あなたは愛用のギターを入手してから何年経つだろうか?使い込んだギターはかっこ良いが、汚いギターはいただけない。
そこで10年間愛用してもピカピカのままでいる私の技を伝授しよう。
桜の下、ベンチにギターを立て掛けた写真は今年、お花見に行った時撮った一葉。傷こそあれ、この通り良好なコンデションを保っている。
なお、各作業は各自、自己責任で行って欲しい。
では行ってみよう!
その① ギター本体ネックまわりのケア
クリーナー、ポリッシュ
当たり前だがギターを弾くと、必ず汚れる。定期的にクリーナーで磨き、ポリッシュで綺麗にすることは外見だけでなく音にも影響する。
クリーナーには研磨剤の入っているものもありデリケートな塗装を薄くしてしまう商品もある。しかし多少の擦り傷などを消してしまう事もできるので使い方によっては重宝する。
ポリッシュは、クロスが湿る程度に少量つけてボディに軽くたたくように塗布する。液体が乾いたら別のクロスで磨くと、軽度の汚れはピカピカになる。
以下の商品は高級機種にも相性が良く、おすすめだ。
Freedom Custom Guitar ( フリーダムカスタムギターリサーチ ) / GLOSSING POLISH (旧f54 Shiner)
Freedom Custom Guitar ( フリーダムカスタムギターリサーチ ) / WAX POLISH
VIRTUOSO ( ヴィルチュオーソ ) / Premium Polish
クリーニングクロス
汚れを取るためのクロス、磨き上げるためのクロスで最低2枚は必要だ。磨き上げる時に使うクロスだとサウンドハウスで売っている商品の中ではFreedomのクロスがおすすめである。このジャンルの商品でキョン・セーム皮もあるが、これは皮脂などの汚れに効果を発揮する。(例えばスマートフォンの画面を拭くのにキョンセームは最適である)夏場Tシャツ姿で、ピッキングする腕がボディに当たる箇所等の汚れ落としにも重宝するだろう。
またモーリスのクロスもコストパフォーマンス性に優れて人気の高い商品である。こちらはクリーナーなどを使った汚れ落としに利用するとベストだと思う。
Freedom Custom Guitar ( フリーダムカスタムギターリサーチ ) / SP-P-10 Polish Cloth
MORRIS ( モーリス ) / CLEANING CLOTH クリーニングクロス
レモンオイル
ローズ指板等のギターには塗装が吹かれていないので乾燥に弱い。指板の色が変わり、乾いてきたら定期的にレモンオイルを塗って、その後布で拭き取る事をしなければいけない。あまり神経質になる必要はないが塗装されていない剥き出しの指板の宿命だ。
Freedom Custom Guitar ( フリーダムカスタムギターリサーチ ) / SP-P-11 Lemon Oil
カポタスト
ギターのメインテナンスで一番デリケートなのは『ネックの反り』と言っても過言ではない。ネックの順ぞり逆反りを見るのにカポタストは便利である。
※使用方法※
1フレット近くにカポタストをはめ、最終フレットを抑える。そして9フレットあたりを叩く。音が出なければ逆反りだ。音が出れば良いのだが必要以上に弦とフレットの間が空いていたら順ぞりだ。(写真参照)
※ 1フレット近くにカポタストを付けて最終フレットを押さえる。9フレット辺りを押さえて状態を見る
このようにカポタストを使うことにより、ネックの状態が瞬時にわかる。定期的に調べてみよう。できればカポタストは確実に固定できる物を用意することをおすすめする。その方がネックを傷付けず固定することができるからだ。
この方法は作業が行いやすく、初心者にもおすすめだ。
ホコリ取り
ピックアップの周りやブリッジなどはほこりがたまりやすいもの。そこで毛の柔らかいブラシを使うのが良い。埃だらけのギターは何とも見苦しい。ある行きつけのリペア店に、埃があるギターを持って行くと掃除機で「ガー」とやられる(笑)。
ほんの数十秒の作業で綺麗になるのでぜひとも習慣づけたい。なお刷毛やブラシはホームセンター等でも買えるが、モチベーションを上げるためにもここは以下の楽器用のものはどうだろうか?もちろん楽器用に吟味された素材であるだろうし、デザインも使い勝手も楽器向けだ。上述の弦のケアも出来て一石二鳥である。
この商品には壁にかけるような仕様になってはいないが購入した時のカバーで私は壁にかけている。このカバーは比較的丈夫なのでかれこれ1年以上このような形で壁にかけてある。おかげさまでピックアップとブリッジ周りはピカピカだ。(写真参照)
※ 私のメインギター。11年目のラッカー塗装の愛機。自慢じゃないけどピカピカである。
サウンドハウスの以下の商品にはもう一つ清掃用具が付く。
MUSIC NOMAD ( ミュージックノマド ) / MN204
その② 工具で必要な物
ドライバー
ギター、特にストラトキャスターはネジがたくさんある。使用しているうちに緩んできたりパーツを交換したりするのにリペアマンではなくても最低限の工具は必要だ。ドライバーのサイズは数種類ずつ持っていた方がいいだろう。
ボックスレンチ
ジャックが緩んだりコントロール系の固定ネジがゆるんだ時などはボックスレンチが必要だ。緩んだまま使っていると最悪の場合、パーツが外れて破損してしまう。締めることはさほど難しくない作業なので1つ持っていることをおすすめする。定期的に緩みがないか閉めてみるのがベストだ。
サドル用のレンチ
ストラトキャスター等のトレモロユニットのサドルのイモネジは、緩むと弦高が下がって弾けなくなってしまう。サドルが斜めになっていたり、下がっていないか定期的に見ることが必要だ。その際、調節にレンチが必要になる。レンチは100円ほどで買えるのでぜひ持っておこう。とても小さい工具のため、箱や小さなビニール袋などに入れておくことをおすすめする。(私は不要になったオーディオのリチウムバッテリーケースに入れている。)またインチとミリがあるので自分のギターにあったサイズを選ぼう。
MONTREUX ( モントルー ) / 六角レンチ 1/20" [8405] インチ
MONTREUX ( モントルー ) / 六角レンチ 1.5mm [8398] ミリ
その③ 我が国ならではの湿度対策
湿度調節剤
高温多湿の日本。極端な湿度変化に楽器は弱い。調節剤を使うとハードケースの脱臭効果はあった。安価なので試してみる価値はアリだ。ネックの反り防止に万全とはいかないものの、無いよりは良いと思う。使い込んだネックの塗装の剥げた箇所から湿気が入る可能性があるからだ。
PICKBOY ( ピックボーイ ) / H-95 DRYKEEPER
その④ 弦まわりのメインテナンス
本体ではないが、弦の手入れについても触れておこう。
ストリングカッター
ギターの弦はとても硬い素材だ。普通のニッパーでは歯がこぼれてしまう。そのため専用の物が必要になる。値段はさほど高くはない。半永久的に使えるアイテムである。
PICKBOY ( ピックボーイ ) / SC-150 ストリングカッター スチール弦用
弦潤滑剤
弦は弾くと汗や脂などで汚れる。それをそのままにしておくと弦はたちまち劣化する。また、錆びた弦がフレットを削って磨耗を早める。フレット周りのリペアは高額だ。弾き終わったら最低クロスや、『ホコリ取り』の項目で説明している「ブラシに付いている特殊ファイバー」等に液体を染み込ませ、軽くスライドしてケアしよう。次に弾く時も快適に使えるはずだ。
この『Stringlife』は効果が長く持続すると評判だ。
DR ( ディーアール ) / Stringlife Liquid Polymer
ストリングワインダー
弦を素早く巻く時に使う物。必要の無い人もいるかもしれないが素早く巻くことによりペグにまかれる弦が上手く重なり、チューニングの安定にも影響する。以下で挙げたようにある程度の品質の良いものを使う方がいい。品質の良い物は回す時のスムーズさが違う。使う時はペグの間隔を最大限に開けるようにペグを平行にし(写真参照)、ヘッドの近くまでワインダーを寄せないようにしよう。あまりヘッドに近づけ過ぎるとワインダーを回した跡がヘッドについてしまうので注意。この商品はグリップが握りやすい。
JIM DUNLOP ( ジムダンロップ ) / DUNLOP DELUXE GUITAR STRINGWINDER
※ 弦を巻く時はペグを写真のように平行にすると作業効率があがる。
2Lぐらいのペットボトルの空き容器
切った弦はそのままにしておくと刺さったりして危険だ。不燃物のため、捨てる時にも配慮が必要である。そこでペットボトルをリサイクルして簡単に安全に処理ができる。ペットボトルの中がいっぱいになるのに月1回の弦交換のペースなら一年は持つ。費用もかからないのでおすすめだ。
その⑤ イメージ
ギター本体、ギター写真、フィギュア、ポスター
何気無く全体を見てどこをメンテナンスすれば良いか見極めることも大切である。また、色々なギターをネットなどで見ることにより、思わぬヒントが隠されている事もある。
ギターが上手い人はギターが好きな人が多い。
眺めながらあそこのパーツは変えようか?ギターが汚れてきたのでワックスをかけようかな?と。
私はギターフィギュアをギターケースに入れて、時には友達と見ながら喫茶店などで話をする。
※ 究極のギターフィギュア。アメリカの雑誌広告より。私の友人は仕事机に置いており、コーヒーを片手に息抜きをしている時などに眺めたらメンテナンスのヒントが浮かぶという。
また エレキギターに詳しくない人とお話しする時、この模型を持っているとスムーズに会話が進む。写真は10年ほど前に書店で入手したものだが、アメリカではさらにリアルな フィギュアが販売されている。(写真参照)
※ 書店で購入したギターフィギュアセット一式。ギターケースも忠実に再現されており開閉できる!フェンダー・カスタム・ショップ公認グッズ。普段はギターだけ取り出し、持ち歩く事がある。
ギターを客観的に見てコンディションを保つことも重要である。
終わりに
毎日のメインテナンスは5分か10分もあれば終わる。
綺麗なギターはバンド仲間にもリペア店にも、ギターに詳しくない人にも受けが良い。少なくとも私の場合はそうだ。
おわり
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