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社員は家族! 夢にも思わなかったおせっかいの真相とは。。

2023-01-30

テーマ:サウンドハウス創業者のコラム「Rickの本寝言」

Rickの本寝言 サウンドハウス創業者が本音をついつい寝言でつぶやく!

「社員は家族だ」、なんて言っても夢事であり、「そんなの嘘っぱちだ!」と誰もが思うことだろう。むしろ、もう少し語気を弱めて、「社員は家族のような存在!」と言ったほうが、多少は理解されるのかもしれない。いずれにしても、自分の心の中にはいつも社員の存在があり、それは親心のようなものかもしれない。時には老婆心とも思えるほど、なぜそんなに世話を焼くのかと、自分自身でもふと、考えることがある。

サウンドハウスは2023年、ついに創業30年を迎えた。それ以前も会社を経営していたことから、そろそろ40年近くの月日を経営者として過ごしてきたことになる。その歴史の中で、多くの社員との出会い、別れ、そして稀にトラブルにも遭遇してきた。最近では少し成長したこともあるのだろうか、自分自身がトラブルに巻き込まれることがなくなった代わり、社員同士の問題に出くわすことが多くなり、その度に和解を促すために知恵を絞ることになる。会社の秩序を守りぬくためには、つまらんいざこざに思いもよらず時間を費やす必要があるのだ。

ところがどうも自分はおせっかいなのだろうか、あまりにひどい状況を目にすると見過すことができず、ついつい深入りしてしまう。それも社員を家族のように思っているからに他ならない。例をあげればきりがないが、例えば極度のアトピーで苦しんでいる社員を見ては、ある日、海外にまで一緒に治療目的で連れて行ってあげた。これが男性だったから周囲からは何も言われなかった。ところがある日、精神面で悩む新卒の女子がいたことから、心療内科に連れていってあげたことがある。その結果、誤解を受けるようなこともあった。また、目がよく見えない、と言いながら眼鏡もかけずにコンタクトの度を調整もせず、画面をじっと見ている社員を見かねて、眼鏡を買ってあげた。全くおせっかいも度が過ぎる。しかし、自分の子供だったら同じことをしていただろう。つまり、社員は自分にとっては家族と同じ存在なのだ。

家族の存在は、実は自分にとって大きな負担だ。離婚してからというもの、4人の子供の親権者になり、会社を経営しながら子育ても頑張った。これだけは自分をほめることができるだろう。当時はライオンズマンション住まい。幸いにも社屋が真横で通勤時間がゼロということもあり、頻繁にオフィスと社宅マンションをダッシュで行き来した。そして塾の送り迎えや病院通い、授業参観など、まあ、よくそこまで付き添ったものだと自分なりに感心してしまうほどだ。しかしながら、子供たちが大きくなるにつれて、段々と社員の方に時間をシフトしていくことになる。

父親にとって、社員はとてつもなく大事な存在であったことは、子供たちが一番よく知っていることだろう。社員とのお付き合いのために、どれほど彼らが犠牲になったか。果たしてどちらが大事なのか、と問われても仕方がないほど、社員と子供を天秤にかけても社員に傾くことが多くなったと言えるほど、優先順位は変わっていく。つまるところ、自分は必要がある方、より緊急度が高い方に、真っ先に飛んで行っていたのだ。その結果、いつしか我が家では子供たちの誕生日を祝うことも少なくなってしまった。その代わりと言っては何だが、海外にいく度に、できるだけ子供を連れていくことにした。一緒に旅をすることにより、少なくとも父親の背中を見ることができるかもしれないと期待したのだ。それら同伴旅行の数は何十回にも上るが、社員と一緒に旅をした回数も、それに勝るとも劣らず多いのには驚く。旅は道連れ世は情け。少しでも時間を一緒に過ごすのが、家族の証ではないのか。

しかしながら、時代は変わった。昨今では、あまり社員と深く関わらない方が良いような風潮が社会に漂っている。家族ということは、距離が近くなる。その結果、時には感情的なトラブルもおこりうる。誰でも経験しているようなことだが、実の父と仲が悪かった時期が少なからずあるのではないだろうか。「お父さんなんか、大嫌い!」なんて思いは、ティーンエージャーなら誰でも一度は思ったことがあるはずだ。その家族間のわだかまりは大人になってからも中々払しょくできず、父親との溝がなかなかうまることがない。そして父親が亡くなった時、はじめて父という存在がちょっぴりありがたく思え、理解できるようになる人も少なくないと思う。もしかして自分も、会社から消え去った時にはじめて、うるさい会長の存在というものが、少しはみんなのために頑張ったまともな人だった、という評価に代わるのかもしれない。

そんなこと、たらたら考えていたらきりがない。やはり自分は自分らしく、社員を家族と思って教育することに努めることが大事と考える。良くできた社員をほめ、でたらめな仕事をした社員を叱り、とにかく子供を諭してきたように、社員も同じ目線で教え続けることに徹したい。社員を叱ることは、パワハラでもなんでもない。成長の過程において、きわめて重要なプロセスとみる。聖書にも書いてある。「自分の僕を若い時から甘やかしていると、後になって感謝の念のない者となる。」決してそうあってはならない!どうでもいい人なら、見向きもせず、関わる必要がない。よって深く関わり、教えたり叱ったりすることこそ、自分の愛情の表れなのだ。自分の気持ちが続く限り、忍耐をつくして、社員のために何でもできることを手掛けていく。つまるところ、会社の経営とは家族愛を実践し、あらゆる我慢を耐え忍ぶことにつきる。たとえどんな非難を受けようとも。

Rick - 中島尚彦 -

1957年東京生まれ。10代で米国にテニス留学。南カリフォルニア大学、ウォートン・ビジネススクールを経て、フラー神学大学院卒。GIT(Guitar Institute of Technology)第2期生のギタリスト。80年代にキリスト教会の牧師を務め、音楽ミニストリーに従事しながら、アメリカで不動産会社を起業。1989年、早稲田でライブハウス「ペトラクラブ」をオープン。1993年千葉県成田市でサウンドハウスを創業。2001年、月間地域新聞日本シティージャーナルを発刊。主幹ライターして「日本とユダヤのハーモニー」の連載をスタートし、2010年よりwww.historyjp.com を通じて新しい切り口から古代史の流れをわかりやすく解説。2023年、一般財団法人サウンドハウスこどものみらい財団を創設し、こどもたちの支援にも従事。趣味はアイスホッケー、ピアノ演奏、トレイルラン、登山など。四国八十八ヶ所遍路を22日で巡る。グループ企業の経営指導に携わるかたわら、古代史の研究に取り組み、日本のルーツ解明と精神的復興をライフワークとする。

 
 
 
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