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なぜ、女川に行くか?

2022-02-12

テーマ:サウンドハウス創業者のコラム「Rickの本寝言」

Rickの本寝言 サウンドハウス創業者が本音をついつい寝言でつぶやく!

今、降りしきる雪の中を女川に向かって走っている電車の中で、この記事を書いている。1年がかりで女川町と交渉し続けてきた旧女川中学校を取得する話がやっとまとまり、本年度の3月からはサウンドハウスの所有となる。震災後に残っていた2つの建物のうちのひとつであり、人々の思いが込められている場所だからこそ、責任は重大だ。とは言え、この新たなる事業展開は、さすがに先が読めない。それでも女川を信じて進むことにした。

なぜ女川中学校を取得したのですか?そんな疑問視する声がスタッフからも聞こえてきそうだ。徳島と成田を行き来するだけでも大変なのに、今度は遠い東北の女川ですか?荷が重いですね?しかも高額な投資になるのでしょ?人材も不足しているのでは?だったら成田や徳島をもっと良くしてよ。。。そう思われても仕方ないと割り切るしかない。

思い立った理由はただ一つ。過疎化が進む地域社会において、元気ある企業が進出し、雇用を促進しながら特に若い世代との交流を保たなければ、大半の町が100年後には消滅してしまうのだ。そんな社会問題が脳裏をかすめる最中、女川の人々との出会いがあり、サウンドハウスの力が求められるようになったことが背中を後押しした。

サウンドハウスを創業したきっかけは、人助けをするためだった。大きな会社にしたいと思ったこともない。困っている人達を助けることができれば、そしてある程度みんなが生活できるようになればと願っていたにすぎない。それ故、女川の話は、初心と自分の信念に通じるものがある。社会のためにサウンドハウスが少しでもお役にたてるならば本望だ。創業者として僕は、手を差し伸べるだけでなく、全力を尽くしたい。それがRick流だ。

女川を「音楽のまち」として活性化すべく子供たちに無償で音楽教室を提供し、ネット通販事業を展開しながら町内の雇用を促進させることは、徳島の小松島で「和田島タウン」を作ること以上に難しいかもしれない。何しろ今もって、女川は漁業と原発以外に何ら産業がない。しかも町の外観は新しくても、スタッフが居住できる住居がほとんどない。そして子供達は高校生になると女川を去り、その多くが戻ってこない。仕事もなく、町に対する思い入れもなければ、子供達が大人になってから女川に戻ってくる理由はなかなか見つからないのだろう。

だからこそ、女川の人々の熱い思いとともに、女川プロジェクトをスタートさせたい。ハード面では、女川を美しい故郷の町として再生すべく、復興支援の一環として膨大な国費をかけて新しく生まれ変わった。そして女川の未来を期待する大人達が続々と戻り、子供達も賑わいを取り戻し、今や200名前後の小中学生が学校に通っている。それだけに、これからの時代は子供達の魂を潤すことができるソフト面にスポットを当てるべきであり、その原動力は音楽にある。サウンドハウスに託された使命は明らかだ。

「音楽のまち」女川はよいとこだ、と子供から大人まで誰もが思えるようになることを願い、未来をかけたプロジェクトがはじまる。そんな思いを共有してくれる仲間が、ひとりでも多く増えていくことを願ってやまない。

女川駅前のシーパルピア女川

Rick - 中島尚彦 -

1957年東京生まれ。10代で米国にテニス留学。南カリフォルニア大学、ウォートン・ビジネススクールを経て、フラー神学大学院卒。GIT(Guitar Institute of Technology)第2期生のギタリスト。80年代にキリスト教会の牧師を務め、音楽ミニストリーに従事しながら、アメリカで不動産会社を起業。1989年、早稲田でライブハウス「ペトラクラブ」をオープン。1993年千葉県成田市でサウンドハウスを創業。2001年、月間地域新聞日本シティージャーナルを発刊。主幹ライターして「日本とユダヤのハーモニー」の連載をスタートし、2010年よりwww.historyjp.com を通じて新しい切り口から古代史の流れをわかりやすく解説。2023年、一般財団法人サウンドハウスこどものみらい財団を創設し、こどもたちの支援にも従事。趣味はアイスホッケー、ピアノ演奏、トレイルラン、登山など。四国八十八ヶ所遍路を22日で巡る。グループ企業の経営指導に携わるかたわら、古代史の研究に取り組み、日本のルーツ解明と精神的復興をライフワークとする。

 
 
 
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