こんにちは。シンセ担当の山内です。
ここ1~2年ほどで、YouTubeやSNSの影響もあってか、ハードシンセを使う人が増えてきているように感じます。(雑誌などでも特集されることが増えてきました)
これまでも、すでにシンセ/キーボード入門用のコンテンツはご用意してきましたが、来る2020年代に向け、新しく「すぐわかる、すぐできる」内容でお届けしたいと思います!
【今回の概要】
- どれを買ったらいい?
- 用語の意味がわからない!
- ピアノは弾けるけど機械は苦手です!
- 最初の1台は?
- 音作りを本格的に始めたい
よくあるご相談 ①
これが、ダントツに多いお問合わせです。
買ってから後悔しないために、まずは目的をはっきりさせましょう。
キーボードは、大きく分けると4つのグレードに分かれています。
家庭向けモデル |
人に聴かせる予定はない人向け。家で遊ぶ用。 |
---|---|
エントリーモデル |
演奏を人に聴かせたい人向け。 |
ハイエンドモデル |
演奏を人に聴かせたい人向け。 |
フラッグシップ |
演奏を人に聴かせたい人向け。 |
※演奏用のモデルは、大きなスピーカーに繋いでも、音質が劣化しないように設計されています。また、他の楽器と一緒に演奏した時、音がなじむように配慮されています。
このご質問の場合ですと、「人前で演奏すること」が前提なので、家庭向けモデルが外れます。
さらに、金額が安いものとのことなので、エントリーモデルがおすすめです。
よくあるご相談 ②
これもよくあるお問合わせです。
文章だけで説明すると見づらいので、一覧表にしてみました。
シンセサイザー |
広い意味では、「電子楽器」のことです。 |
---|---|
キーボード |
広い意味では、「鍵盤楽器すべて」のことです。 |
MIDIキーボード |
パソコンなどで楽曲制作をするための鍵盤です。 |
オルガン |
一応、シンセサイザーの一種とも言えますが、ライオンをネコと呼ぶ人が少ないように、オルガンをシンセと呼ぶ人は少ないです。 色々種類があるので、今後シンセ教室でも深く紹介していきます。 |
エレクトーン |
ヤマハが発売している、電子オルガンのことです。 |
電子ピアノ |
シンセサイザーの原理を利用して、生ピアノの再現を目指しているものです。ライヴ向けモデルはステージピアノと呼ばれます。 |
エレピ |
エレクトリックピアノの略。 |
ほとんどの場合、みなさんが探しているのは「キーボードシンセサイザー」です。
よくあるご相談 ③
考えることは色々ありますが、ズバリのポイントは、「ロックを演奏するか、しないか」です。
ロックを演奏しない場合は、ステージピアノがおすすめです。 弾き心地が生ピアノに近く、アーティキュレーションの表現がしやすいです。
ロックも演奏する場合は、コンボタイプのキーボードがよいでしょう。
ステージピアノよりもパッセージが早く、激しい演奏をしても疲れづらいセミウェイテッド鍵盤の製品が多いです。
また、収録音色がバンドアンサンブル向けに絞られているので、操作に頭を抱えずに、演奏に集中することができるのも特徴です。
※「コンボキーボード」は一般的な呼称ではありません。同じようなコンセプトで設計された製品が多いため、便宜的にコンボ(バンド向け)キーボードとしています。
よくあるご相談 ④
ようこそ!このシンセ教室は、主にこういった方のために書いていこうと思っています。
まずは、すでにキーボードシンセを持っているとのことですので、「欲しいと思ったものを、1つずつ買い足していけばOK!」です。
※最終的には、雑誌でよく見るシンセだらけの部屋(シンセヘブン)になります。
とはいえ、これでは回答になっていないので、最初の1台~5台目の選び方を解説します。
シンセの選び方 最初の1台目
まず、最初に言ってしまうと、全部一気に揃えようとすると、とても大きな出費になってしまいます。それを避けるために、「シンセを1台も持っていない」という人は、まずはワークステーション型を買いましょう。
ワークステーション型シンセとは、「全部入り」シンセのことです。ギターエフェクターでいうならマルチエフェクターのことですね。
ワークステーション型は、日本メーカーの十八番(おはこ)で、トップ3ブランドは日本メーカーが独占しています。もちろん、全世界でトップ3です!
YAMAHA | ROLAND | KORG | |
入門 | MX |
JUNO-DS |
KROSS |
上級 | MODX |
FA |
KROME |
最上級 | MONTAGE |
FANTOM |
NAUTILUS |
エントリーモデルとハイエンドモデルでは、音楽をやっていない人でもわかるほど音質の差があります。
フラッグシップモデルは、あとから色々買い足す必要がないくらい、ありとあらゆる機能をすべて詰め込んだモンスターマシンたちです。
学生の方であればエントリー(入門)モデル、本気でバンドをやるならハイエンド(上級)モデル、1台で作曲、ライヴ、レコーディングまで全てこなしたい、という方はフラッグシップ(最上級)モデルがおすすめです。
まずは、ワークステーション型シンセ1台だけで作曲してみてください。
シンセの選び方 2台目以降
ワークステーション型は、よく言えば万能機なのですが、それゆえ音を作り込むための操作が多く、「今思いついたアイデアを、20秒以内で形にする」というのが苦手です。
ライヴまで仕込みの期間があったり、制作に使ったりするのであれば特に問題はないのですが、アドリブやDJパフォーマンスなど、即興性が求められる場合は、やはり専用機が強いです。
シンセでの作曲にも、バンドと同じように、いくつかのパートがあります。基本的に、これらのパートは音の系統で分けられていることが多く、よく見かけるのは以下です。
音の系統 |
よく聞く名前 |
---|---|
リード系 |
サイン、ソー、トライアングル、パルス、スクエア、スーパーソー |
ベース系 |
アシッド、ワブル、スーパーサブ |
コード系 |
タイン(エレピ)、オルガン、クラビ、コード |
単発音系 |
マレット、プラック、ベル |
上モノ系 |
パッド、ストリングス、テクスチャー、スタブ |
リズム系 |
キック、スネア、クラップ、ハット、タム、SFX |
この中でも、とりわけ「カッコイイ音、派手な音」として認識されやすいのは、「リード(メロディ)、ベース、コード、リズム系」の4つです。
名前から解るとおり、明らかに役割が違うので選びやすいですね。
自分が今出している音で、「このパート、もっとカッコよくしたい!」と思うパートにあったシンセを買い足していきましょう。
最後に
いかがでしたか?
私自身も、最初はシンセの選び方、勉強の仕方がわからなくて四苦八苦しました。
少しでも、みなさまのシンセ選びの参考になれば幸いです。
最後に、比較的安価な機種のなかで、特に魅力的な商品をご紹介しようと思います。 どのシンセから始めても、どれか一つのシンセを徹底的に使いこむことによって、他のシンセへの理解も深まります。
他の楽器もそうですが、最初の1台目は「つい触りたくなる見た目」が大事なので、見た目がカッコイイ、カワイイもので選んでしまいましょう!
リ | ド 系 |
ROLAND/JDXI |
MicroFreak |
microKORG XL+ |
---|---|---|---|
ベ | ス 系 |
Bass Station II |
MS-20 mini |
TB-03 |
コ | ド 系 |
reface DX |
reface CS |
MiniNova |
リ ズ ム 系 |
ELECTRIBE2S-RD |
ROLAND/SP404MKII |
TR-08 |
なお、このシンセ教室では、ヴィンテージの名機MS-20をモデルにしているMS-20 miniで、音作りの説明をしていこうと思います。
それではまた。
【2時限目】へ続く