朝、モーニングサテライトを見ていると、サンリオの社長が交代したという。新社長の歳は31。創業者の孫にあたる。創業者がなんと60年も会社を牽引した後の交代劇だ。その結果、経営トップが半世紀以上も若返ることになる。衝撃的なニュースだ。
なぜすごいか。まず、夢の60年に注目だ。普通の会社はおよそ40年周期でごった返すことが多い。後継者がいないために潰れる会社も多い。また、吸収されてなくなる会社も後を絶たない。世代交代も含め40年を超えて、事業が継続し、なおかつ成長し続けることは至難の技だ。そのハードルを優に超え、60年の歳月を経て次世代に突入することは、素晴らしいの一言に尽きる。
また、創業者が92歳まで陣頭指揮をとるという、超絶の長寿バイタリティーも、男にとっては夢のまた夢。男性の平均年齢は80歳少々。自分も85歳を超えて何とか、88歳までは生きたいと思っている。しかし、実の父、叔父、二人共に75歳で亡くなった。中島家の男は75歳で死ぬ??むむむ。このDNAハードルを超えるのは至難の技なのだ。しかしサンリオの創業者はそのハードルをなんと17年も超えて、バリバリで働いてきたのだ。うつつを抜かしている時ではない。自分も健康年齢の寿命を伸ばすことが、人生の夢となる。
その上すごいことは、31歳の孫がサンリオの若社長になったこと。これまで培われてきたコーポレート・カルチャーが形骸化しつつあるので、一気にデジタル化を推進し、会社を改革するという。「キティー復活」宣言も面白い。創業者が孫に、「まごまごしてないで、思い切って好き勝手にやってみろ!」とゲキをとばしているようにも見える。孫だから、可愛くてしょうがないのだろう。とはいえ、この祖父孫ペアの台頭は注目に値する。経営者の夢の夢だからだ。なぜなら、普通は自分の子供に継がせるのさえ大変であり、うまくいかないことが多い。その世代をぶっ飛んで、孫に委ねるのだから、大した度胸と決断力だ。座布団10枚!
こんな夢の交代劇を見たからには、もう、「なんもいえねー」というのが正直な心境。我がサウンドハウスもDX化、AI化を推進するため、若手に経営をどんどんと委ねていきたいと思い、ありとあらゆることにチャレンジしてきた。しかしながらDNAが違うのか、なかなか思い描いた路線にのせて、その後を見守る、というようなドラマにはならない。いつも列車は止まり、自分が石炭をくべに行き、ローカル線をトロッコのように、「シュッシュッポッポ」と進んでいく。これが自分が担う、まごまごした道筋か。
ああ。。自分に孫ができるとしたら。。。でも今の若者は結婚もしないし、子供を欲しがらない人が多い。だからまだ、生まれもしない孫が31歳になるまで待つとしたら。。。なるほど、やはり100歳までは生きなければならない。それまで会長業を続けるのか。まさに何もいえねー。単なる夢であってほしい。
