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マルチエフェクター。一台完結か、ボードに組み込むか。

2024-05-23

テーマ:音楽ライターのコラム「sound&person」, 楽器

たった一台でさまざまな音を作ることのできるマルチエフェクター。
今では円安でありながらも1万円を下回るものから、実機と聴き分けのつかないクオリティを提供する50万円に迫るプロユースのものまで、幅広く展開されています。
その幅広さから、さまざまな層に選択肢として提示されており、初心者から果てはアリーナを埋めるプロにまで選ばれ、使われています。

どこまでも奥深いマルチエフェクター。一度は使ったことあるという方、現に前線で活躍してもらっているという方も多いのではないでしょうか?
私自身、VOX – Stomp Lab IIG に始まり、BOSS – GT-1 を経て現在は HOTONE – AMPERO II STOMP を愛用しています。

そんなマルチエフェクターを愛する私が、今回の記事でお伝えしたいこと。それは、「マルチエフェクター。一台完結か、ボードに組み込むか」です。
マルチエフェクターと一口にいえども、BOSS – MS-3 のようなスイッチャー型のもの、Eventide – H9 MAX のように使えるエフェクト種を絞ったものなど、多種多様。その中でも私が今回取り上げたいのは、「フロア型」と「ストンプ型」です。
どちらも明確な判別がなされているわけではありませんが、一般的に言われている感覚で分類してみました。

フロア型

代表機種はLine 6 – Helix FloorやBOSS – GT-1000。

Line 6 ( ライン6 ) / Helix Floor マルチエフェクター

Line 6 ( ライン6 ) / Helix Floor マルチエフェクター

BOSS ( ボス ) / GT-1000 マルチエフェクター Playtech製エフェクターバッグ付

BOSS ( ボス ) / GT-1000 マルチエフェクター Playtech製エフェクターバッグ付

サイズもお値段もドンと構えた、一台完結型のマルチエフェクターです。
基本的にフットスイッチが多く、ワウやボリュームの割り当てができるエクスプレッションペダルも搭載。同時使用できるエフェクトの数も多いのが特徴。
間違ってもボードの中に組み込むという使い方は難しいでしょう。
とはいえ、お値段控えめな Line 6 – POD GOBOSS – GX-100 などもあります。もちろん初心者御用達の BOSS – GT-1 もフロア型と言えます。
大きいものは大きいですが、低価格帯のものはギターケースのポケットに収まるサイズ感のものもあり、手軽に持ち運び、出先でもサクッとセッティングができます。
ライブ本番はがっちり組んだボードを使い、普段のスタジオ練習などで廉価版を使う、という分け方をすれば、かなり動きやすくなるのでおすすめです。
私はボード一つ組むので金銭的に限界なので、毎回ぜーひゅー言いながら移動しています。私と同じく、しっかりボードを組んでいるという方は、小型軽量なフロア型も一台は持っておくと楽ができるかもしれません。

ストンプ型

代表機種はLine 6 – HX StompやBOSS – GT-1000 Core。

Line 6 ( ライン6 ) / HX Stomp マルチエフェクター

Line 6 ( ライン6 ) / HX Stomp マルチエフェクター

BOSS ( ボス ) / GT-1000 CORE Guitar Effects Processor

BOSS ( ボス ) / GT-1000 CORE Guitar Effects Processor

コンパクトエフェクターと大差ないか、数個分のコンパクトなサイズが特徴です。
その多くはフロア型を小型軽量化したもので、ボードに組み込みやすいサイズ感となっています。
そのため、I/Oの数は限られ、フットスイッチも大抵3つに削られ、同時使用できるエフェクト数はフロア型に比べると少なくなっています。
こう聞くとただただ上位機種を劣化させたようなものに感じてしまうかと思います。
ではどのようにして使うことを想定して、メーカーはこのような仕様の機種を販売しているのでしょうか。
それはおそらく、ボードやシステムの「核」にすることです。
先ほど述べたように、フロア型マルチは一台完結です。逆にいえば、一台で完結してしまいます。というか、完結させざるを得ないとまで言えます。
FX LOOPが搭載されていることがもっぱらですが、もともとサイズのあるフロア型に外部エフェクターを繋ぐとなると、運搬も大変になりますし、ボードという形を取らなければ毎回繋ぎ直す必要性があります。
しかしながら、ストンプ型はコンパクト。ボードに入れても圧迫しづらく、それでいてマルチエフェクターとしての役割をしっかりと果たします。
FX LOOPを使うにしても、ボードに組み込みやすいため、外部エフェクターを使いたい人には最適です。
また、メインはコンパクトエフェクターで、その足りないところを補うという使い方も多いでしょう。

ストンプ型の活用

こちらのボードを見てください。

これは、私がいつか組みたいと狙っているボードです。Pedaltrainが提供しているサービスでシミュレートしてみました。
こちらのサービスです。アプリ版もあります)
この中にマルチエフェクターがいくつあるかわかりますか?
実は2つ用意されています。左上の HOTONE – AMPERO II STOMP と下段真ん中の Eventide – H9 MAX がそうです。
私はAMPERO II STOMPを BOSS - ES-5 のOutから繋ぎ、アンプシミュレーター兼IRローダー、一部飛び道具用として使い、H9 MAXはループに入れて空間系やピッチ系の役割を担ってもらおうと考えています。

そしてこれらのマルチエフェクターはMIDIでの制御が可能です。ES-5のフットスイッチにMIDI信号を割り当て、ループの制御と同時にマルチエフェクター2台の操作ができます。
少し話がずれましたが、このような使い方ができてしまうのがストンプ型の良いところです。この場合、歪みとワーミーは実機を使い、それ以外を全てマルチで補うという形になっています。

また、ES-5はループ内部での接続順変更ができてしまうため、H9 MAXをピッチ系に使う場合は歪みの前、空間系に使う場合は歪みの後という使い方もできてしまいます。
この使い方の良いところは、役分けすることで、どうしても限られてしまうストンプ型のDSP容量(マルチエフェクターの処理能力)をセーブすることができる点です。こうすることで、多機能なコンパクトエフェクターのような扱い方ができてしまいます。

ここまで大規模ではなくとも、今私が使っているボードのように(私の最初の記事の冒頭で紹介しています)、ストンプ型のFX LOOPに一台だけ歪みエフェクターを繋ぎ、あとは外部スイッチやEXPペダルを増設するだけ、というシンプルな使い方でもかなり自由です。

まとめ

さて、結局どっちがいいの?となる方も多いかと思いますので、表にしてまとめてみました。

  フロア型(画像はBOSS-GT-1000) ストンプ型(画像はLine6-HX Stomp)
 
値段 高価 比較的安価
サイズ 大きい 小さい
I/O 充実しているが、サイズが故に不便 フロア型よりは少ない
操作性 FSが多く、PDLが付属していることが多い FSが少なく、できることが限られる
扱い方 一台完結 システムの核として
DSP容量 多く、音作りがしやすい 少なく、場合によっては足りない

ざっくりまとめるとこのような感じです。正直、最後は使う人の好みやニーズによるというのが結論です。
マルチエフェクターならではの多機能さをフル活用したい!というのであればフロア型をおすすめしますし、明確に役割を持たせて活用したい!というのであればストンプ型をおすすめします。
どう感じるか、どう使うかなんてのはあなた次第であって、この二者の間に優劣はありません。
また、今回私が紹介した活用法以外にも、まだまだたくさんあるはずです。様々な人のボードを眺めるなどして、活用方法をたくさん見出してみるのも楽しいです。

長くなりましたが、近年のマルチエフェクターは目覚ましい進化を遂げ、一台持っておくだけでできることがかなり増えます。挑戦するつもりのなかった音作りに挑戦したり、様々なコピーバンドをする上で音作りを寄せられたり。いいことづくめです。
ぜひ、せめて、せめて一台だけでも、マルチエフェクターを持ってみませんか?


コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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Saq

香川の金欠大学生。斎藤宏介を知って以降、エレキギターにお熱。今一番欲しいものは高い方のATELIER Z L.E.S.。今秋に購入するべく、労働と節制に勤しむ日々。音楽のルーツはゴスペル。ボカロやアニソンなどのサブカル系が好き。

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