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「人生悔い無し!」とはうそっぱちだ!

2018-07-20

テーマ:Rickの本寝言

「人生悔い無し」とはよくぞ言ったものです。自らの音楽人生を振り返ると悔いることは多く、数十年経った今でも、「あの大失敗は夢であってほしい!」と願うことがあります。それは1986年のある真夏の日、新宿の野外コンサートでおきました。まさか、と思うことが現実となり、もはや逃げることができなかった悲劇の一部始終を、初公開しましょう。恥を忍んで…

アメリカより帰国した1986年、私は新宿の三井ビルにある某コンピューター会社に就職しました。そしてその夏、三井ビル前の野外スペースにて歌唱力を競うコンテストが、夏祭りの一貫として開催されることを知りました。ところが自分の会社からは誰も応募者がいなかったことから、「歌ならいつでも歌いますよ!」と社長に名乗り出たことが運のつき。一つ返事で「そうか!」と言われ、応募することになりました。

まず、予選を通過しなければならず、選曲からスタートです。ここで最初のエラーを犯してしまいます。1974年よりアメリカに留学していたことから、その間に流行した日本の歌を全く知らなかったのです。そこでよく考えもせず、昔のヒット曲である尾崎紀世彦の「また逢う日まで」を選びました。あまり歌ったことはない曲でしたが、とりあえず覚えている曲の中ではメロディーと歌詞が好きだったから、それで良いと思ってしまったのです。

そして瞬く間に予選オーディションの時が訪れ、新宿三井ビルの地下で開催されました。意外と大きい幅7~8mほどのステージだったでしょうか。その前面には観衆用の折りたたみ椅子が2~300席は設けられ、大勢の方が出場者の応援に駆けつけていました。「ああ、こういう所で歌うんだ。。。」と、先に熱唱している方々を見ながら、とりあえず何とか予選は突破しようと、自分のベストを尽くして歌うことにしました。

自分の番が巡ってきてステージに立つと、遠くには会社の仲間も大勢見に来ている姿が目に入ります。「よっしゃ!気合だ!」と思い切り、心を込めて歌いまくりました。出来はまあまあだったでしょう。そして歌い終わると、何と同僚の女子スタッフが大きな花束をステージまで持ってきてくれたではないですか。そんな応援もあったことから、見事予選を突破!応募者の中から選ばれた数少ないファイナリストとして、本選に出場することになりました。

その数週間後、夏祭りの野外コンサートで決勝大会が開催されました。三井ビル前の野外スペースは意外にも広く、そこに構築されたステージの大きさに絶句!そして何とフルオーケストラのバックが入っているではないですか。まさにプロの大ステージを目の前にし、身震いする中、「最初から言ってくれよ。。。」「まじ、こんなでかいステージかよ。。。」、とつぶやくも、時遅し。しかも、大ステージなのにリハがないのです。これまで幾度となくアメリカではバンドの演奏でステージに立ってきた自分も、流石にこのシチュエーションにはビビってしまったのです!

刻々と自分の出番が近づいてきました。「ほんとかよ。。。」「やばいな。。」「夢であってほしい!」「歌詞を忘れたらどうしよう。。」あ、もう時間がない!すると自分の名前が呼ばれ、もはや待ったなし!なんと、遂に野外大ステージに一人で立っている自分がいるではないですか!全くの想定外!リハ無し、心の準備がひとつもできてない!そしてバックのオーケストラによる前奏が始まった瞬間、その大音量とともにステージを照らす無数の照明とピンスポットの照射を浴びた自分の緊張感は頂点に達し、その時点から段々と記憶が薄れていきます。。。

たぶん、歌い始めたと思います。おそらく歌い終えることはできたと思います。ところが緊張のあまり、声が上ずってしまい、自分らしく歌うことが全くできず、人生最悪のパフォーマンスレベルであったことは間違いありません。大恥をかくために、フルオーケストラ付きの大ステージに立っている自分がいる、これこそ悪夢です。でも、それが現実になってしまったのです。

今となって振り返れば、ひたすら悔いるだけなので、これまで考えないようにしていました。もし、人生をやり直すことができるならば、違う歌を選曲し、オーケストラが入るという前提で心の準備をし、多少の振り付けも考えた上で、自分らしくかっこよく歌います。もう一回、歌わせてほしい!それが自分の夢です。そしてあの悪夢は、「現実ではないよ!」と誰かに言ってもらいたい。。。自分の音楽人生、最悪の日は、夢だったのか。うふふ。。。ゆめゆめ。。。

Rick - 中島尚彦 -

1957年東京生まれ。10代で米国にテニス留学。南カリフォルニア大学、ウォートン・ビジネススクールを経て、フラー神学大学院卒。1993年サウンドハウスを創業。楽器、音響機器のネット通販を手掛け、日本列島を音楽を通じて元気にすることを目指す。会社経営に精励する傍ら、地域活性化のプロジェクトに取り組み、全国を駆け巡りながら、古代史の研究を手掛ける。日本シティージャーナル(地域新聞)主宰。Historyjp.comのサイトを通じて新しい切り口から歴史の流れをわかりやすく解説し、日本のルーツを解明することにより、国家の精神的復興に貢献することをライフワークとする。

 
 
 

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