フットスイッチは便利ですね。エフェクター類やアンプのCH切り替え、キーボードで出力ミュートやサスティンのコントロールなど、さまざまな用途があります。
フットスイッチの基本的な機能を理解し、便利な道具を使いこなしましょう。
1.「ラッチ(オルターネート)」「アンラッチ(モメンタリー)」の違い
「ラッチ」「アンラッチ」という言葉をよく耳にし、”おおよそ”の意味は理解している方が多いと思います。しかし、時々勘違いされることもあり、意外にも頻繁にお問い合わせをいただきます。
「ラッチ(オルターネート)」とは、スイッチを押す毎にON/OFFが切り替わります。
スイッチを一回押す(踏む)とON、もう一回押す(踏む)とOFFという風な具合です。
スイッチを一回押せば、押しつづけなくとも(足を離しても)状態が維持されるという特徴があります。単純で分かりやすいので、「ラッチ」は普通のON/OFFスイッチと覚えておきましょう。アンプのCH切り替えスイッチは、(ほとんどの場合)ラッチ式を採用しています。
以下、解説図。

「アンラッチ(モメンタリー)」とは、別名モメンタリーと言うように、スイッチを押している(踏んでいる)瞬間だけONになります。押し続けている間はONの状態が維持され、スイッチから足を離すとOFFの状態になります。キーボードやピアノのサスティーンペダルはアンラッチ(モメンタリー)機能を利用しているため、それらのペダルスイッチはアンラッチ式と覚えておきましょう。
以下、解説図。

このように、「ラッチ」「アンラッチ」とはスイッチがON/OFFになる切り替えタイミングが異なります。しっかり頭にいれておきましょう。またラッチ、アンラッチ機能をフットスイッチ側で変更できるハイブリッドタイプもあります。ラッチ、アンラッチ別でいくつかの商品を紹介しておきますので、用途に応じて選択しましょう。
●ラッチタイプ
●アンラッチタイプ
●ハイブリッドタイプ
BOSS ( ボス ) / FS-6 デュアル・フットスイッチ
2.「N.O.(ノーマルオープン)」、「N.C.(ノーマルクローズ)」の違い
じつはフットスイッチでは、多くの場合「N.C.(ノーマルクローズ)」を採用しています。表示されている場合もあれば、そうでない場合もあります。というのもフットスイッチではスイッチを押したときにONの状態(機能を有効にする)を想定していることがほとんどですので、基本的には「N.C.(ノーマルクローズ)」ということになります。
しかしながら、「クローズ」ということは、「接点同士がくっつく=ショートする」という考え方です。そうすると「“ショートする=導通がある状態=機能ON状態”なのでは?」と思う方も沢山いるかと思います。
ここが間違いやすいポイントです。フットスイッチにおける「N.C.(ノーマルクローズ)」の場合、何もしない状態(スイッチを押さない状態)でGNDとHOTが「クローズ(接点がくっつく)」します。
以下、解説図。

そのためHOT信号はGNDに落ちてしまうため、スイッチで制御する機能は無効。つまりOFFの状態となります。
反対にスイッチを押すと、HOTとGNDは切り離されるためスイッチで制御する機能が有効となり、ONの状態となります。
以下、解説図。

少しややこしいかもしれませんが、シンプルに一般的なフットスイッチのほとんどが「N.C.(ノーマルクローズ)」、何もしない状態(スイッチを押さない状態)がOFF状態、スイッチを押すとON状態となる。そう覚えておいて、稀にその反対の仕組みのものもあると心得ておけばよいのではと思います。
「N.C.(ノーマルクローズ)」表示をしているスイッチも紹介しておきます。
以上、商品選びの際のご参考になれば幸いです。