
このコラムは、これから初めて弾き語りライブを計画している方に向けて、私ゲンダユウのこれまでの様々な経験をもとに綴っています。参考にしていただけたら幸いです。
ライブ当日の流れを知っておこう
初めての弾き語りライブに向けて様々な準備をして来たとしても、当日の流れやお作法は経験してみないと分からないものです。入店しても最初はどうしたら良いか分からず、常連の出演者とマスターとの何気ない会話にアウェイ感を感じてみたり、手持ち無沙汰でスマホばかりイジってみたり…何だかぎこちなく、緊張と不安で心細い気持ちになると思います。でも大丈夫!そんな気持ちを少しでも軽減すべく、今回はライブ当日の流れについて触れていきたいと思います。
当日の会場入り時間は必ず事前に確認
まず、ライブ当日が近くなって来ると、お店側から当日の会場入りの時間や出演時間、共演者の情報等に関する連絡があると思います。すぐに確認して了解メールを返信しましょう。返信しないと「伝わっているかな?当日来るかな?」と心配されてしまうので忘れずに。また、会場入り時間は、出演者が順番にリハーサルするために逆算されて組まれている時間となりますので遅れないようにします。万が一、電車の遅延等でやむを得ず遅れてしまう時も速やかに電話連絡しましょう。
また、昨今のコロナ禍においては、突然の体調不良により出演をキャンセルしなくてはならない…なんてこともあるかも知れません。出演枠に穴を空け、お店に迷惑を掛けることになってしまいますので、まずは速やかにお店に連絡をしましょう。もちろんお詫びも忘れずに。キャンセル規定はお店によって異なりますのでお店側の指示に従って対応してください。キャンセルの時期にもよりますが、出演時と同じように集客ノルマ分のチャージ代金を支払うという決まりを設けているお店が殆である印象がありますが、このあたりについても事前に確認しておくと安心です。とは言え、体調管理もライブ準備のうちのひとつだと心得ておきましょう。
実際に入り時間に会場に入ったら、マスターやスタッフの方にご挨拶します。また、共演者の方もいると思いますので自己紹介しましょう。ですが、何とも言えないぎこちない雰囲気が漂っていることが多々あります。でも気にしなくても大丈夫です。お互い初対面であることに加え、ミュージシャンにはシャイな人やクールな人も結構いるのでよくあること。ライバル心(⁉︎)を燃やしている場合もあるかも知れません。本番とは違う顔合わせやリハーサルの独特な雰囲気を味わうこともライブの醍醐味でもありますし、お互いのステージを観た後は、リハの時が嘘のように距離が縮まることも多々ありますので(これも音楽の力のなせる技かも知れません)、いっそのこと楽しんでしまいましょう。
本番前の逆リハとは?
会場入りした出演者には、それぞれリハーサル時間(15分くらいが多い)が与えられます。リハーサルの仕切りは音響担当スタッフ(マスターが兼ねてることも多い)の人が行い、その指示に従ってマイクや楽器の音量やバランスを調整していきます。お店によっては、事前に指定のセッティングシートに必要事項(曲順・使用楽器・曲調等)を記入して当日提出を求めるところもあります。
リハーサルの順番は出演順とは逆の順番に行い、その日の最後の出演者から始めることが通例となっています。通称「逆リハ」と呼ばれるものです。このようにすることで、リハーサル全体が終わるとトップバッターの出演者のセッティングが完了している…という状態になるわけです。初めての出演の場合はトップバッターになることも多いので、リハーサルも1番最後になることが多いでしょう。他の共演者のリハーサル風景を観ながら学び、心の準備をしておくと緊張も少しは軽減されると思います。ちなみに、この時間を活用してチューニングや歌詞カードの準備をしておくことも大切です。リハーサルに呼ばれたら、必要なものを持ってすぐにステージに出ていけるようにしておいてください。
リハーサルの順番が来たら、セッティングされているところへ行き、マイクや椅子の位置等を確認して音出しを始めます。スタッフの方が「それではギターの音お願いします!」と確認したい音を出すよう呼び掛けがありますので、それに応じて歌ったり弾いたりします。時間も限られているので、2〜3曲をワンコーラス歌う程度に留め、選ぶ曲もあえてタイプの違う曲を選ぶ方が、音のバランスと音量を探るスタッフの方にとっても良いでしょう。
ちなみに、ステージにいる自分に届く自分の音が聴こえづらい…という場合もあるかも知れません。その時は遠慮なく相談してみましょう。また、当然ながら、このリハーサルは本番に向けた音の調整が目的ですので、最後の練習のつもりでダラダラと歌ったり弾いたりしないように注意が必要です。また、当然ではありますが、シールドの抜き差しには細心の注意を払うこと。お店側のミキサーの状態によっては音響設備を傷付けてしまいますので、自分で抜き差しする時は、自らスタッフの方に「抜いていいですか?」等聞いてみると確実だと思います。

逆リハ終了からオープンまでの過ごし方
逆リハが終わるとお店のオープンまで自由時間となり、過ごし方は出演者次第となります。店内に留まる人もいれば、外出する人もいます。私も、最後の喉慣らしとして「ひとりカラオケ」に行ったり、カフェで歌詞や段取りの最終チェックをしたり、マスターがオープン準備で忙しそうにしていなければお話したり…といった感じでした。ちなみに、ギターケース等はお店側で預かってくれることが多いので、スタッフの人に尋ねてみてください。
お店のオープン時間が近付いたらお店に戻りましょう。オープン時間は開演時間の30分前が多く、お客さんも続々と入店して来ます。もしあなたがトップバッターだった場合は、この時間帯にお招きした方が入店して来ると思いますが、なかなかソワソワしてしまうものです。でもなるべく落ち着いて、支払いカウンターや席を案内してあげましょう(…と言っても本番前の緊張もあり、舞い上がってしまうんですけどね)。あなた自身も他の共演者の出番の時はオーディエンスの1人になりますので、自分の席も確保しておきましょう。ですが、あくまでもお客さんが優先ですので、後方の席にいる方がスマートかも知れませんね。
開演から終了までの注意点
開演時間になると、いよいよライブが始まります。トップバッターの場合は、リハ終了時点でセッティングが完了しているのでそのままステージに向かいます。基本的には司会や進行役のような人がいるわけではないので、時間になったら、スタッフの方が店内のBGMの音楽をフェードアウトさせたり、照明を変化させたりと、スタートする雰囲気を作ってくれますので、無音になったら本格的なスタートです。挨拶から始めるか、いきなり演奏から始めるかはもちろん自由です。
そして、無事に本番が終わると、慌ただしく次の出番の人のセッティングが始まりますので、いち早く楽器や自分の物を持って客席に戻りましょう。ちなみに、自分の番が終わると共演者のステージを観ないで帰ってしまったり、観に来てくれた仲間と飲みに行ってしまう人が稀にいるようです。ひと昔前は、プロを目指すライバル同士ということで、あえてそのようなことをしているミュージシャンもいたようですが、その気持ちも分からなくはないものの、やはり共演者のステージを観て刺激を受けたり、学ぶことも大切だと思います。
ライブ終了後の余韻に浸りながら
全ての演目が終わると、会場にもよりますが、そのままバータイムに移行することが多いと思います。そのまま残ってお酒を楽しむも良し、来てくれた方と酒を酌み交わすも良し、ライブの余韻に浸りながら帰るも良しです。たいていの場合、ライブ後は出演者もお客さんも打ち解けた雰囲気になりますので、ライブの感想を伝え合ったり、情報を交換したり、懇親を深めたりと、あなた次第で楽しい時間にできるかも知れません。ただし、お店側には約束されている精算(集客ノルマに応じた不足金額や自身の飲食代やチャージバック等)は忘れないようにしましょう。
そして、お店側から「今度はいつ出演しますか?」とお誘いを受けたら、それはきっとお店側から認められた証。ただし、お誘いがなかったからと言ってNGだったと言うことではないので、2回目もやりたいと思ったら自らお店側に積極的に次のブッキング日程を相談してみてください。(もし自身の活動の方向性とお店の方向性がマッチしていなかったら、お店の方から「今後はウチではちょっと・・・」とハッキリ言われると思いますので・・・)
いずれにしてもライブ当日は特別な1日。色々と反省点もあるかも知れませんが、ぜひ幸せな気持ちで家路について欲しいと思います。 あなたの記念すべき初弾き語りライブが素敵な時間になることを願っています。
※アコースティックギター弾き語りの方は、自身のギターを当日会場まで運ぶ時のケースは、リュックのように両肩で背負えるタイプが断然便利。シールドや歌詞ファイル等、持ち物も多くなる中で、収納ポケットがたくさんあることも選ぶ上では大事なポイントになります。
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