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本革ヘッドをお手入れしてみた

2023-05-15

テーマ:ドラム・パーカッション

休みの日はどのように過ごされていますでしょうか。
楽器を愛用する皆様は休日を丸一日、マイ楽器の手入れに費やすなんてことも多いのではないでしょうか。
私も先日、休日丸一日を楽器の手入れに費やしてしまいました……。と言っても、都内で本革のヘッドを手に入れて自宅に戻るのに半日を費やし、残りの半日でヘッドの取り付けをしたという感じです。
今回はなかなか行うことがない、本革を使用したドラムヘッドの取り付けについて得た知識をご紹介できればなと思います。

まず、こちらが本革を張ったスネアドラムです。
本革を使っているだけあって重厚感があり、ちょっと錆が目立つ古いパーツとの相性も抜群ですね!!
本革のヘッドはシェルにぴったりと合っていないといけないので、本体側のフープ・シェルとヘッド側のフープサイズがマッチしているか確認して手に入れました。

さて、今回使用するのはこちらの13×3 1/2インチのちょっと珍しいジュニア用スネアです。
表には一般的な13インチのヘッドを張り、裏は本革を張っていたのですが、全く相性が良くないので、残響音が変に残ってとても使える音色ではありませんでした。

表には厚みがある皮を張り、裏には薄めの物を張ると良い音になるのですが、スコンと纏まる音にするために、今回は完全四度を目指して張っていきました。

ちなみにフワッとしたまとめ方をするなら、短三度になるような皮の厚みを選ぶと良いようです。

もう張り終わったのか……、と思われた方!
実は本革のヘッドはここからが重要なんです!!

ヘッドをただ張っただけでは、本革のヘッドがシェルにしっかりと密着せず、ヘッドとシェルが一体にならないことで、振動が上手く伝わらずに楽器本来の鳴りが損なわれてしまうんです。

……では、どうしたら良いのか!

一言で言うと、本革のヘッドを一時的に柔らかくしてシェルの形に合わせるのです!
方法は簡単で、ティッシュペーパーなどの皮を傷つけない物に水を染み込ませて、ヘッド全体に水分をなじませていきます。

特に淵は重要で、水がフープとシェルの間に溜まるくらい水を使った方がムラ無くシェルに密着してくれるんですよ!

水分が染み込んだら次はチューニングでヘッドの張りを均一にします。

水分がしみ込んでいるヘッドは音でチューニングすることができないので、ヘッドのTOPとフープの高さを各ボルトの近くで合わせていきます。
今回は6テンションなので、6カ所で高さを合わせました。
高さを見る時は、物差しや画像のような文字が書いてある細い箱などで確認するとやり易かったです。

高さを合わせたら、あとはひたすら乾くのを待つだけ!

それほど難しい作業ではありませんが、注意点としては表と裏を同時に行わないことですね。
対面がしっかり張られていないと、水分を含ませた後の張り具合を合わせることができず、乾いた時にしっかりとチューニングできなくなってしまいます。

どうでしょうか?
横から見ても本革を張ったスネアはビンテージ感があって良いですよね。

チューニングして、響き線を付け直したら完成です!
楽器自体の鳴りが薄い分、ヘッドを分厚くしたことで低音が出るようになり、重厚な音色になりました!!

ジャズや管弦楽などに合いそうなので、近いうちに活躍してくれそうな予感がします!!

いかがでしたでしょうか。
なかなか本革のヘッドを張る機会は無いと思いますが、音が気に入らなくて家に眠っている楽器がありましたら、使ったことが無いパーツに手を出してみるのも良いと思います。
思いがけない音になって、第一線で活躍する楽器に変貌するかもしれませんよ!!

営業部 / 西野 仁志

高校の吹奏楽でパーカッションを始め、マーチングにハマったことがきっかけで音楽の世界に飛び込みました。現在は休日に楽団でドラムを叩くなど趣味で活動しています。乾燥肌だが緊張すると手汗をかく残念な体質のため、ドラムスティックにこだわりを持っており、塗装が薄い持ちやすいスティックを日々探しています。Steve Gaddという神様を崇めると共に、LUDWIGの魅力に憑りつかれてしまい、スネアを買い漁っています。 幼稚園の先生や介護施設の管理といった異色の経歴を持つ、身長155cmの九州男児!!

 
 
 
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