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ベースのお手入れ 2024夏

2024-09-12

テーマ:ギター

早くも夏も一山超えそうと思っていたらもう9月。そんなこの頃ですが、みなさんお元気ですか?筆者はもう9月末の秋GIの始まりとなるレース、スプリンターズステークスのことしか考えていません。

……と、そんなことはどうでもよくて本題です。
今年の真夏の酷暑を耐えたのは、楽器も同じですね。年がら年中空調の効いた部屋に楽器を保管……とはなかなかいかないのが歯がゆいところ。あろうことか筆者、今年に入ってからはほぼ放置したままという体たらく。弦が切れてしまっているものもありました。これはいかんということで、弦交換がてら、全体調整や各部のメンテナンスを備忘録も兼ねてやっていきたいと思います。

被検体楽器紹介

今回の患者です。

なんの変哲もないEdwardsのJBタイプ。なんと中古で買ってから一切何もしていません。クリーニングはおろか、弦交換、チューニングなど本当に何もしてないというか、触ってすらいませんでした。というわけでまずは状態チェックからですね。音が出るかすら分からないので、この段階になってちょっと不安になってきました。

作業① 状態チェック

作業の流れとしては大まかに 状態チェック⇒調整⇒クリーニング となります。
さっそく状態のチェックをしていきましょう。パーツ交換の必要があるか、調整の状態はどうか、補修の必要な外観や本体のダメージがないか、といった点が主なチェック事項です。また、この段階でパーツ交換などが必要と発覚した場合はやってしまいます。楽器として機能する状態になってから次のステップに進むわけです。というわけで、まずは外観から。

フレットが超絶汚いです。錆びる寸前までいってしまっているので綺麗にする必要があります。そのほかは割ときれいでしたので、クリーニングのみで補修は必要なさそう。

次はパーツがきちんと使えるか、機能するかのチェックですが……嫌な予感は的中。音が出ません。中を見てみましょう。

ジャックの端子のクスミに放置した歳月を感じますが、見た感じで異常はなさそう。導通を各所で測ってみても、特に異常な様子はありません。1か所を除いて。

とりあえずパパっと修理。トーンを普通のポットに、ジャックを新品に、コンデンサをスプラグのセラミックにそれぞれ交換しました。音が出ない直接の原因は、ジャックの導通不良でした。ジャックの端子で導通が取れませんでした。
ネックはかなり順反り、弦高高め、各パーツは問題なし。といった状態でした。まあ放置されていた中古楽器、といった状態です。各部の状態チェックとしてはこんなもの。不具合も修理したので、次の作業へ行ってみましょう。

作業② 調整

「ネックはかなり順反り、弦高高め、各パーツは問題なし。」とさきほど書きましたが、実際に計測してみると、11フレットと最終フレットを押さえた状態での7フレット上弦高が4弦で1.8mm、通常の12フレット上弦高が1弦3.5mm、4弦4.0mm。簡単に言ってしまえば、メチャクチャな弦高です。まともに弾けたものではありません。どげんかせんといかん。
ちなみに ネック反り⇒弦高⇒PU高さ⇒オクターブ の順に調整していきます。この流れは普段の調整でも変わりませんから、覚えておくと役立ちますよ。

この個体はトラスロッドが

ここ、ネックヒールにあるので、一度ネックを外して調整する必要があります。こういった十字が切られたトラスロッドは絶対にプラスドライバーで回さないこと!!!サイズの合ったマイナスドライバーやオフセットドライバー「MONTREUX(モントルー) Swiss Tools Offset Driver [8385]」を使いましょう。

てな感じで調整を済ませ、残すところはクリーニングのみとなりました!

作業③ クリーニング

指板はオレンジオイル( HOWARD(ハワード) Orange Oil )でメンテナンス。

まず指板とフレットをきれいにします。今回は指板やフレットの汚れがかなり頑固だったので、指板の清掃がてら一度ペーパーを当てました。

傷を細かくしたらオレンジオイルを塗布していきます。適当な量を指板上に出して

全体に塗り広げます。筆者はいつも指でやってしまいます。

15分くらい放置して、こんな感じで浸透が止まったら

ウエス等で拭きとって完了。きれいになりました。汚れが落ち切らない場合は、オイルを塗って放置~拭きとりを何回か繰り返す場合もあったりしますが、基本的な流れはこんな感じです。

あとは弦( ROTOSOUND(ロトサウンド) ROTO BASS RB45 )を張って、

ついでにエンドピンを交換して、軽く調整チェックをすれば……

どうでしょう?心なしかしゃきっとしたような気がしないでもないですが、ぱっと見ただけでは分かりませんね……。

寄ってみるとかなりきれいになりました!作業終了!

3トーンサンバーストの'60sのJBタイプといえば、個人的にはけいおん!の秋山澪、THE ALFEEの桜井賢あたりがぱっと出てきます。'70sだとRushのゲディ・リーです。ジャコ・パストリアスはサンバーストよりもフレットレス、ピックガードレスのイメージのほうが強いです。JBタイプって使っている人こそ非常に多いですが、サンバーストでイメージがついている人って実はとても少ないと思うんですよね。皆さんの中のイメージはだれか、ぜひ教えてください!

サヨナラの曲はこれで!
■ Brave Love Galaxy Express 999
それでは!

曽根 涼太

初めて買ったギターを見て、弾き方よりも構造や仕組みに興味を持ち、その好奇心に突き動かされるままESPエンタテインメント東京卒業後にサウンドハウスに入社。NAMM等様々なイベントに参加したり、本体/パーツ問わず自分で使ってみて得た経験値には自信があります!それらを活かして、現在はギターの入出荷や修理を担当しています。サウンドハウス競馬部(非公認)とサウンドハウス自動車部(非公認)の部員でもあります。

ROTOSOUND / ROTO BASS RB45

ROTOSOUND

ROTO BASS RB45

¥3,000(税込)

ベース弦、ラウンドワウンド、ニッケル、.045、.065、.085、.105

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在庫あり

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MONTREUX / Swiss Tools Offset Driver [8385]

MONTREUX

Swiss Tools Offset Driver [8385]

¥4,920(税込)

オフセット・マイナスドライバー

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HOWARD / Orange Oil

HOWARD

Orange Oil

¥1,280(税込)

オレンジオイル、4.7オンス(140ml)

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