マルチエフェクター大好き男、さくです。
今回の記事では、Line 6が誇るマルチエフェクターシリーズである、HXファミリーをご紹介させて頂こうと思います。
HXファミリーは、フロア型ハイエンドマルチエフェクターである Helix Floor の縮小版だと思っていただくのが早いでしょう。
Line 6 ( ライン6 ) / Helix Floor マルチエフェクター
収録されているエフェクトモデルはHelixと大体同じですし、音のクオリティもそのまま。
I/Oを削って、FSを減らして、ペダルをなくして…と、とにかく小型軽量化(もちろんお値段も)に努めた製品が、HXファミリーなのです。
Helixシリーズについては こちらの記事 でサウンドハウスのスタッフさんがまとめてくれているので、先に読んでくると良いかもしれません。
では早速、ご紹介していきます!
HX Stomp
実家のような安心感。HX Stompです。
Helixのことはよく知らないけれど、HX Stompは見たことある!なんて方も多いのではないしょうか?
非常にコンパクトなサイズですが、パワーはコンパクトではありません。
Helixは最大同時使用ブロック数が22(無茶振りができる数)なのに対し、HX Stompは8です。
えっ、パワフルじゃなくない?と思われたそこのあなた。この制約も、 想定されている用途を考えれば納得です。
HX Stompは、他のエフェクターと組み合わせることが想定されています。
もちろん、一台で全てを賄うことも可能です。
しかし、HX Stompに用意されている2系統のFX LOOPを活用したり、MIDIコントロールのできるループスイッチャーと組み合わせたりして、システムの核として用いれば、8ブロックという少なく見えるブロック数も十分に感じます。
世界的に広く浸透している使われ方としては、ループスイッチャーの後ろの方にセットして、空間系や飛び道具専用機として使う、といったものです。
アマチュアの方であれば、スイッチャーのOutputから繋いで、MIDI制御で空間系、飛び道具を使いつつ、アンシミュ/キャビシミュを使うという事例も見たことがあります。
HX STOMP XL
HX Stompをちょっとでかくしてみた!そんな製品です。
基本的な性能やI/Oなどは特に変わらず、フットスイッチが増えてスナップショットの数も3から4に増えました。
はい、変化はそれだけです。とはいえ、フットスイッチは多ければ多いほど良いです。それだけ踏み間違いが減るということですから。HX Stompのクオリティ、DSP性能で十分で、一台+FXループでの完結を目指すのであればこっちの方がいいかもしれませんね。
端子類も全て背面に移動しているので、ボード内での配置もかなりやりやすくなりました。
スナップショット数も3つだとリード用ドライブ、バッキング用クランチ、ソロ用ハイゲインのようにしか用意できませんが、4つあればここに空間系などを足したものを用意できるので、より柔軟に演奏できます。
XLにするかどうかは、その人の使い方に完全に依存しそうです。
HX EFFECTS
アンプはスタジオなどにある実機メインで、レコーディング時も別でアンシミュを用意する、または実機を使えるからいらない!という方におすすめの機種がこちらの HX Effectsです。
HX Stompとの主な違いは、アンシミュやキャビシミュが省かれ、フットスイッチが増えて、外部アンプの制御ができるようになった点です。フットスイッチ上部にはそれぞれ細長いディスプレイが用意され、それぞれのフットスイッチがどういうアサインになっているかが一目でわかります。これはHelix Floorから受け継いだもので、廉価版の Helix LT にはないものです。
最大同時使用エフェクト数も9なので、4つのスナップショットをフルに活用して柔軟に音作りが可能です。
また、FXループに別のペダルを2つ繋いで、EXPペダルを用意すれば、内部エフェクトとFXループを併せてスイッチャー的に使うこともできるのでかなりお勧めできます。
ペダルに限らず、Morningstar FX / ML5 なんかを繋いでHX EffectsからMIDI制御すれば、より柔軟にルーティングができてしまいます!
HX One
同時使用数が1個で良く、場面に応じて適宜エフェクターを補いたい!という方におすすめな機種です。
ルーティング入れ替えが出来てMIDI対応のスイッチャーである、BOSSのESシリーズ などと併せて使えばめちゃくちゃ使い勝手のいいペダルになります。マルチエフェクターはMIDI制御しやすいのがとても助かりますね…。
HX Stompは同時使用可能数が多いですが、そのものをルーティングの中に入れると結局は一つしか使わない…という場合もあるかと思います。
そんな時、HX Oneをボードに忍ばせておけば、千変万化の万能ギアとして大活躍間違いなしです。
逆にいえば、こいつのありがたみを知ってしまうと、ボードの中に2台くらい入れちゃいたくなりますね…。
おまけ オススメな搭載モデリング!
実際にHXシリーズを使ったことのある私が、これはいいぞ!と感じたモデリングをご紹介していきます。完全に私の好みですが、迷われた際の参考になれば……!
Distortion
- Teemah!
私の大好きなトランスペアレント系オーバードライブ、Timmyのモデリングです。実機さながらのピッキング追従が素晴らしすぎます。コードバッキングでこれ以外を選んだことはないくらいどハマりです。 - Pillars OD
TS系を使うならこれ!というくらいに気に入っていました。Earthquaker DevicesのPlumes Distortionが元です。Teemah!にかけるブースターに迷った時、こいつかMinotaurをとりあえず使っていました。Scream 808よりスッキリとした音です! - Industrial Fuzz
最近ちょっと流行っているアレです。そうです。Fuzz Factoryです。他のファズと違って、ギターのボリュームを絞るとクリーンに近い音が出ます。その挙動までも見事に再現されています。ひと握りの勇気が必要ですが、ここぞという時にギターに視線を集められるのでオススメです。
Amp
- Divided Duo
搭載エフェクトリストを見ていて、思わず「マジか」という声が出たのを覚えています。Divided by 13のJRT9/15です。King Gnu / Millenium Paradeで有名な常田大希さんも使っているDivided by 13がモデリングされているなんて驚きです。それでいて再現度も申し分無し。ハイエンドアンプを鳴らせてしまうという嬉しさから、しばらくはずっと選びっぱなしでした。 - German Mahadeva
個人的最推しアンプ、Bogner / Shivaのモデリングです。ミッドがじゅわっと浮き出る歪みが気持ち良すぎます。前段にどんなブースターを置いても使える音が出せるので、Marshallにちょっと飽きたなんて方に特におすすめ。日本のプロでも使用者がいるので、その実力はお墨付きです!
その他カテゴリ
- Smart Harmony (Pitch/Synth)
空間系のドン、Eventide H3000をモデリングしたものです。Eventideらしいエグいピッチエフェクトがかけられます。そして出音のレイテンシーも極わずか。HXシリーズのDSP処理能力に驚かされる要因です…。 - Transistor Tape (Delay)
かの有名なMaestro Echoplex EP-3です!聞いたことないけど…?という方もご安心を。EP Boosterなら聞いたことあるのではないでしょうか?何を隠そう、EP BoosterはEchoplexのプリ部分を模したもので、Echoplexを通した音が太くて温かいと評判になり、そこからEP Boosterが生まれました。という話は置いておいて、伝説的ラックディレイが味わえます!ただのディレイとは一味違う、太くて温かいサウンドは絶品です。 - ’63 Spring (Reverb)
名前だけでなんとなく言いたいことは伝わってきますが、音を聴けば確信に変わります。何故か公式明言こそしていませんが、おそらく元はFender / 63 Reverbという真空管リバーブユニット。Fenderらしい煌びやかで華やかな音ながらも、深みと柔らかさを与えてくれる贅沢なリバーブです。よくわからんって方でも、スプリングリバーブを味わいたければ選ぶ価値はあるでしょう!
というわけで、HXファミリーのご紹介でした。HX Stompの発売から6年に迫ろうとしている中、それでもHXファミリーは増えています。PODシリーズの血を受け継いだ老舗の安心感というのはやっぱり段違いですね。後発マルチがたくさんある中でも売れ続けているのはやはり驚かされます。
資金繰りのために手放しましたが、手軽なギアとして買い直そうかな…。
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