金欠が収まりつつあるせいで金遣いが荒くなり、結局金欠がちらついているさくです。
ちょっと緊急で記事を書いているのですが、タイトルの通り、私の愛用しているマルチエフェクターのHOTONE – AMPERO II STOMP(以下STOMP)がマジで無敵の機材になりました。
HOTONE ( ホットトーン ) / AMPERO II STOMP アンプモデラー&エフェクター
何がどうなって無敵になったのか、また、どこがどうだったので無敵じゃなかったのかは後ほど書くとして、この経緯を語る上で外せない存在から。
AMPERO II STOMPの後発機であるAMPERO II STAGE(以下STAGE)です。
HOTONE ( ホットトーン ) / AMPERO Ⅱ STAGE
一言で言い表すなら、STOMPをベースに、フットスイッチの追加やI/Oを充実化を施した機種です。ちなみにどうやらDA/ADコンバータもグレードアップしているみたいです。
それだけなら、発売時にSTOMPを買って間もない私がわーきゃー言うことは決してなかったでしょう。それなのにSTOMPから買い換えようかこの上なく悩んだ理由が、「シーン機能」の存在です。
シーン機能と聞いてピンときた方は多いのではないでしょうか。そうです。STOMP型マルチエフェクターの親分、HX Stompにも「スナップショット」として搭載されている機能ですね。
Line 6 ( ライン6 ) / HX Stomp マルチエフェクター
シーン機能は、パッチ内のブロックの配列や数、種類は変えられませんが、ブロックのオンオフ、そしてパラメータセッティングの異なるものを呼び出す機能です。これだけ聞けばそこまで便利に感じませんが、この機能のいちばんの価値は音切れしないことにあります。
スイッチャーを踏むのと同じ感覚で音をチェンジできます。ただしスイッチャーとは違ってパラメータが変えられます。ここもすごい。(スイッチャーでもMIDI対応エフェクターであればもちろんパラメータは変更できますね)
例えば、使用するディレイエフェクトは1個で、シーンごとにディレイタイムを変更しておくことが可能です。他にも、ソロ用にエフェクターを嚙ますのではなく、アンプのゲインを上げたものを用意したりと、発想次第で色々できちゃいます。
もちろん設定の異なる同モデルを2台並べても良いのですが、それだとDSP容量を喰ってしまいます。DSP容量との戦いはマルチエフェクターの宿命とも言える命題ですから、ユーザーは結構そこに気を使うのです。
そんな便利極まりないシーン機能がSTAGE限定と知って、本当に歯がゆい思いをしていました。
STOMPのレビューにも書いたのですが、「音切れする」ことと「ピッチ系エフェクトが弱い」ことが私の悩みであり不満だったので、音切れしないシーン機能は喉から手が出るほど欲しい機能だったわけです。
そんなSTAGE発売から3ヶ月半が経った4/25。
いつものようにSTOMPを使っていたのですが、挙動がなぜかおかしかったのでファームウェアを入れ直そうと思い立ちました。
それで、HOTONE公式ページに飛び、特に詳細を見ずに最新版をDLしてみたら。
「……あれ?」
STOMPのUIがガラッと変わっていたのです。しかしながらそのUIに見覚えがありました。
そうです、STAGEです。STAGEとほぼ同じファームウェアがSTOMPにやってきていたようです。
これに気づいた私は真っ先に“あれ”を確認しました。
「シーンある!!!栗原ァァァァアアアア!!!!!」
荒ぶりながらシーン設定をして、恐る恐るフットスイッチを踏んでみましたが…
「音切れしない!ありえない!!!」
今までの音切れはなんだったのかと思わされるくらいに、ものすごく綺麗に音色の変更ができて、思わず天を仰ぎました。
さらに驚かされたのが、パッチ内であればシーン変更でなく、個別ブロックのオンオフでも音切れしないことです。シーン1とシーン2で別々の歪みペダルとアンプを用意して、3つ目のフットスイッチにディレイをアサインしてみたのですが全く音切れしませんでした。
それまでは、パッチ内のドライブペダルをオンにしようが、FX LOOPをオンにしようがしっかりと認知できる音切れが発生し、踏むタイミングにものすごく慎重になっていましたがこれならもう何も怖くありません。
私のいちばんの悩みが解決してしまったのです。
そして、ついでみたいにピッチ系エフェクトの挙動が改善されていました。オクターブやハモリを入れた時に遅延を感じましたが、それがかなり良くなってます。
さらにはDSP効率が良くなったのかわかりませんが、同時に使用できるエフェクト数にも余裕ができたように感じました。
STOMPは今までのアップデートで、
- サンプリングレートが44.1kHz固定だったのが192kHzまで選択可能に(元々AD/DAチップは対応していたが、ソフト側で制限していたよう)
- 順次様々なエフェクトが追加。なんとSTAGEに搭載されているエフェクトも。
- 追加された「HQ」と名のつくハイクオリティアンプモデルは真空管の選択まで可能
- シーン機能実装(フットスイッチの都合上3シーンまで)
- 同一パッチ内での音切れ解消
- ピッチ系エフェクトの追従性向上
- ファームウェアの刷新によるDSP効率化
これだけのことをやってのけています。しかも全部私がSTOMPを買って以降の半年間の出来事です。
それ以前から何度もアップデートされており、どんどんいい機材へと変化して行ってます。
ここまで来ると正直文句は出ません。フットスイッチの間隔が近くて同時押ししてしまうという不満はありますが、そんなのは私の踏み方が悪いだけです。むしろ、こんなコンパクトな機材でこれだけいい音が出せてしまうなら、文句をつけるのは本来野暮なのです。
とはいえ、調子に乗って重たいエフェクトを選びすぎるとオーバーロードしてしまうので、ちゃんと気をつけて音作りをする必要はあります。こればかりは先述したように、ストンプ型マルチエフェクターの宿命なので、仕方のないことです。割り切って向き合いましょう。
今回のアップデートを経て、最強になってしまったSTOMP。先日発売されたばかりのKemper Playerにアンシミュの役割を託そうか、なんて考えていましたが、今は全くです。むしろ、スイッチャーのoutに繋いでMIDI制御して、空間系とアンシミュ、IRローダー専用機としてバリバリ使ってやる方向にシフトしました。一部の歪みやピッチ系の大半はDSP容量を派手に喰らうので、外部で賄えばハッピーハッピーハッピーです。
上の画像が、私が今目指しているボードです。UNISON SQUARE GARDENのコピーが中心なので、WhammyとPitch Factorは外せません。これだけやれば最高の音で演奏できる気がしてならないです。
そんなわけで、STOMPとSTAGEの関係性はHX StompとHX Stomp XLの関係性と似たようなものかもしれません。
Line 6 ( ライン6 ) / HX STOMP XL マルチエフェクター
結局はユーザーがどう使いたいかで選んで欲しい、というだけかもしれませんね。
以上、AMPERO II STOMPが最高の機材になった話でした。
いつかそのうち、ストンプ型マルチの比較なんかも記事にしてみたいですね。(実は執筆中に頓挫したことは内緒です)
それにしても、後発機のSTAGEを買わせる方向へ仕向けず、ちゃんとSTOMPのことも気にかけているHOTONE、有能すぎませんか?
AMPERO III STOMPが出たら、真っ先に食いつくだろうなと思います。まだしばらくは出ないで欲しいですけどね…。
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