■これまでのGM音源シリーズ
GM音源01 いにしえのGM音源
GM音源02 ピアノカテゴリー
GM音源03 クロマチック・パーカッション・カテゴリー
GM音源04 オルガン・カテゴリー
ギターは、ポピュラー音楽には欠かせないにも関わらず、あまり打ち込みに向いていないカテゴリーです。ギターの弾き方や構造を意識しないと、すぐに違和感が出てしまうからです。ギターを弾く人であれば、簡単に打ち込めるかというと、そうでもなく、何かと手間がかかるのが現状で、本物を弾いた方が手っ取り早いことも多いと思われます。最新のギター音源なら、ソフト側でフォローしてくれるので、それらしく鳴ってくれますが、古典的なGM音源のギター音色は、ただのサンプリング集ですから、どう扱えば自然に聞こえるかを考える必要があります。
また音質についても多くの問題を抱えており、GM音源がもてはやされていた90年代では、歪んだギターの扱いは難しいものでした。現在はアンプシミュレーターが発展し、それを利用すれば、それなりに使える音になります。動画ではCakewalkに付属するTH3というアンプシミュレーターのプラグインを通して、それらしい音にしています。
アコースティックギター(ナイロン弦)
ナイロン弦を張ったアコースティックギターカテゴリーです。
025 000 Nylon Gt. 音域 E2-C6
クラシックギターです。ナイロン弦が張られたアコースティックギターで指で弾いた音が収録されています。爪が弦にひっかかったときの音もちゃんと聞こえます。強弱表現やボイシングさえ気を付ければ、それらしく聞こえ、ギターカテゴリの中では最も扱いやすい音といえます。
025 001 Ukulele 音域
ウクレレ。ハワイ生まれの4本弦の楽器です。一般的なソプラノウクレレのレギュラーチューニングは1弦から以下のように張られています。
1弦 A4
2弦 E4
3弦 C4
4弦 G4
4弦が一番低い音ではなく、3弦が一番低い音です。開放弦で全弦を鳴らすとクローズC6のコードになります。 ウクレレをストロークで弾く場合は、弦は順次鳴るので、そのタイミングをうまく調整するとそれらしくなります。動画は素朴な感じを出そうと思いましたが、わざとらしすぎて失敗でした。
025 002 Nylon o(key off) 音域 E2-C6
弦がフレットから離れたときにノイズが含まれています。音域によって目立ち具合が違います。サンプルはE5を鳴らしたときの音です。低い音域ではあまり目立ちません。
025 003 Nylon Gt.2 音域 E2-C6
000よりも明るい音のクラシックギターです。
アコースティックギター(スティール弦)
スティール弦を張ったアコースティックギターカテゴリーです。
026 000 Steel-str.Gt 音域E2-C6
鉄弦が張られたアコースティックギターです。 アルペジオは、打ち込みでも使える音になりやすいですが、コードのストロークなどは各弦の発音タイミングが微妙にずれるため、リアルな雰囲気を出すには手間がかかります。
026 001 12-Str.Gt 音域E2-C6
6コース12本の鉄弦が張られたアコースティックギターです。普通の6弦ギターと同じように弾きますが、2本同時に弾くため、ゴージャスな音になります。
026 002 Mandolin 音域 G3-G7
古典的な楽器で、4コース8弦が張られています。トレモロ奏法が似合います。
026 003 Steel+Body 音域E2-C6
通常の6弦アコースティックギターのボディの響きを加えたようなサウンドで、太い音になっています。
エレクトリックギター
ここからはエレクトリックギターです。
027 000 Jazz Gt. 音域E2-C6
アンプを通したアタックの丸いクリーントーンのエレクトリックギターです。
027 001 Pedal Steel 音域
ペダルスティールギターは写真のような楽器で、キーボードを弾くように演奏します。弦をフレットに押し当てるのではなく、弦上でスライドバーを滑らせて音程を得ます。またチューニングも弦数も機種によって様々です。ペダルは各弦ごとに音程を変化させて、様々なコードを演奏できるようになっています。主にハワイアン、カントリーなどで使われています。 打ち込み作業がひじょうに厄介な楽器の一つで、動画での音作りに一番苦労した音色です。スライド奏法なので、ピッチベンド及びポルタメントを多用するしかありません。
Pedals steel guitar moderne - Own work CC BY-SA 3.0 (Wikipediaより引用)
エレクトリックギター
028 000 Clean Gt 音域E2-C6
エレクトリックギターによるアンプを通したアタックが鋭い音です。おそらくストラト系でリアピックアップで弾いた音と思われます。
028 001 Clean Harf 音域E2-C6
000との違いは、ピックアップのセッティングがハーフトーンで、音がマイルドになっています。
028 002 Mid Tone Gt. 音域E2-C6
ミッドトーン。カッティングよりリード向きの音に思えます。
サスティーンの短い奏法のエレクトリックギター
029 000 Muted Gt. 音域E2-C6
ピッキングする手の平をブリッジに触れるようにして、弦をミュート気味にして弾く奏法です。
029 001 Funk Gt. 音域E2-C6
クリーントーンでカッティング向けの音です。
029 002 Funk Gt.2 音域E2-C6
001よりも、ややこもった感じのトーンです。
029 003 Jazz Man 音域E2-C6
ジャズという名前ですが、クリーンの音で、アタックの音も強調されています。
オーバードライブギター
エレクトリックギターは、ギターアンプを使って最終的な音を作り出しますが、積極的に音を作り出すこともできます。ここからはアンプで音を歪ませた音になります。
030 000 Overdrive Gt 音域E2-D6
オーバードライブ。アンプで音を歪ませたときの音で、ディストーションとの違いは、生音も感じられるナチュラルな歪みというところでしょうか。 サンプルはTTSだけではなく、cakewalkに付属しているTH3を通すことで、本物の音に近づけています。ピッキングハーモニクス部は、音程を高くしただけです。ピッキングハーモニクスとはピッキング直後に指を弦に接触することでハーモニクスを出す奏法です。
030 001 Gt.Pinch 音域E2-D6
こちらは000と同じ音ですが、ベロシティが一定以上だと音程を問わずピッキングハーモニクスになります。 GMレベル1では、ハーモニックスは別音色だったので、GM2からは使いやすいように、この音色が追加されたのだと思われます。000のサンプルのピッキングハーモニクス部をベロシティ操作で実現しています。
ディストーションギター
031 000 DistortionGt 音域 E2-D6
ディストーション。エフェクター等で歪ませた音で、オーバードライブに比べて人工的かつ過激に歪みます。よりメカニカルなフレーズに合うように思います。 これも最終的にTH3で音を作っています。
031 001 Feedback Gt. 音域 E2-D6
上記と同じディストーションに聞こえますが、音を伸ばすと、勝手にハウリングがはじまります。 ハウリング、フィードバックは、アンプ(スピーカー)から出た音が再びギター(ピックアップ)に戻ってしまい、ループを起こすことで発生します。本来事故の音ですが、ロックなどでは積極的に使っています。これもGMレベル1では別音色扱いでした。
031 002 DistRythm Gt 音域 E2-D6
歪系のリズムギター用。ブリッジミュートしたような音でロック系ではよく使われます。
特殊奏法 エレクトリックギター
032 000 Gt.Harmonics 音域C2-C7
歪ませたギターのピッキングハーモニックス音です。 特殊奏法になるので、基本的に他の音色の中で使います。
032 001 Gt.Feedback 音域 E2-D6
歪ませたギターのフィードバック音です。 これも特殊奏法になるので、基本的に他の音色の中で使います。
コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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