『PINK FLOYD 隠れた名盤「雲の影」〜 50 周年 〜+「Animals」』
2022/12/30(金)六本木 EX THEATER

木暮"shake"武彦氏率いる、ピンク・フロイドのトリビュートバンド原始神母による、隠れた名盤「雲の影」の再演。フロイドのアルバムの中でもニッチな部類に入るアルバムを演奏するという、実にマニアックな趣向ながら、シアターサイズのエンターテインメントとして圧巻の演奏を繰り広げた至福の時間を、先日の第二部のブログにてお伝えしました。今回は、アルバム再演に続いてさらにディープにフロイド・トリップするライブ終盤の模様をお伝えしたいと思います。
1. Another Brick in the Wall (Part Two)

言わずと知れたアルバム『ザ・ウォール』からのシングルヒット曲。前回同様ライブ・アルバム『P.U.L.S.E』のアレンジでの再演です。天井にあるライティングシステムがステージ前まで降りてきて、ステージのほとんどが見えなくなる演出がなされました。

1980~81年のフロイド版ザ・ウォール・ライブや、10年前のロジャー・ウォーターズによる再演での壁を積み上げてステージがまったく見えなくなるパフォーマンスを思い出す演出です。
原始神母のブログで毎回書いている事ですが、原始神母による『ザ・ウォール』50周年ライブを期待したいところ。ボランティアで壁を積むお手伝いをしたいくらいです!
木暮"shake"武彦さんのギターソロは前年以上の激しさで、前半で演奏したアルバム『アニマルズ』でのサウンドにも通じるところがあります。ライブならではのマニアックな楽しみができるところが嬉しいです。

2. Comfortably Numb

続いて『ザ・ウォール』からのシングル曲。『ザ・ウォール』好きの私は、何回聴いても涙が出そうなくらい嬉しい再演です。
こちらはオリジナル・アルバムに近いアレンジで、歌詞の中の浮遊感を再現。デヴィッド・ギルモアのライブDVD『覇響』にて、リリース当時はこのアレンジに反対していたギルモアが、オリジナルバージョンに近い演奏をしたという、感動的な場面を思い出しました。

ケネス・アンドリューさんの歌もDVDでのデヴィッド・ボウイの客演を思い出します。
先ほどの曲同様、『ザ・ウォール』の曲となると冷静になれないため、細かいところを思い出すのが難しいのですが、ミラーボールの輝きと共に原始神母による「コンフォタブリー・ナム」の演奏が降り注ぐのは「極上」の一言に尽きます。
さて、ライブは早くもアンコールに突入。
アンコール待ちの間、特設のステージが運び込まれます。既に原始神母のライブを体感しているファンはこの瞬間からテンションが最高潮になった事でしょう。ステージ上にブラス隊、コーラス隊が登場。何回聴いてもスリリングな究極の再演が始まります。
3. Atom Heart Mother

もう、オルガンの低音サウンドが鳴り響いた瞬間から鳥肌ものですね。3回目という事もあってかでしょうか、ブラス隊とバンドのサウンドの絶妙なバランスにより、さらにエナジー漲る演奏になっているところが実に感動的です。


「父の叫び」のパートにおいて高貴なブラスを、ロックなオルガンがコーティングし、木暮"shake"武彦さんのギターはアフロディーテでのギルモアを思い起こさせます。

鐘の音と共に厳かなコーラスが盛り上げていく「マザー・フォア」、今回は少し『アニマルズ』を連想させる木暮"shake"武彦さんのアナーキックなギターソロがシアターに襲い掛かる「むかつくばかりのこやし」(これ本当にカッコよすぎでした)等々、まるで初めてこの曲の再演を体感しているのかと錯覚する演奏でした。

4. Summer’68

同じくアルバム『原子心母』からのナンバー。リチャード・ライトによる、人懐っこいメロディーと高貴なブラスが入り混じる明るいナンバーですが、冨田麗香さん、高樹リオさんによるグルーヴィーなコーラスがさらなる幸福感を与える再演です。ここに集まった出演者とファンがともに、来る原始神母の2023年を祝福するような、実に楽しいエンディングでした。至福のサマー・アンセムで幕を閉るかと思いきや!
5. Run Like Hell

最後は「ザ・ウォール」からと個人的にも感動的なエンディングです。扇田裕太郎さんがギルモア、ケネス・アンドリューさんがロジャー・ウォーターズのパートを歌っていました。
先ほど同様、『ザ・ウォール』の曲となると冷静になれないため細かい部分が記憶できてなくて申し訳ございませんが、もう頭の中は、原始神母の『ザ・ウォール』50周年記念再演ライブへの期待でした。原始神母による「マザー」、「ヤング・ラスト」とどんどん妄想が膨らみます!

以上、ライブの追想録を3回に分けてお伝えしましたが、2023年の初夏には、タイトルだけで失神ものの、全ファン待望の一大トリビュートイベントが開催されます。これまで同様、第三部ブログのペンを置く前に、当日フライヤーでも告知されていた2023年06月18日のライブの情報について再度触れてみたいと思います。
『THE DARK SIDE OF THE MOON 50th ANNIVERSARY 狂気50周年記念イベント 日比谷野音でPINK FLOYD TRIPS』

説明不要の名盤、『狂気』の再現に加え、ライブ映像作品『ライブ・アット・ポンペイ』の再現も含まれるという、圧巻の組み合わせです。夕陽を浴びながらの「太陽賛歌」、夜風に包まれながら「アス・アンド・ゼム」が聴けると想像しただけでテンション上がります!
フロイド・ファンのみならず全UKロックファン、極上の夏をトリップすべし!
原始神母、「PINK FLOYD 隠れた名盤『雲の影』~ 50周年 ~『Animals』」
原始神母 メンバー(敬省略)
木暮"shake"武彦(Guitar)
三國義貴(Keyboards)
大久保治信(Keyboards)
扇田裕太郎(Bass, Guitar, Vocals)
柏原克己(Drums)
ケネス・アンドリュー(Lead Vocals)
冨田麗香(Chorus)
高樹リオ (Chorus)
最後に!サウンドハウスで取り扱っているフロイド心をくすぐるアイテムをここでもひとつ!
Right On STRAPS ( ライト・オン・ストラップス ) / PRISMA / Unique
ピンク・フロイドのアルバム「The Dark Side of the Moon」の有名なジャケットからインスピレーションを得て、制作されたストラップ。「Any Color You Like」を弾きたい。