みなさんこんにちは、夜型DTMerのリミトです。
今回は私が大好きで得意なエフェクター製作をテーマにしていきます。その名も「サウンドハウスで買えるものだけでエフェクターを作ることはできるのか」です。
サウンドハウスでは楽器や周辺機器にとどまらず、さまざまな部品も多種多様に販売しているので、ある程度の修理(パーツ交換)でしたらサウンドハウスで販売しているものだけで完結してしまうのですよね。そこで思いついたのがこのテーマ。
工具から材料まで全て揃えてエフェクターを完成させることができるのか……。
前編と後編の二篇で構成されています。ぜひ最後までご覧ください。
それではさっそくみていきましょう。
■ ハンダごて
まずは工具からですね。エフェクターを製作するためにはなくてはならないハンダごて。探してみたところ、サウンドハウスでも販売されていました。それがこちら。
FERNANDES ( フェルナンデス ) / SI-1500 はんだごて
安心のフェルナンデス製で40Wなのに価格が安い!いいものを見つけてしまいました。
ハンダごてでよくあるトラブルとしてヒーターの故障が挙げられるのですが、それは加熱しすぎによるものがほとんど。過去に40Wのハンダごてを使っていた経験があるのですが、湿らせたスポンジで定期的にさっと拭くだけでもヒーターへの負荷は下がりますし、20分以上稼働させなければ安かろうが、40Wだろうが長持ちするのです。
しかも音質の良いと言われる鉛ハンダに、メンテナンス用の紙やすりまで入っています。おすすめですね。
■ ハンダ材
ハンダごての次に紹介するものといえばそう、ハンダ材。世の中には多種多様のハンダ材が存在しますが、サウンドハウスで取り扱っているハンダ材で一押しなのがこれ。
MONTREUX ( モントルー ) / Kester 44 1.5m [1475]
音響用に最適化されたハンダ材で、少しお高いように思えてかなり太めなのでコスパもよく、加熱時に出るヤニの煙も少なく、非常に人気で知名度の高いハンダ材となっています。
私もエフェクターを製作するときは必ずこれを使っています。原音に忠実で透き通った音が非常に綺麗です。
そしてハンダ吸取り線。
MONTREUX ( モントルー ) / ハンダ吸取り線 1 meter [1676]
これもエフェクターを製作するときにおいて、特に初心者には必須です。ハンダ材を盛りすぎて隣と短絡してしまうことがありがちなのですが、ハンダ吸取り線があれば失敗を恐れずに製作に励むことができます。
■ 穴あけ用の工具
続いてはエフェクターの筐体に穴を開けるための道具を探していきます。通常、3mmほどの穴をドリルで開けてからリーマーで部品が収められる大きさの穴に広げていくのですが、果たしてリーマーやドリルは販売されているのか…。
探してみたところ、リーマーは過去に取り扱っていたようです。
FERNANDES ( フェルナンデス ) / TAPERED REAMER
そしてドリルはと言いますと…残念ながら金属用は取り扱っていないようです。ただ、この穴あけ用の工具がなくても後ほど紹介する自作キットは問題なく完成させることができますのでご安心を。全て手作りしたいという方は、お近くのホームセンターなどで簡単に入手が可能ですので探してみてください。
■ 配線材
続いて配線材について探していきましょう。エフェクター製作において、配線材は音の特徴を変えてしまうほど重要なものです。ここは慎重に選ぶべきです。
まずは私が普段使用しているおすすめの配線材からご紹介します。
大手ケーブルメーカーのオヤイデ電気から発売されている、オーディオ機器用の配線材です。
配線材には「スケア」というものと、「AWGサイズ」というものが存在します。
以下はスケア値とAWGサイズ、寸法の表の一部です。
スケア | AWGサイズ | 被覆込みの外径(約) | 銅線の太さ |
---|---|---|---|
0.2sq | AWG 24 | φ1.5㎜ | 0.6mm |
0.3sq | AWG 22 | φ1.5㎜ | 0.8mm |
0.5sq | AWG 20 | φ2.0㎜ | 1.0mm |
0.75sq | AWG 18 | φ2.2㎜ | 1.1mm |
1.25sq | AWG 16 | φ2.8㎜ | 1.5mm |
2.0sq | AWG 14 | φ3.4㎜ | 1.9mm |
ここで紹介した配線材はAWG22のビニル絶縁電線で、「より線」と言う複数の細い導線が束ねられたものとなっています。AWG24と比べて被覆が薄くて剥きやすい、でもAWG20のようにオーバースペックでもなく太くもない。そして何よりオヤイデの企業努力が詰まっていて音が良い。そんな入手が容易で、質が良くて、少し硬いけど、エフェクター製作に極めて最適なケーブル。それがオヤイデ3398-22なのです。
ちなみにこれ、白色もありますよ。
■ フォンジャック
そして、エフェクターといったらフォンジャックですね。
サウンドハウスで「フォンジャック」と調べるとSwitchcraft製をはじめ様々なものがヒットします。なかでも一番有名で人気があるのがこれら!
SWITCHCRAFT ( スイッチクラフト ) / 12B
Switchcraftのモノラルとステレオのフォンジャックです。非常に剛性が高く、フォンプラグが硬くもなく緩くもなく、しっかり気持ちよくはまります。
でも、なぜステレオなのか?ギターはモノラルなのでは?これは乾電池を内蔵させる場合に使用します。
詳しくはこちらをご覧ください。
Switchcraft製以外にもたくさんありますが、私は毎度のようにこのフォンジャックを使用します。無難ですので。
■ 電子部品
続いて探していくのが電子部品です。もう数えきれないほど色々な種類がありますよね。キャパシタだったり可変抵抗だったりヒューズだったりダイオードだったり…。
というわけで、最初に目に見え、手で触れる部品である可変抵抗を探してきましょう。ボリュームとも言い、歪みの調整や音量の制御などをPotentiometerの頭文字を取って、音響業界では「ポット」と呼ぶこともあり、エフェクターを製作するにあたってはどちらの名称を使っても差し支えありません。
「ポット」と検索したところ、大量にヒットしました。

例えばこれ。
500KΩAカーブの極普通のポットです。特にこれといって語ることもないほど音響分野では普及していて、アルファという名前で知られています。
続いて抵抗やフットスイッチ、ダイオードなどを探してみたのですが、残念ながら見つかりませんでした。
スイッチに関してはこういうのが見つかりました。
ALLPARTS ( オールパーツ ) / EP-4181-010 Chrome On On Round Bat Mini Switch
DPDTのトグルスイッチですね、メーカーも知る人ぞ知るオールパーツ製です。
いずれにせよ、サウンドハウスではリペア用の部品が大量にあり、いろいろと流用できそうですね。
さて、長くなりましたので続きは後編でどうぞ!
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