Cheena:3万円以内で簡単にPlaytechを改造する方法を考える、Twitter企画「#30kPlaytechChallenge」開催中!
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今回は他メーカーの追随を許さないセミアコ、SA10/20/30/500です。
PLAYTECH ( プレイテック ) / SA10 TBK
PLAYTECH ( プレイテック ) / SA20 Green
PLAYTECH ( プレイテック ) / SA500 Flame Natural
レギュレーションは以下の通り。
- 木材には出来る限り手を入れないこと。
- 多少の穴開け、リーマーでの拡張など簡単な加工なら可。
- 基本的に実際の楽器に収まる範囲で考えること。
- 3万円は楽器本体の価格は含まない。
- できる限りぶっ飛んだものを作ること。
以上。
今回は穴あけに難があるお題ですね…なお、セミアコは全ての電装品をFホールから入れて固定しているため、サイズ的な制約もあります。
ネモト:常に不安だがやるしかない。
と、いうわけで早速。ベースはSA20。
VIBRAMATE ( ヴィブラメイト ) / V7-LP Mounting Kit C
2点合計 ¥28,580(2022.9.5現在の価格)
エピフォン・カジノVTが好きなんでその辺を狙いました。カジノと異なりセミアコだからP-90のソリッドさがより際立つはず。差別化もできますし、個人的にビグスビーのビブラートユニットが信用できる。ビブラメイトはなくても可。
Cheena:やはり外装にこだわる形になってしまいますか…
とはいえ、普通にBigsbyのロングタイプを積むのはいいですね。SA20のちょっと重心低めの見た目にはLes TremやFRXよりブランコテールピースやB7が似合う気がします。
私はSA30ベースにしてみましょう。
DIMARZIO ( ディマジオ ) / DP167D BLACK P90 ドッグイヤー
ドッグイヤーは選択肢が少ないですね。ダンカンとディマジオで迷いましたがエイジドでは周囲のパーツとバランスが取れないと判断してここはディマジオに。
Fホールから出したポットからピックアップワイヤーを取り、ピックアップキャビティ側から引き抜いて交換することになります。ポットを戻すのが鬼門ですが、それは2つしかないしまあ…という感じ。2ピックアップの4ノブ+セレクタだと結構面倒です。イチから組み直す時は特に。
DEL RITMO ( デル・リトモ ) / Black candy 0.022uF/630VDC
どうせ電装全部引き出すので多少改修。DP137Dは元から甘めの音をしていることから、黒飴は0.022μFに設定。低音がくどくならないようにします。
ジャックはお好みですが、やはり間違いないのはこれかと。
Pure Tone Jack ( ピュアトーンジャック ) / PTT1
緩まないネジPerfect Lock Boltというのを応用したジャックもありますが、真っ直ぐにネジを入れられないとすぐに舐めてしまうため不安定な作業環境に向かないという問題点があります。
GOTOH ( ゴトー ) / SD90-MG-T-SL-L3R3-Nickel
ペグは見た目重視に。機能性はともかくキーストーンは格好いい!
4点で合計は24,618円(2022.9.5現在の価格)になります。
弦の指定とかは特にしませんが、昔風のリズミカルなジャズギターがお好みなら3弦が巻弦のWound 3rdセット、きらめく音を楽しみたいならNashville Tuningがいいと思います。
ネモト:上手いカスタム。しかしまあセミアコのポット交換はとにかく面倒だよね…。 次は…SA20で行こう。色は黒。
DIMARZIO ( ディマジオ ) / DP283G Pole Pieces Gold
¥23938(PU×2、テールピースは終売のため参考価格)
ファインチューナーがついたセミアコ、金色のピックアップ。ルシールをイメージしました。ハードウェア全部ゴールドにしたいけど予算的に無理だった。ピックアップはノーマルで他のハードウェアをゴールドにするのもよろしいかと。ファインチューナーがついてる黒いセミアコ?ああ、ルシールか、となるかもしれない。そうなったらブルース好きと熱いトークができるかも。
Cheena:この手のファインチューナー、存在意義が不明ですけどいいですよね…。ミニハムは、計算上はP90のキャビティに入るサイズになっています。ゴールドカバーで耳付きP90なんてのはそうそうないですからね…それか、ルシールを求めるならSA500をリフィニッシュしましょう。死ぬほど面倒ってことだけは保証します。
ネモト:アーチトップのリフィニッシュとか絶対めんどくさいからやりたくない笑
Cheena:バイオリン用スクレーパーのお世話になりますね。
さて次に行きましょうか…SAシリーズ古参の500でもカスタムしますか。
しかし、あれを改造するといってもピックアップは面倒だしビグスビーは一般的だし…バックプレートをつける前提で大穴を開ければ本当に何でもできるのですが、できないものは仕方ないのでハードカスタムに走ります。
このあたりでも使おうかな。
ネモト:これも間違いのないパーツだ。
SA500か…。
BARCUS BERRY ( バーカスベリー ) / 1457
One Control ( ワンコントロール ) / Minimal Series Black Loop
2点合計 ¥16,280(2022.9.5現在の価格)
セミアコは生音もそれなりに出るし生音も割と良いから、アコギ用のPUとスイッチャーを組み合わせてどちらも使えるように。セミアコでもまるでアコギみたいにマイクを置いて生音を大きくして使っている人もまれにいる。スイッチやポットの増設でも済むんだけど、電装をいじるのは面倒なので省エネ仕様。
ただこれはSAシリーズ全部に使えるからなんか半端じゃない?と思わなくもない。
Cheena:というか、ギター全般に応用可能なカスタムですね…
ネモト:それはそうだけど、ソリッドボディでマイク立てて生音拾ってる人見たことないからなぁ。あくまで元になるものがあったからってことで。
Cheena:そうですね。GKピックアップ積むみたいな解決法ではないのでよしとしましょう。
しかし、電磁式ピックアップ全封印とするとかなり選択肢が限られてしまう…SA10にテールピース/サドル一体型ブリッジでも積もうと思いましたが、あれは4mmほどアンカー間隔が広いので厳しそうです。
いっそSA30にこれを使おうかな。
GRAPHTECH ( グラフテック ) / PS-7551-N0
「ブリッジ真っ黒だと格好いい」ぐらいの感覚で積んでいるので、ここはもうその他の主要パーツも真っ黒にしていきます。
GOTOH ( ゴトー ) / SG381-MGT-04-L3R3-Black
写真はないですが、この商品コードは”ロトマチック型(SG)、ねじ穴位置は斜め(381)、マグナムロックトラッド(MG-T)、要石型(04)、L3R3配置(L3R3)、黒(Black)”を示しています。
とはいえ、単なるこだわりであって別の仕様でもまったく問題ないです。
さすがにトラピーズ/ブランコテールピースの黒はないですね…
ネモト:ブラックパーツは歴史が短いからかこういう見た目、語弊があるかもしれないけど、オールドルックには採用され辛いんだろう。
漆黒のセミアコもカッコいいと思うけどね。
Cheena:ブラックビューティーなセミアコ、時々いますよね。
黒いビグスビーとかはあったりしますが、SA30のようなアーチトップブリッジではブリッジ自体が滑って傷ができてしまう可能性があるためあまりトレモロを採用したくないという事情があります。
ネモト:ギターはわからないけど、黒いセミアコはワーウィックにあったような。
スタッドで固定しないブリッジが滑るという話は目から鱗。言われてみると確かにそうなる。私もまだまだだわ…。
Cheena:あ、少し言葉足らずでした。
GibsonやGuildで、固定型でもローラータイプでもないブリッジにBigsbyを導入する例は時々ありますけど、激しいアーミングに対する不安はありますし、プロの手によらない交換であればフィットしておらず余計に傷の可能性がある、という程度の話で。
ネモト:なるほど。ああいうブリッジって何故かわからないけどオクターブチューニングが合ったりするから不思議。
次はSA10をもとにやりまーす。
DIMARZIO ( ディマジオ ) / Tone Zone & Humbucker From Hellセット
2点合計 ¥27,063(2022.9.5現在の価格)
ラウドなPUとサスティーンが伸びるブリッジを組み合わせることにより派手な音に。セミアコも人とセッティングによってはレスポールよりロックな音を出すので、そういうイメージで。
ブリッジはこれが合うのかわからないです。いくつかサイズというかバリエーションがあるので計測してから買って下さい。
Cheena:ピックアップ交換が来ましたね。セミアコはハウリング耐性がソリッドに比べ低いので、ピックアップキャビティにスポンジを詰めたりしてもいいと思います。
ちなみに、Fホールに布を詰めてハウリング対策とする手法もありますが…見た目がちょっとアレです。
ネモト:PUに手を出さないとネタが続かないのだ…。交換する時に1番困るのはジャック。ポットやPUはまだやりやすい。ポットを外す前に糸か何かを結ぶ、つまりタグをつけておくと組み付ける時に糸を引っ張り上げればちょうどいい場所にポットが来るので楽。ジャックはこれがなかなか難しい。PE0.4号とか使えば不可能ではないと思うけど。布をぎゅうぎゅうに詰め込むと音は悪くなるし湿気を吸って臭くなるのでやり過ぎに注意です。少しづつ増やしていくといいでしょう。
※PE0.4号……ポリエチレン製の釣り糸の細目のもの。テグス。
Cheena:そうですね…ジャックは外す前に6角レンチを2本差して、ボディ内でT字になるように固定してテープを巻いて糸を付けるといいと思います。レンチをうまいこと持てればボルトも回しやすい。
そうだ、私が逆ナッシュビルと呼んでいるカスタムを紹介しますか。
まずピックアップは低音が弱め~フラットで、なおかつ弦ごとの補正がされてないもの(例:フラットポールピース、ラウンドブレードタイプなど)がお勧めです。
張る弦は軽いものを2セット、E2-A2-D3-G2-B2-E3にセットします。つまり上3弦が1オクターブ下がるんですね。
この3弦に対して、E~D弦を使用するか、A~G弦を使用するかはお好みでどうぞ。前者は張力が強くなりますが音質や手触りの差がなく、後者では張力が緩いものの1弦(E3)がプレーン弦になってしまうことによる差があります。
楽器自体のカスタムとしてナットの溝を切るのが必須となるほか、Gotohマグナムロックあたりはポスト穴の径が弦ごとに変わっているため注意が必要です。
また、弦ゲージを変えないまま逆ナッシュビルチューニングをするとネックが結構曲がりますので補正してください。
ネモト:なんというかうまく表現できないが、脳内でブルージーなプレイをする黒人が思い浮かんだ。見た目だけならB.B.Kingとか。
Cheena:甘いリードプレイに向くかどうかは……奏者の技量次第ですね。
個人的には、「リズムプレイによく合い、味わいとしても弾き心地もバリトンギター風だがバリトンや本職の低音よりすっきりしている」という感じです。
ネモト:なんというか職人だね。
次は…SA30でやります。
SEYMOUR DUNCAN ( セイモアダンカン ) / Antiquity Retrospec'd P90 Dog Ear Neck Black
GRAPHTECH ( グラフテック ) / PS-7551-N0
2点合計 ¥24,380(2022.9.5現在の価格)
簡単なグレードアップってところでしょうか。
SDアンティキティで甘く太い音に変え、弦高調整可能なブリッジに変更、フロントPUをもう2cmくらい前にマウントしたらいいジャズギターになれたんじゃないかなあ、と思うけどマウント位置の変換はかなりの大工事なので…。
Cheena:できるかどうか不明ですが一応手段はありますね。 それなりに重い加工です。
KENT ARMSTRONG ( ケントアームストロング ) / HJGN3 Chrome
GUILD ( ギルド ) / Guild Dearmond RHYTHM CHIEF 1100
これらのネックマウント/フィンガーボードマウントタイプのピックアップは、ネック横に溝を彫って金具とネジで止めています。つまり、ピックアップがネックエンドに密着するんですね。
ただし、指板やフレットの高さによってはピックアップを目一杯下げても弦が接触するということも考えられるため、そこは実際の楽器と相談という形でお願いします…12mmあればギリギリ接触しないぐらいかな。
なお、これらのピックアップのワイヤーはSAシリーズであればピックガードの下を通りFホールから導入して元の配線に繋げばいいと思います。
ネモト:こんなんあるんだ。知らなかった。
奥行きが25mmってことは既存のPUを取り外す必要があるかもしれないけど、これだけでいけそうだ。
Cheena:本来はピックギター(電装を持たず、アーチトップ、円形サウンドホールの代わりにFホールが両側に空いているアコースティックギター。Gibson、Loar、Grestchなどが有名)に使うものなので、形状が同じこれらはまあ大丈夫でしょう。
知名度が高くないこともあり、普通に検索するとピックが多数ヒットするので完全一致検索で調べましょう。
ネモト:ピックギターにPU付けました、みたいなギターだとダキストあたりがパッと出てくる。
Cheena:D’Aquistoもそうですし、D’Angelicoも作ってますね。とっても素敵。
ネモト:久々にジム・ホール聴きたいなあ。
Cheena:脱線が始まりますね……案外長くなってきたし、そろそろ〆ましょうか?
ネモト:そうだね。ありがとうございました!
皆様の投稿お待ちしております!
Cheena:ありがとうございました。
Twitter企画 #30kPlaytechChallenge 開催!
皆さん、改造は好きですか?好きな見た目の楽器に、こだわりのパーツと音……
やってみたい?やったことがない?
それでもそんなロマンのある妄想、Twitterで共有してみませんか?
もちろんカスタム経験者の皆さんも大歓迎!
弦楽器向けのルールはこれだけ、
- カスタムは3万円付近で作りましょう。
- 木材には出来る限り手を入れない。
- ポット増設やネジ下穴などの多少の穴開け、リーマーでの拡張など簡単な加工なら可。
- 基本的に実際の楽器に収まる範囲で考える。
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■ 対象楽器
Playtechのギター・ベース
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今回の企画、作れとか言わないのでお気軽に。開催元の我々も作っていません!
記事化された改造例はここから見ることができます!
- ST250/ST250SSH/ST250LH/ST280
- TL250/TL280
- JB420/JB420LH/JB480
- PB450/PB450LH/PH480
- LP400
- AB420
- セミアコ
- 変形型
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