ども、マルチ大好きお兄さんです。
ですがついに今回、マルチからちょっと離れた(?)内容でお届けしていきます。
いやまあ、しっかり登場するんですけどね。本性には抗えない。
ということで今回はスイッチャーのお話です。いやはや、便利な時代になったもので、最新の機種ではマルチばりに設定項目が多かったりします。
今回はおすすめのスイッチャーを紹介しつつ、時代はここまで来ているんだ…と感じていただける内容に仕上げましたので、ぜひ最後までお付き合いください。
BOSS ( ボス ) / ES-5 Effects Switching System ループスイッチャー
初手ですが私の最推しスイッチャーです。待たれよ待たれよと思われるかもしれませんが、待ちません。
今回の記事はほぼこいつのためにあると言っても過言ではないのです。
さて、スイッチャーといえば役割として、ループに接続されたエフェクターをスイッチ一つで切り替えるのが一般的かと思います。もちろんES-5も、その例に漏れないループスイッチャーです。
ただし一点、ES-5には型破りな特徴があります。
なんとこいつ、ループの入れ替えができるんです。
なんのことやら?と思われるでしょう。ご説明いたします。
本来、ループスイッチャーに接続された信号というのは、1から2、2から3、3から4…というように番号順に真っ直ぐと進んでいきます。直進です。物によってはセパレートループや並列も可能ですが、基本的には真っ直ぐ。
間違っても3から1に進んだり、4から2に進むようなことはないのです。
ですがES-5はその常識を覆してしまいました。標準ではルーティングが 1→2→3→4→5となっていますが、それを入れ替えることができるのです。3→2→1→4→5でも、4→3→5→1→2でも、逆戻りの5→4→3→2→1でも。自由自在なのです。
これの何が便利なのかと言いますと、ワウやピッチ系エフェクターを歪みの前後どちらにでも置けたり、ボード上の物理的成約に縛られずに組むことができるようになります。
結果、ミドルエンド以上のマルチでルーティングするような自由さが手に入ったわけです。
歪みと空間系、飛び道具の順番による微妙なニュアンス違いをアナログペダルベースで表現することができる。控えめに言って革命ですし、バケモンです。
それだけでなく、ディスプレイがあるので今どのパッチなのかを一目で確認できたり、バッファーの設定をループごとにできたりと、痒いところにとにかく手が届きます。
そしてパソコンでパッチ編集もできるので、時間がある時はストレスフリー。
もちろんMIDI送受信も可能なので、マルチエフェクターとの相性も抜群です!!!
One Control ( ワンコントロール ) / Chamaeleo Tail Loop MKII 5ループスイッチャー
続いてはこちら。ワンコンからスリムで無駄のないループスイッチャーです。
この見た目とお値段でしっかりプログラム可能です。そして個人的推しポイントは接続したエフェクターに電源供給ができるところです。

背面にDCポートがあるので、そこからアナログエフェクターに電源供給ができてしまいます。
アイソレート電源ではないので、デジタルは使えない(使わない方が良い)ことにだけ注意。
パワーサプライを別で用意しなくても良いので、ボード構築の際のハードルがぐっと下がります。初めて取り組む方にとてもおすすめ。
また、間違えてバンクを切り替えてしまわないようにロックできたり、ワンコン伝統のBJF Bufferが搭載されているのでスイッチャーとして申し分ありません。
さらにさらに、セパレートループも1つ用意されています。セパレートループは他のエフェクトループから独立しており、このループだけアンプのセンドリターンに通したり、ループ5であろうとループ1の前に繋ぐ、というようなことが可能です。また、アンプのチャンネル切り替えスイッチとして使用することもできるようで、スイッチャーの柔軟性を高めるのに一役買っています。
ワンコンからは他にも多数のスイッチャーが用意されているので、プレイヤーの細かいニーズに合わせて選ぶことができます。たとえばChamaeleoではMIDIがありませんが、Caimanではセパレートループがない代わりにMIDIがあって、バンク数も150とたくさん。
他にもCrocodileという10ループのものもあります。スイッチャー単体でのループ数なら、おそらく業界最大級です…。
FENDER ( フェンダー ) / SWITCHBOARD EFFECTS OPERATOR
えっ!Fenderもスイッチャー出してたの!?
スイッチャーといえば今まで、無骨なデザインで遊び心を排している感じが否めませんでしたが、さすがはFender、おしゃれなデザインです。
また、カラーディスプレイでルーティングがどうなっているのか一目で確認できますし、お察しの通り、ループの入れ替えも可能です。
この機種の発売までは入れ替えできるスイッチャーはBOSS ESシリーズとMusicom Lab EFXシリーズの一部機種だけでした。そこに一石を投じてきたわけです。やってくれるぜ。
それでいて必要な機能は揃っているので、ペダルボードに個性を持たせたい方に特におすすめ。
内部ではプロセッサーの働きによって信号が常にクリアに保たれているので、音質も申し分なしです!
Morningstar FX ( モーニングスター ) / ML5
これがスイッチャー?ご冗談を。
ですが、正真正銘スイッチャーなのです。ではどうやって操作するのか。筐体に書いてありますが、MIDIです。
お手持ちのMIDIコントローラーや、MIDI信号を送信できるマルチエフェクターなどと組み合わせて使うことができます。
お持ちでなくてもご安心ください。Morningstarから魅力的なコントローラーが用意されています。
個人的にはこの MC6 PRO がかっこよくて好きです。カラーディスプレイ搭載です。もうそそる。
スイッチは6つあれば同時押しなどで融通が効くので、このくらいがベストに感じます。
これ単体のパワーも果てしないのですが、それは置いておいて…。
ML5の利点としては、ボード上での配置がとても自由であることが挙げられます。言ってみれば一般的なスイッチャーの回路部分と操作部分を分離させたような物なので、ML5をボードの上部、コントローラーをボード下部に分けて設置することも叶います。
なんなら、先述したようにMIDI信号を送れるマルチがあればそれだけで済みます。
別記事でもチラッと書きましたが、HX Effects と合わせるのがおすすめ。
本機はプリセットやスナップショットを選択した際に、同時にMIDI信号を送信できます。
なので、HX EffectsからML5を制御することで、ブロックの位置こそ固定にはなりますが、実質的にSend/Returnが5系統に増えたように振る舞うことができるのです。
この使い方が浸透すれば、HX Effectsももう少し脚光を浴びられるのでは……?なんて思っています。
あ、そうそう。私が推しているAMPEROシリーズの最高機、AMPERO II STAGE もつい先日のアップデートでMIDI CCを送信できるようになったので同じように使うことができます!
アンシミュを使いたいって方はこっちの方がいいかもしれませんね。
マルチエフェクターと組み合わせると実質的なFX LOOPの増設になってしまうというのは、かなり恐ろしいこと。
ML5によって、コンパクトとマルチの併用に係る制約がほとんど撤廃されているように感じられるので、これからのボード構築の可能性がますます広がるのではないでしょうか?
さてさて、お送りしてまいりました、スイッチャーの世界。
ただ繋いで切り替える、という基本的な機能だけじゃ飽き足らず、各メーカーが頭を悩ませて色々な答えを提示してくれています。
スイッチャーの進化はボードの進化だと思っているので、これからどんなスッチャーが現れるのか。
期待で胸が高鳴りますね!
コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
投稿についての詳細はこちら