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「完全DIY機材への道」第二章 桁外れに最高音質のダイレクトボックス(D.I)を作る!!!~パーツ選定と回路解説編~

2022-12-02

テーマ:実録 ! サービスマン日記, Tips&お役立ち

大変お待たせしました。
今回は胸躍る部品選定と解説をしたいと思う。

いつもながら思うのだが、実際に回路を考えてある程度方針や目指す音が見えた時、それに使用する部品はどれにしようか本当にわくわくしてしまう。
同じ回路であっても使用する部品によって全く違う音になるのは何度も経験している。
まあ中には「部品なんかで音は変わらんよ」と言う人もいるが、とんでもない話だ。
ハイエンドオーディオのアンプや自作マニアが作る機器はとにかくハイグレード&高音質と言われる部品ばかりを使用している事も事実。
その部品群を安価なものにすべて交換して同じ音が出るのだろうか?
もし同じ音が出るなら最初から高価なハイグレード部品を使用する意味が全くなくなる。

今回はプレミア必至の部品を紹介していくが、このブログが原因で市場から消えないことを祈る。

ではまず

部品その1. トランス OEP A187A10C

NEVEサウンドを目指すために最も妥協できない部品がこれだ。
オールドNEVEのパーツなど入手できるはずもない現代において唯一の救いはこのトランスが入手できると言う事。
Made in Englandの高品質トランスだが日本でも入手しやすくなった。
筆者は何度もDIを作ってきたがトランスはいつも日本のSANSUIトランスを使用してきた。
そして作る度に「このアタックで入る歪は何とかならんかな?」と思っていた。
今回そのような心配は無用!
ベースに良し、エレアコに良し、もちろんギターにも良し。とにかく抜群に音が良い。
現在NEVEのコピーやインスパイア製品を作っているメーカーもこぞって使用している事実を考えればこれ以外の選択肢はないと言える。

部品その2. トランジスター(コンプリ)BC550&BC560または2SA970&2SC2240

今回はディスクリート回路なのでトランジスターを使用するが、このパーツでも再生音は激変する。
コンプリとはプラス電圧で作動させるトランジスターと対になる、マイナス電圧で作動するトランジスターとのペアの事。
国産で有名なところだと2SC945と2SA733がコンプリ、また2SC1815と2SA1015がコンプリだ。
今回のDIにはどちらも使用できるがこだわらせていただく!
海外トランジスターのBC550とBC560のコンプリか、国産の2SC2240と2SA970のコンプリだ。
どちらも見つけるのにかなり苦労すると思うが、BC550の方はローノイズで端正な音質かつ超低域まで音像がぼやけないクリアーさを持っている。
2SC2240はローノイズなのはもちろん、再生周波数に出し惜しみが無い万能タイプ。
ギターやエレアコ、そのほか何でもOK。ともすれば煌びやかすぎる高音も出しゃばらずその美しさを保ったまま絶妙のバランスにしてくれる。
もちろん自分で見つけたトランジスターも使用できるのでそれを探すのもまた楽しい。

部品その3. コンデンサー 0.1uFと10uF

直接音声信号にかかわるコンデンサーは2個。
入力部分に使用する0.1uF/50V~とトランスの入力部分に使用する10uF/63V~だがこの0.1uFにはこだわりたい。
筆者は在庫の関係でビンテージEROのKT-1800を使用するがビンテージライクな味を求めるならばここは最も大事な部分かもしれない。
得体の知れないただ古いだけの中古コンデンサーなどはノイズの原因になる事も有るので避けてもらいたい。
10uFはその容量から必然的に電解コンデンサーになる。
しかしスペースファクターに余裕があれば、4.7uFのフィルムコンデンサーを贅沢に2個パラレルにする案も有りだ。
万が一のトランスにDCが入り込む事態を避けるため、電解コンデンサーを使用する場合は出来るだけ新鮮で確かな品質のブツを買い求めるべし。

その他の部分に使用するコンデンサーは1uF/63Vと100uF/63Vの電解コンデンサー、0.047uF/50V~100Vのフィルムコンデンサーが各1個ずつ。

部品その4. 抵抗

一番軽視されがちな部品ではあるが、実は部品の中で一番通過する頻度の高い部品でもある。
このブログを読んでいる読者には耳馴染みのないメーカーもたくさんあるはず。
意外とコンデンサーのメーカーは知っていても抵抗のメーカーは知らないという人も多い。

KOA(日本製)の1/4W金皮抵抗が一番入手しやすいと思うが、音質やノイズに対する安心感を得たいならばHDK(日本製)のモールド抵抗やDALE(USA)CFM-55、CMF-60、RN-55、RN-60などもいい。

タクマン電子や多摩電気工業、ニッコームやリケノーム、箔抵抗(かなり高価)なら進工業やアルファ、Vishay、など選択肢は盛り沢山だ。
ただし、何度も言うが素性の分からないソリッドカーボン抵抗などは避けた方が良い。
正確な抵抗値が出ないだけでなくノイズや見た目では分からないような導通不良も味わっているので忠告しておく。

今回使用する抵抗値は

  • 47Ω ×1
  • 3.9KΩ ×1
  • 6.8KΩ ×2
  • 10KΩ ×2
  • 100KΩ ×1
  • 470KΩ ×2
  • 1MΩ ×1

の計10本。私は今回DALE RN-60を使用する。

部品その5. その他の部品

後はユニバーサル基板5cm×7cmぐらいを1枚。
配線材 可能であればAWG24のテフロン銀メッキ線。
以上だ。

まずはベーシックなDIを1台作ろう。
これだけでも十分ハイクオリティなDIが完成する。
次回は回路図の解説をする予定なので、それまでに十分に己が納得する材料を探し求めてもらいたい。
ではまた次回までお楽しみに!!

技術サポート / 盛 寿

Bogner、 ENGLのカスタマーエンジニア経験を経てあらゆるメーカーのAMPを修理し続け早や20年、中でもMarshallの修理では他の追従を許さぬほどの経験値あり。Noasharkエフェクターの回路設計者でもあり、あらゆる音響機器に造詣が深く、自分用のエフェクターは自分で作るがモットー。しかしただのビンテージコンデンサーフェチではないか?と噂されている事を本人は知らない。

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