今回はニッチな内容になりますが、エフェクターなど自作する際に使用するケースの加工方法について書かせていただきます。
サウンドハウスでは自作エフェクターによく使用されるケースも取り扱っています。
ギタリストやベーシストでこのケースに見覚えある方、結構いらっしゃるのではないでしょうか?
市販されているハンドメイド系のエフェクターでもタカチのケースが使用されている事がよくあります。
サイズ、堅牢さ、加工のしやすさ、エフェクターに使用する筐体としての完成形と言っても過言ではないでしょう。
堅牢さと加工のしやすさはアルミダイキャスト製だからです。
アルミダイキャストとはアルミニウムや亜鉛、マグネシウムなどの合金を高音で溶かして金型に流し込む鋳造法。これによりアルミニウムの軽さや加工性の良さを持ちつつ合金の堅牢さを兼ね備えているという訳です。
加工しやすいと書きましたが、他の金属と比べれば加工しやすいといったところで、金属加工するには道具と知識と技術が必要です。これらが足りていなければケースや道具の破損、ケガをするおそれもあります。そうならないためにも、必要な工具や加工方法を説明していきます。
では、必要な工具を紹介しつつ、工具の使い方も説明していきます。
センターポンチ
最初に紹介するのはこの道具

センターポンチは穴を開けたい箇所に目印となるくぼみをつける道具です。

実際にくぼみを付けてみます。
くぼみを付けたい箇所に当ててハンマーで軽く叩くと

凹んでいるのが分かるでしょうか?
この小さなくぼみが刃を滑りにくくします。
鉄工用ドリル刃

穴開け用のドリル刃です。木工用と間違えないように、サイズは3mmくらいから揃えておくと便利です。

ステップドリルといって段階的に穴を広げてくれるドリル刃もあります。
ボール盤、電動ドライバー


ドリル刃を取り付ける側の工具になります。
安定性はボール盤、取り回しのよさは電動ドライバー、それぞれによさがあります。
ここで気を付けてもらいたい事があります。ボール盤も電動ドライバーも回転スピードが変えられるものを選んで、金属加工する場合は回転スピードを低速で行ってください。高速で金属に穴を開けようとするとドリル刃やケースが破損します。
また、ケース側はクランプで固定するなどして動かないように固定してください。固定しておかないと穴開けに失敗した際に回転に巻き込まれる、破片や筐体がとんできてケガにつながる事もあるからです。
実際に穴を開けてみます。


センターポンチで付けたくぼみにドリル刃を当てて、ゆっくり穴を開けていきます。急に負荷をかけるとドリル刃が折れる事があるので注意が必要です。
また、始めは小さい径から穴を開けて、大きい径に広げていくのがコツです。小さすぎる径だとドリル刃が折れやすいので3mmくらいから始めるのがよいです。切削油を付けるのも忘れずに。
テーパーリーマー、鉄やすり


最後に紹介するのはテーパーリーマー、鉄やすりです。
どちらの道具も穴のバリ取りや穴の拡張をするのに使用します。
ドリル刃のサイズが足りないなんてことも結構あったりしますので、持っておくことをおすすめします。
簡単ではありますが、アルミダイキャストケースの穴開け方法の紹介でした。
ホント、工具使用の際は事故やケガには気を付けてください。