急遽、2泊3日のアメリカの旅に出て、シカゴからボストン、ハートフォードからロスアンジェルスと目まぐるしく回り、時間があっという間に過ぎ去ってしまった。まあ、アメリカを散歩する、という意識で旅しているので、苦にはならないが、それにしてもせわしい。
そんな散歩がてらの仕事の旅の最後を飾るのが、WAYMO初体験だ。金曜の夜、メーカーの社長と24歳の新入社員、3人で夕食をサンタモニカのWatergrillで楽しんでいた時、その若手社員がAIの話をし始めた。そしてアメリカでの最先端、AIの活用についてレクチャーをするのだ。さすがアメリカ人、何ら躊躇なく、思いのまま語ってくれるのはうれしい。
その会話の中で光ったのが2つ。まず、テスラ社のイーロン・マスク氏がリリースしたお手伝いさんロボット。人間の形をし、なんでもやってくれるだけでなく、言葉を交わし、会話ができるという。まさに驚きの急激な進化。そんな夢のようなロボットが今や、現実となった。日本にももうすぐお目見えするかもしれない。
そして無人タクシーの話になる。そもそもテスラは完全にハンズフリー、自動運転レベル4を実現して、アメリカ人の多くがハンドルに触らず車に乗っているのは知っているが、タクシーまでが自動運転になっているとは、まだ知らなかった。つまりウーバーのようにタクシーを呼んで、行き先を事前に指定し、タクシーに乗るのだが、それが無人なのだ。食事の席で、「やってみなよ!」と言われ、やらないわけにはいかない。すべては経験。
翌日、帰国の日。ホテルをチェックアウトした後、WAYMOのアプリをダウンロードし、使い勝手をWEBから学んだあと、ウーバーのように行き先を指定すると、4分でくるという。勇気をもってOKし、ボタンを押す。すると。。。なんと、たしかに無人タクシーがホテルの前に来た。そしてアプリからアンロックのボタンを押すと、ドアの施錠が解かれ、ドアを自分で開けて乗る!なるほど、すごい!そして座ってベルトを締めると、正面の画面に「START」ボタンがある。それを押すと、車が動き始めた。
いったん動くと、ごく普通の快適な感覚で運転してくれる。横断歩道で人が渡るときには事前にゆっくりと止まり、すいている道は最高速度までスピードをあげて進んでくれる。驚いたのは、数十メートルまで先を見ているので、自分の車線が混んでいる時はすかさず、車線変更をする。すべてが快適だ。そしてあっという間に40分の旅を終え、空港についてしまった。最後は車をおりて、別れを告げるだけ。
むむむ、日本は遅れてしまった。このような無人タクシーを実現するには、日本の道路事情は問題が多すぎる。もはや手遅れ感が否めない。もう日本はだめか、とあきらめざるをえないのかと思うほど、課題が山積みだ。そしてそれをぶっ壊してでも改革しようとする勢いが今の日本にはない。アメリカの無人タクシーのような最先端技術こそ、日本の起爆剤になってもらいたいものだ。いつか、追いつけ、追い越せ、それが日本の夢だ。なんか昭和初期に逆戻りしたようにも思う。ひたすらガンバ!
