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蠱惑の楽器たち 49.GM音源10 リード・カテゴリー

2022-11-17

テーマ:音楽ライターのコラム「sound&person」, 音楽全般

■これまでのGM音源シリーズ
GM音源01 いにしえのGM音源
GM音源02 ピアノカテゴリー
GM音源03 クロマチック・パーカッション・カテゴリー
GM音源04 オルガン・カテゴリー
GM音源05 ギター・カテゴリー
GM音源06 ベース・カテゴリー
GM音源07 オーケストラ・カテゴリー
GM音源08 アンサンブル・カテゴリー
GM音源09 ブラス・カテゴリー

このカテゴリーはリード楽器を扱います。GM2になっても拡張されなかった珍しいカテゴリーです。 リード楽器はケーンを材としたリード(Reed)という発音機構を持った木管楽器です。 エアリードも木管楽器ですが、GM音源ではカテゴリーを別にしています。 発音構造ごとに、きっちり分けるのはよいことだと思います。できれば一般的な呼び名も変えたいところです。 金管、木管では本質を言い当ててないばかりか、誤解を招く呼び名だと思います。

下動画でTTS-1による各楽器のサンプル音が聞けます。

サクソフォーン(サックス Saxophone)

065~068はサックスになります。サックスは管楽器の中では比較的新しく、1840年代(幕末)にアドルフ・サックス(ベルギー)によって考案された楽器で、内部が円錐形になっていて倍音が豊かに出ます。また演奏性も優れているため、テクニカルで表情豊かな演奏が可能になっています。サックスは音域ごとに細かくバリエーションがあり、12種類ほどあったようです。現在一般的に目にするのは、その半分ぐらいです。 運指もほとんど同じなので、音域の違うサックスの持ち替えも現実的で、実際2種以上のサックスを目的に応じて吹き分ける奏者も多いです。

GM音源では代表的なサックスであるソプラノ、アルト、テナー、バリトンを扱っています。表情豊かなサックスをGM音源で、それらしく表現するのは難しく、どうしても表情に乏しい、のっぺりした音になります。

065 000 Soprano Sax 音域 F#3-D#6

ソプラノサックス。 一般的に目にするサックスの中で、高音域を担当するサックスです。さらに上にソプラニーノというサックスもありますが、かなり珍しい存在となっています。 多くのソプラノサックスは管がまっすぐな形状で、ほかのサックスとは見た目の印象が異なります。ただしアルトのような形状のソプラノサックスも存在します。とても小さくなり、おもちゃのような印象になります。ソプラノは小さいサックスなので見た目は手軽そうですが、実際は逆で安定した美しい音を出すには、かなりの技術が要求されます。

066 000 Alto Sax 音域 C#3-G#5

アルトサックス。 中高音域を担当するサックスで、ポピュラー音楽などでもよく使われる代表的なサックスです。 見た目もサックス代表で、ほとんどの人は、サックスと言えばアルトをイメージするのではないでしょうか。 また扱いやすさ、価格などから、アルトから入門する人が多いと思います。 高域側では、独特なかすれた音になりますが、TTSの音は、それにしてもスモーキー過ぎます。

067 000 Tenor Sax 音域 F#2-D#5

テナーサックス。 中音域を担当するサックスです。ベロシティを上げると、ビリビリした感じも出ます。 ジャズでは、アルトよりもテナーを多く耳にします。

068 000 Bariton Sax 音域 C#2-G#5

バリトンサックス。 中低音域を担当するサックスです。さらに下にコントラバスサックスもありますが、あまりにも大きいので、吹く人は限られているようです。 立って演奏できるのは、このバリトンまでのような気がします。 バリトンは歯切れのよい中低域の音が魅力で、TTSでも、その雰囲気は出ています。

069 000 Oboe 音域 A#3-G6

オーボエ。 リードを2枚使ったダブルリード楽器で、楽器の扱いも、演奏も難しい楽器とされています。 内部はサックスと同じように円錐形になっていて、独特の倍音構成に貢献しています。 その癖のある音がオーボエの魅力となっています。 またオーケストラでは、オーボエのA4(440~443Hz)を基準に全体のチューニングをします。オーボエはピッチが安定していますが、逆に簡単にピッチを微調整できません。そのため他の楽器がオーボエに合わせるという訳です。ピッチは楽団によって様々です。クラシックは442Hzが多いようです。

070 000 EnglishHorn 音域 E3-A5

イングリッシュホルンと呼ばれていますが、コーラングレが正式名で、オーボエと同じダブルリード楽器です。 オーボエよりも5度低く、オーボエ奏者がイングリッシュホルンを吹くことが多いようです。 先端が膨らんだ見た目が特徴的で、オーボエとの判別がしやすいです。 楽器の構成は似ていますが、ダブルリードのサイズや内部の形状などが微妙に異なっています。 そのため音の傾向も音域の違い以上にあり、より丸みのある哀愁のある音が特徴となっています。

写真:メーカーサイト引用

071 000 Bassoon 音域 A#1-C5

バスーン、もしくはファゴットと呼ばれます。オーボエと同じようにダブルリード楽器です。 低音楽器であり、主にベースを受け持ちますが、3オクターブ以上と音域が広いため、高音域側でメロティを演奏することもあります。 本格的なアコースティック楽器は、いずれも高額ですが、このファゴットは持ち運べる楽器の中ではトップクラスで、200万円以上します。中クラスのグランドピアノと同じぐらいです。安いモデルでも100万円します。

072 000 Clarinet 音域 D3-G6

クラリネット。内部が円筒形の閉管楽器で、音域が広く3オクターブ半あります。歴史も古く300年ぐらい前に誕生し、改良され続けながら現在に至っています。 音孔を無理なく確実に開閉するためのキー(孔を押さえる機械式の蓋)は、はじめは2個しかありませんでしたが、あくまでも指が届かない場合の補助という意味合いが強かったようです。 音孔の大きさや配置が自由になれば、ピッチの改善、音量、楽器としてのバランスが取りやすくなります。さらに開閉をキーでコントロールできれば、指使いも楽になり、より演奏しやすくなります。 その利便性と楽器の理想的な設計を両立できるため次第にキーが多くなっていきます。フルート製作者でもあるテオバルト・ベームによって考案された方式がクラリネットにも採用され現代の姿になっていきます。


コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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あちゃぴー

楽器メーカーで楽器開発していました。楽器は不思議な道具で、人間が生きていく上で、必要不可欠でもないのに、いつの時代も、たいへんな魅力を放っています。音楽そのものが、実用性という意味では摩訶不思議な立ち位置ですが、その音楽を奏でる楽器も、道具としては一風変わった存在なのです。そんな掴み所のない楽器について、作り手視点で、あれこれ書いていきたいと思います。
blog https://achapi2718.blogspot.com/
HP https://achapi.cloudfree.jp

 
 
 

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