ギターやベースを練習する際、最初に行うのがチューニングだと思いますが、みなさんは正しい方法でチューニングできていますか?
レッスン中、生徒のチューニングがずれているのが気になって指摘することがよくあります。中には間違った方法で合わせている子もいて、そんな経験から今回はチューニングについてのコラムを書いてみました。
耳で合わせる?チューナーを使う?
チューニングには、耳で合わせる方法とチューナーを使う方法があります。正しく音程が合っていればどちらでも良いのですが、個人的には断然チューナーの使用をおすすめします。
チューナーを使えば、正確なピッチを視覚的に確認できるうえ、スタジオなど周囲が騒がしい環境でも素早く正確にチューニングができます。
チューナーの種類
チューナーには主に「ペダル型」と「クリップ型」の2種類があります。それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。
ペダル型チューナー
項目 | 内容 |
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メリット |
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デメリット |
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クリップ型チューナー
項目 | 内容 |
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メリット |
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デメリット |
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モード設定(クロマチックモード)
多くのチューナーには「ギターモード」や「ベースモード」など、特定の楽器に合わせたモードが搭載されています。
しかし個人的には音名が表示される「クロマチックモード」での使用をおすすめします。なぜなら、楽器モードでは音名ではなく弦の番号で表示される場合があり、自分がどの音程を出しているのかがわかりにくいためです。
多少の慣れは必要ですが、クロマチックモードでチューニングできるようになっておくと応用が効きますし、長い目で見て役に立ちます。
ヘルツ数の設定
多くのチューナーでは、基準音(A音)の周波数を設定できます。基本は A=440Hz です。
ポップスでは441Hzに設定したり、吹奏楽器と合わせる場合は442Hzにすることもありますが、基本的には 440Hz に合わせておけば問題ありません。
たまに誤って設定ボタンを押してしまい、440Hz以外になっていることがあるので、時々確認してみてください。

KORG ( コルグ ) / AW-LT100G クリップチューナー
チューニングは「ゆっくり丁寧に」
チューナーの設定が終わったら、実際にチューニングを始めましょう。ここで大事なのは「ゆっくり丁寧に」行うことです。
ピックで何度も弦を弾きながらチューニングをしている人がいますが、それでは正確に音程を合わせることはできません。
ピックで弾いた直後は音がやや#(シャープ)気味になるため、弦を一度弾いた後、音が落ち着いた状態でチューニングするようにしましょう。
音程は「下から」合わせる
音程が高すぎた場合に、チューニングしたい音までペグを緩めたらそれでおしまいという人がいますが、この方法だとチューニングがすぐに狂ってしまいます。
基準より少し低い音程までペグを緩めてから、ペグを締めて音程を上げて合わせるようにしましょう。これがチューニングを安定させるコツです。


チューニングは繰り返すことが大切
すべての弦をチューニングし終わっても、それで完了ではありません。再度1弦から順にチューニングを確認しましょう。
ギターやベースの構造上、1回で全ての弦が完璧に合うことは稀です。何度か繰り返すことで、チューニングが安定してきます。
練習中もこまめに確認を
弾いているうちに弦が伸びてきて、チューニングがずれてくることもあります。
ピッチのズレに気付きにくい初心者の方は、30分くらいの頻度でチューニングを確認するのが理想的です。練習中もこまめに確認するクセをつけましょう。
チューナーでは合ってるのに音がずれる?
コードを押さえたときにチューニングがずれて聞こえるのに、チューナー上では合っている──そんな場合はオクターブチューニングが原因かもしれません。
やり方は以下で詳しく紹介されています:


オクターブチューニングが合っていればサドルは段々になる(一部を除く)
また、オクターブチューニングが合っているのに音がズレて感じる場合、押さえ方に問題がある可能性もあります。
弦を強く押さえすぎるとピッチが#(シャープ)になり、指をサドル側やナット側にずらすことでも音程が変わります。力みすぎたフォームでは手が疲れやすく、音程も不安定になるので、コードを押さえたときのピッチが気になる人はフォームの見直しをおすすめします。
筆者おすすめのチューナー3選
TC ELECTRONIC ( ティーシーエレクトロニック ) / PolyTune Clip クリップチューナー
クリップ型ながら高精度。低音もしっかり拾えるのでベースや多弦ギターにもおすすめ。
BOSS ( ボス ) / TU-3W WAZA CRAFT チューナー
定番TU-3の技クラフト版。高い視認性と音質劣化のない高性能バッファーを搭載。
Walrus Audio ( ウォルラスオーディオ ) / Canvas Tuner
高性能なだけでなく、スタンバイ画面のカスタマイズ機能が魅力。推しの画像を入れてモチベーションアップ!
まとめ
チューニングは、ギターやベースを演奏するうえで最も基本的でありながら、とても重要な作業です。
日々のチューニングを丁寧に行うことが、確実な上達への近道です。
「なんとなく合っている」から「きちんと合っている」へ──今日から、チューニングを見直してみましょう!
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