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シンセサイザー鍵盤狂漂流記 その108 ~音楽的ルーツ サイモン&ガーファンクル~

2022-12-05

テーマ:音楽ライターのコラム「sound&person」, 音楽全般

アメリカ フォークロックの雄 サイモン&ガーファンクル パートⅠ

サイモン&ガーファンクルはアメリカのフォーク・ロックデュオ。ポール・サイモンの文学的かつ繊細な楽曲とアート・ガーファンクルのハイトーンボイスの組み合わせが一世を風靡し、多くのヒット曲を世に出しました。

私の音楽的ルーツ サイモン&ガーファンクル

私がサイモン&ガーファンクルの音楽に触れたのは小学校6年生、12歳の時でした。
友人宅に遊びに行き、そこで聴いたのが「ボクサー」でした。アウトロ部分のスキャットメロディの「♪ライラライ~」の一節が一度聴いただけで頭から離れなくなりました。
その後、私は父にステレオをねだり、サイモン&ガーファンクルの『明日に架ける橋』を購入しました。
子供の頃に受けた音楽的感動や影響は今でも続いていますし、「ボクサー」を聴くと当時のシーンが鮮やかに蘇ってきます。まさに音楽の力です。
柔らかで何でも吸収する子供の感性は全ての人が平等に備わっていますが、いつの間にか消えてなくなります。これもほぼ平等に…あの頃の感覚を今も持ち合わせていればと思う、今日この頃です…。
子供の心に踏みとどまる要素を残し、大衆に支持されるというのは彼らの音楽にある種の普遍性があったことに他ありません。
この普遍性がどの辺りにあるのかを含めパートⅠではサイモン&ガーファンクルの音楽に付いて考えてみたいと思います。

サイモン&ガーファンクルの歴史

ポール・サイモン(vo、g)とアート・ガーファンクル(vo)は1964年にニューヨークで結成されたフォークロックデュオ。以前に結成された“トム&ジェリー”に端を発する。
『水曜の朝、午前3時』でデビュー。ニュー・シネマと言われた67年のマイク・ニコルズ監督の映画『卒業』で音楽を担当する。70年、『明日に架ける橋』でグラミー賞を4部門受賞。ポール・サイモンの独自の視点による歌詞と音楽性にアート・ガーファンクルとの美しいハーモニーで世界的名声を得るも、同年に解散。90年、ロックの殿堂入り。
素晴らしい彼らの経歴はアメリカ音楽の歴史に刻まれている。

「サウンド・オブ・サイレンス」から見えるポール・サイモンの世界

だれもが知っているサイモン&ガーファンクルの名曲「サウンド・オブ・サイレンス」。この楽曲を切り口にしてポール・サイモンの音楽を考えてみようと思います。

■ 推薦アルバム:サイモン&ガーファンクル『水曜の朝、午前3時 』(1964年)

サイモン&ガーファンクルのフォーストアルバム。商業的には成功することなく、失意のポール・サイモンはイギリスに向かうことになる。しかし、その種はこのアルバムにあった。それがかの有名な「サウンド・オブ・サイレンス」。この楽曲がサイモン&ガーファンクルの世界的成功の端緒になる。

推薦曲:「サウンド・オブ・サイレンス」

Hello Darkness My Old Friend… 「こんにちは暗闇、僕の古い友達…」冒頭の歌詞からポール・サイモンの内面を象徴するかのような内容だ。実際、ポールは精神疾患を患い精神科医にかかっていたことは有名な話だ。傷つきやすく繊細な青年が作る歌詞はポール・サイモンの楽曲に様々な面で反映されている。ポールの幾層にも重なる心の襞から紡ぎ出される世界こそがサイモン&ガーファンクルの音楽的魅力なのだと思う。サウンド・オブ・サイレンスはポールの持つ世界観の一端ではあるものの、ポール自身を象徴したものであると思う。逆に「I am a rock」など、そんな自分を励ますような楽曲、も多いがポールの音楽を聴く時に彼の心に想いを馳せるとより一層、ポールの音楽の深みを垣間見ることができるような気がする。

私はファーストアルバムの「サウンド・オブ・サイレンス」のほうが好みである。こちらの方がアコースティックであり、二人のハーモニーがより際立っているし、オリジナル曲の方がこの「サウンド・オブ・サイレンス」の歌詞をより的確に表しているアレンジだと考えるからだ。

■ 推薦アルバム:サイモン&ガーファンクル『サウンド・オブ・サイレンス』(1966年)

ファーストアルバムのトラックである「サウンド・オブ・サイレンス」のオケに電気楽器とドラムをオーバーダブした「サウンド・オブ・サイレンス」のシングルが全米1位の大ヒットを記録。ファーストアルバム「サウウド・オブ・サイレンス」のエレクトリック化だ。それを受けて僅か3週間で制作された2作目。
1965年当時はエレクリック(ロック)か、アコースティック(フォーク)かの議論が吹き荒れていた。ボブ・ディランがフォークコンサートにエレキギターを持ち、ポール・バターフィールドの電化バンドを従えて「ライク・ア・ローリング・ストーン」を歌い、聴衆から非難を浴びた時代だ。
今考えれば「くだらない」と思えるが、そういう風潮の中にサイモン&ガーファンクルの音楽も晒されていたといえる。フォークをロック?に変換したプロデューサの慧眼が賞賛されるべきなのか?そんなことは今となってはどうでもいい事なのだが…。
サイモン&ガーファンクルはその電化により名を全米に広めることになる。このアルバムは143週に渡ってチャートに留まった。活動をあきらめかけていた2人にとってある種想定外のアルバムとなる。

推薦曲:サウンド・オブ・サイレンス

ニューヨークのラジオステーションがサイモン&ガーファンクルのファーストアルバムの「サウンド・オブ・サイレンス」をオン・エアーしたところ、評判の良さを聞きつけたレコードプロデューサーが2人に確認を取らず、勝手にドラム、ベース、エレキギーターなどをベーストラックにダビングし、よりポップで8ビートな仕様にしたところ、爆発的ヒットにつながったという誰もが知っている名曲。

この詩の世界には目を見張るものがある。生き馬の目を抜く、閉塞感の強いニューヨークに住むポール。心の闇を描き出したこの詩をポール・サイモンが20歳そこそこで書いていたと思うと驚きを禁じ得ない。この青年に多くのリスナーが共感し、全米を制したのだろう。 そこに加わる美しく、キャッチーな楽曲…。マイナーキーのギターアルペジオにはヒット曲に繋がる魔法の音列が隠されているのかもしれない。


今回取り上げたミュージシャン、アルバム、推薦曲

  • アーティスト:ポール・サイモン、アート・ガーファンクル
  • アルバム:「水曜日の朝、午前3時」「サウンド・オブ・サイレンス」
  • 曲名:「サウンド・オブ・サイレンス」

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鍵盤狂

高校時代よりプログレシブロックの虜になり、大学入学と同時に軽音楽部に入部。キーボードを担当し、イエス、キャメル、四人囃子等のコピーバンドに参加。静岡の放送局に入社し、バンド活動を続ける。シンセサイザーの番組やニュース番組の音楽物、楽器リポート等を制作、また番組の音楽、選曲、SE ,ジングル制作等も担当。静岡県内のローランド、ヤマハ、鈴木楽器、河合楽器など楽器メーカーも取材多数。
富田勲、佐藤博、深町純、井上鑑、渡辺貞夫、マル・ウォルドロン、ゲイリー・バートン、小曽根真、本田俊之、渡辺香津美、村田陽一、上原ひろみ、デビッド・リンドレー、中村善郎、オルケスタ・デ・ラ・ルスなど(敬称略)、多くのミュージシャンを取材。
<好きな音楽>ジャズ、ボサノバ、フュージョン、プログレシブロック、Jポップ
<好きなミュージシャン>マイルス・デイビス、ビル・エバンス、ウェザーリポート、トム・ジョビン、ELP、ピンク・フロイド、イエス、キング・クリムゾン、佐藤博、村田陽一、中村善郎、松下誠、南佳孝等

 
 
 
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