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蠱惑の楽器たち 42.GM音源03 クロマチック・パーカッション・カテゴリー

2022-08-27

テーマ:音楽ライターのコラム「sound&person」, 音楽全般

■これまでのGM音源シリーズ
GM音源01 いにしえのGM音源
GM音源02 ピアノカテゴリー

GM音源のChromatic Percussionカテゴリーは、音程を持った体鳴楽器です。いずれも叩くことで発音しますが、打楽器のようにサスティーンが短く減衰する音のため、打ち込みでは扱いやすいカテゴリーといえます。各サンプル音を下記動画にまとめました。どのような音なのか確認してみてください。

チェレスタ

009 000 Celesta 音域C4-C8

幻想的な音が出る体鳴楽器チェレスタ。 鉄琴のような鉄板をピアノのようなハンマーで鳴らす構造となっています。各鉄板には共鳴箱が付いていて、幻想的な音に一役買っています。 また鍵盤を持っているためピアノ奏者が演奏することが多い楽器です。演奏面にしても作曲面にしてもピアノの延長線上で扱えるメリットは大きいといえます。 チェレスタを使った楽曲としては「くるみ割り人形」などが有名です。 最近では映画「ハリーポッター」のサウンドトラックで使用され再び脚光を浴びています。 サンプルはサウンドを似せるためにアタックを若干遅らせています。

グロッケン(鉄琴)

010 000 Glockenspiel 音域C5-C8

グロッケン(鉄琴)。音域が高く、ビブラフォンのようなダンパーペダルもなく、ひじょうにシンプルな構造です。 もっぱらキラキラしたサウンドを出すことが、この楽器の役割となります。実際の楽器ではマレットの種類で音色を調整できます。 サンプルは上のハリーポッターを鳴らしています。チェレスタと同じように鉄板を音源としていますが、随分と雰囲気が違います。よりストレートな音といえるでしょう。 この手の音で、何よりも気をつかうのはリバーブ処理だと思います。アタックの鋭い高音はリバーブの質が問われます。GM音源に内蔵されている昔ならではのリバーブでは役不足になると思います。

オルゴール

011 000 Music Box 音域C4-C6

オルゴール。ゼンマイの力でドラムを回して、ピンをはじくことで音を鳴らしますが、ゼンマイの力が尽きるとき、テンポだけが落ちていきます。ただ音程は変わらないので、動画では、そのような演出をしています。

ビブラフォン

ビブラフォンは共鳴筒のある鉄琴で、モーターによって共鳴筒の開閉を行うことでビブラート効果を作っています。名称もビブラート効果があるからビブラフォンと呼びます。モーターを回すために電気を使うので、主にジャズなど比較的新しい音楽ジャンルで使われています。またピアノのようなダンパーペダルがあるので、これをうまく利用した演奏が重要となります。 TTS-1のビブラフォンは控えめなヴィブラートとなっていて、調整ができないため、動画ではエフェクトを使ってヴィブラートを強調しています。

012 000 Vibraphone 音域F3-F6

モノラルのビブラフォンです。

012 001 Vibraphone w(wide) 音域F3-F6

上記を音域ごとに左右に振った音作りのはずですが、現在のTTS-1ではうまく鳴らないようで、000と同じ音となってしまいました。古い音源は最新環境ではうまく動かないことがよくあります。

マリンバ

マリンバは大きな共鳴筒のある木琴で、ラテン音楽に欠かせない楽器です。シロフォンとの違いは、音板形状の違いと、共鳴筒サイズにより、音がよく響き、まろやかな音がするところです。木材は比重の高いローズウッドが使われています。音域も1オクターブほど低いところを得意としています。国内でマリンバの有名曲としては、冨田勲作曲のNHK「きょうの料理」のテーマでしょうか。

013 000 Marimba 音域C3-C6

モノラルマリンバ。

013 001 Marimba w(wide) 音域C3-C6

上記を音域ごとに左右に振った音作り。低域は左側で、高域は右側から鳴ります。

シロフォン(木琴)

014 000 Xylophone 音域F4-C7

シロフォン(木琴)は古くからある楽器でクラシック音楽の中でも利用されています。同じ木製のマリンバよりも鋭い音がします。木材はローズウッドや、紫檀などが使われています。 動画はサン=サーンスの「動物の謝肉祭 化石」ですが、様々な動物のイメージを楽器で表現しているユニークな楽曲です。化石はシロフォンの音とイメージが合っていて、なんとなく骨っぽくも聞こえます。

ベル

015 000 Tubular-bell 音域C4-F5

国内ではNHKの「のど自慢」で使われている鐘として有名です。教会で使われている鐘から、演奏しやすいように工夫された楽器です。鍵盤のような配置となっています。本物は、非整数倍音が多く含まれていますが、このサンプルは割と整えられている印象を受けます。

015 001 Church Bell 音域C4-F5

教会の塔に設置された鐘です。基本的にメロディを演奏するものではなく、多くは2個セットで設置してあって、5度音程が多いと思います。機械的に連動するようになっていますが、タイミング的にも音量的にもムラがあります。またベルを打つ振り子の打ち方で一打一打の強弱や音質差も著しく、逆に打ち込みで、それらしく表現するのが難しい音色です。

015 002 Carillon

フランス、メーヌ=エ=ロワール県の聖心教会のカリヨンコンソール
(著作者:Pascal Ménard ライセンス:CC BY-SA 4.0)

カリヨンは教会の塔などに設置された演奏可能な鐘となります。Church Bellと似たような形と音ですが、メロディ演奏を前提とした扱いがされています。写真のように演奏席があり演奏することができます。一人で演奏する場合は、手は握りこぶしで一つの鍵盤を操るので、手足を使っても4和音までとなります。 TTS-1のカリヨンは安定した音程が得にくいので、メロディに使うには工夫が必要となります。

サントゥール(ハンマー・ダルシマー)

Hammered dulcimer (Wikipediaより引用)

016 000 Santur 音域C4-C6

サントゥール。ハンマー・ダルシマーとも呼ばれています。 イランの打弦楽器で、弦を木の棒で叩いて発音します。 カテゴリー的にはEthnic Miscだと思いますが、なぜかChromatic Percussionカテゴリーに配置されています。


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あちゃぴー

楽器メーカーで楽器開発していました。楽器は不思議な道具で、人間が生きていく上で、必要不可欠でもないのに、いつの時代も、たいへんな魅力を放っています。音楽そのものが、実用性という意味では摩訶不思議な立ち位置ですが、その音楽を奏でる楽器も、道具としては一風変わった存在なのです。そんな掴み所のない楽器について、作り手視点で、あれこれ書いていきたいと思います。
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