きます。ガタンゴトンという音は、レールのつなぎ目に隙間があるため出る音です。しかし最近ではレールのつなぎ目を斜めにすることで、この音が出ないようになってきています。ガタンゴトンが電車の音と言われなくなる日も近いかもしれません。

126 007 Jetplane

ジャンボジェット機の音ということですが、徐々に上昇するピーという音と、ノイズにより構成されています。この手の音はアナログシンセで作ったほうがよさそうです。

126 008 Starship

宇宙船ということですが、すぐに減衰してしまいます。個人的にはJetplane以上に微妙な印象です。

126 009 Burst Noise

よく分からないSF的なノイズで、上記2つと比較しても微妙な印象ですが、立ち上がりも速く、鍵盤を押している間、面白いループをするので、音楽的には使いやすい音といえます。

127 人

127 000 Applause

拍手です。1音だけですと寂しい感じですが、用途に応じて使い分けられる便利さがあります。 適度に音程を分けて構成すると、雰囲気に合わせた拍手が作れます。

127 001 Laughing

ちょっと狂気じみた笑い声で怖いです。音程によって印象が大きく異なり、様々な演出に使えそうです。

127 002 Screaming

女性の叫び声です。これも音程によって表情が変わります。低すぎるとジャングルにいる動物の鳴き声みたいです。

127 003 Punch

パンチ音と気合声のミックスです。これも使い方によっては面白い効果を生みそうです。

127 004 Heart Beat

よくある心臓の鼓動音ということですが、打楽器として使えそうです。

127 005 Footsteps

定番の足音です。この音は革靴っぽい感じがします。足音は実際の靴を使って収録する場合がほとんどです。この音もおそらく本物の靴を使っていると思います。

128 武器

128 000 Gun Shot

拳銃のショット音です。これも打楽器的に使うとよいかと思います。

128 001 Machine Gun

マシンガンの音ということですが、マシンガンの絵がなければ、そのように聞こえません。そういう意味では使いやすく用途が広そうに感じました。

128 002 Lasergun

レーザー銃です。そもそもレーザー銃の音はするのか?という疑問はありますが、劇中では音がないと格好がつかないので、それっぽい音ということで、こんな音がするSFは多かったです。70年代はアナログシンセで作られていたことが多かった音です。

128 003 Explosion

爆発音です。シンセで合成するのが難しい音で、多くの場合は打楽器系の音を複合して作っています。また実際の爆発の音を録音するのは、いろんな意味で難しいですが、映画「この世界の片隅に」では、自衛隊まで赴いて録音したそうです。


コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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あちゃぴー

楽器メーカーで楽器開発していました。楽器は不思議な道具で、人間が生きていく上で、必要不可欠でもないのに、いつの時代も、たいへんな魅力を放っています。音楽そのものが、実用性という意味では摩訶不思議な立ち位置ですが、その音楽を奏でる楽器も、道具としては一風変わった存在なのです。そんな掴み所のない楽器について、作り手視点で、あれこれ書いていきたいと思います。
blog https://achapi2718.blogspot.com/
HP https://achapi.cloudfree.jp

 
 
 

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