トルコとシリアを大地震が襲いました。死者数は東日本大震災を超える3万人近くに増え続けることが報告されており、心が痛みます。サウンドハウスとしても、緊急支援金として親会社のハウスホールディングスから、日本赤十字社に1,000万円を寄付しました。遠く離れた外国での惨事だけに、できることは限られています。一人でも多くの人が助かることを祈るばかりです。
さて、これまで南海トラフの大地震よりも、関東界隈の災害の方が先にくるのではと語ってきましたが撤回します。南海トラフ地震の方が先にくる可能性が高くなっただけでなく、目先に迫っている感がします。内閣府の発表をみんなは知っているでしょうか。地震の最大規模はマグニチュード9までを想定。そして地震発生後、海陽町には6分、阿南市には15分、小松島には36分で、津波が到達することになる。そしてこれまで津波の高さは小松島市では最大5mと囁かれてきましたが、それも覆されました。徳島県における津波高は竹ヶ島のある海陽町で21m、阿南市では16m、小松島市では6mと発表されたのです。サウンドハウスのKLC/KWHオペレーションも、大規模な津波災害を想定した対策が必要であることは明白です。
備えあれば憂いなし。まず大事なことは、避難方法を事前に全員が覚えておくことにつきます。国は徳島県で最悪3.1万人の死者数を想定しています。その中に我が社のスタッフや家族がいてはいけないのです。例えば社内で仕事をしている時に大地震がおきたとしましょう。いくつかの鉄則を覚えておくことが大事です。
- 商品や備品の下敷きにならないように、即判断、即移動が求められる。倉庫内にいるスタッフはドアが近くにあれば、表にまず出る。内側の奥にいる人は、あせらず、大型ラックの足元に身を伏せる。ここで動いても、上から落下してくる物にあたってしまう可能性がある。上を見て判断できるような揺れではないことを最初から心するように。
- 決して会社から車で家に戻ることを考えないこと。小松島の地勢からして、道路は寸断、液状化して、通行できる状態にはならない。そして無理して家に行こうとしても、到達する前に津波にのまれることになる。
- KLC/KWHスタッフ全員、KWH倉庫内の避難テラスまで、みんなで階段を上ること。小松島でも最悪10mの津波を想定し、KWH倉庫内には高さ10mの避難所が設置されている。狭い梯子を上らなくてはならないが、みんなで声をかけ助けあって上っていくことが不可欠。最上部まで上れば安心。KWHの倉庫は壁が薄いので、津波がくると壁がぶち破られ、建物は倒れず骨だけが残ります。周囲に家屋がないだけでなく、真横には多数のテトラポッドが置かれているので、いろいろな破損物をブロックしてくれるのが強み。
- 避難所にはヘルメットと救命具が置いてある。8年前より社員数が増えたので、早急に数を増やすことが大事。なぜかというと、万が一、想定を超えて10m以上の津波になった場合、とにかく頭を衝撃から守ること、水の上に浮いていることが、生死の境目になるからだ。問答無用で海水が引くまでヘルメットをかぶり、救命具を着けることを勧める。
- 最後に、津波で最も怖いのは引き潮だ。そのスピードは、津波が押し寄せるスピードとは桁が違う。よって、絶対に海水に近づかないこと。いったん引き始めた海水に飲まれたら、命を落とすことになる。
ここまで言えば、津波の恐怖、それに対する準備は理解できたと思います。あとは、家や学校に残された人がどう避難するか、それは別途、検討しなければなりません。検討している時間があまりないので、とにかく急いで協議することが重要です。特に阿南市から来られているスタッフはおわかりのとおり、海抜が3m以下の町が多く、平地が続くだけでなく、津波の到達も早いことから、ひたすら数少ない西側の山か、建物の上階に上ることになります。事前対策が急務です。
成田の本社は幸いにも、成田市内でも最も海抜の高い町のひとつである新泉にあります。サウンドハウスの本社ビルは6F建て、最強の構造設計を誇る大型ビルであり、海抜32mの場所に建築され、建物の6Fは海抜60mを超えています。よって、関東が50m沈んでも、まだ、SLCの6Fではみんなが安全にいられるのです。しかも構造上、たとえマグニチュード9の想定外の大地震がおきても、成田のSLCは倒れることがない構造になっています。成田市内において我が社のビルよりも構造上、安全なビルはないと断言できます。また、女川のオペレーションもむこう数百年は心配ありません。確かに最近、小さい地震は多々ありますが、巨大地震に襲われる心配はもはや、皆無です。
よって徳島は心配がつのります。いずれにせよ徳島はいつか、大地震に襲われることになるからです。また、成田、東京も同様に、地震災害に遭遇する運命を免れることができません。どちらが先かは特定することができませんが、もはや一刻の猶予もないのです。今すぐに対策、準備をしましょう。そして全員が、いつ、何時でも地震災害時に、プラン通り動くことができるよう準備し、また、メンタルも強くならなければいけません。それがひとりひとりの命を救うことになります。
最後に、だからこそ、今、女川のオペレーションを拡大することが急務なのです。いずれ徳島のオペレーションは止まるときがきます。ではその時、2,000件の出荷をどうするのでしょうか?女川が肩代わりするしかないのです。そのため、女川においてSLCと同規模の土地、建物が与えられたのです。これは天命とも言えるでしょう。これを有効活用しない手はないことから、早急に取り組み始めたところです。
東京もいつしか海の下になる時がきます。しかしTCCのある目白は徳川本家の領土であり、東京屈指の海抜30mを誇ります。また周囲にはビルも多く、そばのSH社宅マンションも10階に位置することから、たとえ関東が50m沈んでも、TCCのスタッフには逃げ道があります。成田SLCも千葉県では一番安全な場所です。そして災害面からは、女川はもっと安全と言えるでしょう。それ故、これからもっと、女川をもっと大事に考えましょう。いつかそこが、みんなの避難場所になる時がくるかもしれないからです。
