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長年にわたる種まきの結末 誰も知らない素晴らしい収穫の行方はいかに!

2022-12-05

テーマ:サウンドハウス創業者のコラム「Rickの本寝言」

Rickの本寝言 サウンドハウス創業者が本音をついつい寝言でつぶやく!

このコラムでは、脳裏の隙間に浮かぶ夢想を、走馬灯を見ているかのごとく、ありのままに綴っている。いったん書いたことは、読み返すこともなく、何を書いたかも覚えてないことが多い。それでも、この「本寝言」を楽しみしている読者が多いということで、微力ながら「継続は力なり」の精神をひたすら貫く思いで今日も筆をとった。

ある時、草ぼうぼうの雑草地を手にすることになった。一見、どうしようもないように荒れ果てていたが、せっかく取得したので、一生懸命耕して、畑にすることにした。そして種を集め、ひとつずつ自分の手で植えていきながら実りを期待した。周囲にはあざ笑う人が多かった。そんな雑草地で、農作業の「いろは」もわからん奴が、何ができるかと。それでも何とかなると信じて、わき目もふらず種を植えていった。

するとどうだろう。思いのほか短期間で、見違えるほど畑らしくなってきたのだ。そしてその収穫に預かりたく、一緒に種まきをしたいと申し出る人達が現れるようになった。「お、これはほんまもんかもしれん!」と、種まきにも力が入る。

ところが種まきに参加する人達が増える中、その作業の大変さを知らず、いざやってみてすぐに嫌になり、収穫した実をかじった直後に消えていく人たちがいた。中には、せっかくきれいに整備された畑を踏みにじっていく人もいた。なぜ、そんなことをするのだろうかと首をかしげてしまうことも多々あった。また、収穫の実を期待するあまり、今度は自分で別の畑を耕そうとする人もいた。それも大変なことだ。

それでも種まきは続いた。そして働き手は増え続け、畑中が人で一杯になってきた。そしてよくよく見ると、中には種まきをしたがらず、収穫の実だけ集めたいという人がいることがわかった。一緒に汗水流して種まきをし、苦労を共にしながら、実を得ることが大切なことなのに、思いのほか、苦労する体験を嫌い、手を染めるだけに留めているのだ。せっかく大きな感動と喜びをもたらすことができる実り多き畑なのに、もったいない。

そうこうしているうちに、だんだん自分も歳をとってきて、種まきを続けるには足腰が辛くなってきた。それでも収穫の実を欲しがる人が多くなったことから、何とか種まきだけは続けたいと願い、以前にも増して、情熱を込めて種をまき続けた。やはり自分でやるしかない仕事なのか、一度手をつけると収穫が終わるまでじっとはしていられない。最後の収穫まで、確実に結果を出そうと心が弾む。

こうして泥まみれに手を汚しながら一生懸命畑で働いている時、ふと、一緒に働く仲間には、3種類の人たちが存在することがわかった。ひとつは、単に実りの結果だけが欲しく、熱くも冷たくもなく、収穫だけに手を付けている人達だ。もうひとつは、熱い気持ちは確かにあるのだが、周囲の目が気になり、自分のやりたいこともあることから、思うように行動が伴わず、結局、泥くさい種まきに着手できずに結果をうまく出せない人たちだ。せっかく気持ちがあるのに、もったいない。そして最後は、収穫に預かるために、一緒に種まきに汗を流し、その後もとことん情熱を燃やし、最後の収穫まで手伝ってくれる人だ。同志が存在することは、その人がどんな背景をもっているかに関わらず、有無を問わず嬉しい。

どんな人が、どう手伝ってくれるにせよ、一度実がなった畑は、そう簡単に放置するわけにはいかない。何せ多くの人が、その畑から産出される収穫を期待し、喜んでいるからだ。だから継続して種をまきつづけ、収穫のために働く。たとえ手伝う人がいても、いなくても、そんなことはもはや関係ない。一度開拓し、種まきをした畑から良質な実が採れるようになったのだから、その畑を大切に守っていかなければならない。

こんな見事な収穫ができる畑を、今後は誰が汗をかきながら耕して、種を植えていくのかは知る由もない。大変な労力を伴う農作業だが、その畑から採れる実を喜んでくれる人がいるからこそ、それがきっと励みになるはずだ。そんな思いを持ってくれる人が、あともうひとり、ふたりいるならば、この畑は雑草地に戻ることはない。むしろいつか、大地主がやってきて、買い取ってくれるかもしれない。その時、この畑で働く人たちは、きっと潤うことだろう。しかも継続して畑仕事を楽しめるだけでなく、自分の畑さえ持てる時がくるかもしれない。

長年にわたり鎌をふりかざし、畑を耕してきたこともあり、体のあちこちがきしんできた。よく、ここまでもったものだ。我慢も大事だし、周りから蔑まれても、ひたすら自分の思いを貫き、頑張ってきた結果とも言える。体はボロでも心は錦!これからも我慢は続く。それでもやはり自分は所詮よそ者か、決してこの畑に骨をうずめたいとは思わない。そして自らの種まきは、やがて終焉を迎える。この先、畑がどうなるかは、今もって、誰も知らない…

Rick - 中島尚彦 -

1957年東京生まれ。10代で米国にテニス留学。南カリフォルニア大学、ウォートン・ビジネススクールを経て、フラー神学大学院卒。GIT(Guitar Institute of Technology)第2期生のギタリスト。80年代にキリスト教会の牧師を務め、音楽ミニストリーに従事しながら、アメリカで不動産会社を起業。1989年、早稲田でライブハウス「ペトラクラブ」をオープン。1993年千葉県成田市でサウンドハウスを創業。2001年、月間地域新聞日本シティージャーナルを発刊。主幹ライターして「日本とユダヤのハーモニー」の連載をスタートし、2010年よりwww.historyjp.com を通じて新しい切り口から古代史の流れをわかりやすく解説。2023年、一般財団法人サウンドハウスこどものみらい財団を創設し、こどもたちの支援にも従事。趣味はアイスホッケー、ピアノ演奏、トレイルラン、登山など。四国八十八ヶ所遍路を22日で巡る。グループ企業の経営指導に携わるかたわら、古代史の研究に取り組み、日本のルーツ解明と精神的復興をライフワークとする。

 
 
 
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