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頼れる万能ワウ 隠れた名機 Ibanez WD7

2025-07-24

テーマ:音楽ライターのコラム「sound&person」, 楽器

皆さん、Ibanez製のワウペダルと聞いて何を思い浮かべますか?
おそらく多くの方が、レッチリのJohn Fruscianteが使用したことで有名なWH10を思い浮かべるのではないでしょうか?

Ibanez ( アイバニーズ ) / WH10V3

Ibanez ( アイバニーズ ) / WH10V3

しかし、WH10の他にもIbanezが手がけた優秀なワウペダルがあるのをご存知でしょうか?
今回は、近年じわじわと人気を集めている隠れた名機 Ibanez WD7をご紹介します!

Ibanez WD7とは?

Ibanez WD7(以下WD7)は、2004年頃から2018年頃まで製造・販売されていたワウペダルです。

Ibanez ( アイバニーズ ) / WD7 ※販売終了

Ibanez ( アイバニーズ ) / WD7 ※販売終了

最大の特徴は、フットスイッチでON/OFFを切り替える「FOOT SW.モード」と、ペダルを踏むと自動でONになる「AUTO SW.モード」の2種類が選べる点です。

つまり、CrybabyやVOXのようにスイッチで操作する一般的な使い方も、MorleyのBad Horsieのように踏むだけでONになるスタイルも、どちらの運用も1台で対応可能です。

さらに、光学式ペダルを採用しているため耐久性と安定性も抜群。

豊富なコントロールにより、ヴィンテージ風からモダンなサウンドまで幅広く対応。ベースや7弦ギターなど多弦楽器にも活躍します。

つまりWD7は、あらゆる場面に対応できる“万能ワウ”なのです。

コントロールについて

WD7には以下の3つのノブが搭載されています:

Level:エフェクトON時の音量を調整
Q:ワウの効き具合(ピークの鋭さ)をコントロール
LO:ローパスフィルター。低域の量感を調整

これらのノブは「Tone-Lok機構」により、本体内部へ押し込んで収納できる設計となっており、誤操作を防げます。

さらに、周波数帯域の切り替え、ペダルの踏み心地の調整、AUTO SW.モード時のエフェクトOFFまでの時間調整など、細やかな設定が可能です。

スペック情報

電源:9V電池 または センターマイナスDC9Vアダプター
消費電流:最大35mA
サイズ:259(D)×154(W)×117(H)mm
重量:1600g

サイズはやや大きめで、ギグバッグへの収納は難しいかもしれません。
とはいえ、アルミダイキャスト製の堅牢なボディで安心感があります。
持った瞬間「重いな」と感じるかもしれませんが、定番機種であるCrybaby(GCB-95)が1.7kgなので、それよりは約100g軽量です。

実際の使用感

筆者がWD7を弾いてみて、特に便利に感じるのがAUTO SW.モードです。
ソロやオブリガートなど、一瞬だけワウをかけたいときにペダルを踏むだけでONになり、離すと自動でOFFになるのは非常にスムーズでストレスがありません。

また、周波数帯域を細かく設定できるため、ギターはもちろんベースや多弦ギターなど楽器の種類を問わず活躍します。
踏み心地も自分好みに調整できるので、演奏スタイルに合わせたフィーリングに仕上げられるのも魅力です。

さらに、光学式スイッチを採用しているため、ON/OFF時にスイッチングノイズが発生しないのも大きなメリット。
演奏中に静かなパートへ移行する際も、ノイズを気にせず安心して使うことができます。

WD7を愛用しているアーティスト

WD7を愛用しているアーティストといえば DragonForce の Herman Li ではないでしょうか。

ライブでWD7とWhammyを組み合わせたサウンドを聴くことができます。

兄弟機種:WD7JR

一時期は、WD7の一部機能を省略したWD7JRというモデルも販売されていました。
こちらはAuto SWモード専用で、MorleyのBad Horsieに近い使用感が特徴です。

唯一の弱点:“バイパス時のハイ落ち”

非常に優秀なペダルですが、唯一気になる点があるとすればバイパス時の高域の減衰(ハイ落ち)です。

WD7は光学式スイッチを採用しているためバッファードバイパス仕様になっており、体感では10kHz以上の帯域がやや落ち込む印象があります。

この問題は、内部のバッファー用コンデンサを高品質なものに交換することで改善可能です。
筆者は友人のエフェクター屋さん(iola tokyo)で改造してもらいました。

参考:X(旧Twitter)の投稿

WD7のバイパス音が気になる方は、こうした改造を検討してみるのもアリかもしれません。

サウンドセッティング例

ファンキーなカッティングサウンド

周波数帯域をやや上げ、LOを抑えめにすることでスッキリしたサウンドに。
ハーフトーンなどで音が細く感じる場合は、LOを少し上げると厚みが出ます。

ソロ向けリードワウ

Levelを上げることで、ソロ時に音量をブースト可能。
筆者はAUTO SW.モードを使用し、ソロが終わったら自然にOFFになる設定を活用しています。

ベース向けワウ

LOを上げて低域をしっかり出し、Qを狭めてワウの効果を明確に。
ワウの輪郭がつかみやすくなります。

まとめ

1台でどんなシーンにも対応可能な万能ワウペダル、それがIbanez WD7です。
近年は中古市場でもじわじわと価格が上昇中。気になる方は、今のうちに手に入れておくのがオススメですよ!


コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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航平

千葉県生まれ。15歳の時に80~90's洋楽に目覚め、ギターとベースを始める。 高校卒業後はMI TOKYOへ入学。卒業後は同校でTA(補助講師)としてレッスンをする傍ら、BGM・カラオケ音源制作やサポート業をおこなっている。自身のバンド”Tokyoite”(トーキョーアイト)ではベーシストとして活動中。
Twitter https://twitter.com/ike_kohei
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