ミキサーを初めて購入しようと検討中の人へ向けて、便利な情報をお届けしたいと思います。実際に「この機能って何だろう?」「どう使うもの?」というご質問もあり、できるだけ分かりやすく説明していきたいと思います。
今回は、2TRACK TAPE IN / OUTについて解説したいと思います。

近年は、テープデッキをほとんど見かけなくなりましたので、TAPE INとは昔の名残の呼び名で、現在この端子を使う場面とすれば、DVD・CDデッキや、PC・スマートフォンからYケーブル経由で入力されることが多いかと思います。その他にも使い方があり、特徴を理解し、上手く活用すれば便利です。
大きな特徴としては、テープデッキを接続することを目的としていますので、テープデッキのようなアナログ民生機器の基準レベル(-10dBV)で、信号の受け渡しができる点があります。それがどういうことかと言いますと、テープデッキの基準レベル信号はかなり小さいレベルです。以下に業務用アナログ放送機器との比較を示します。
機器 | Vr.m.s | dBu | dBV |
---|---|---|---|
業務用 アナログ放送機器基準レベル |
1.23 Vr.m.s | +4dBu | (+1.8dBV) |
民生用 アナログテープ機器基準レベル |
0.316Vr.m.s | (-7.8dBu) | -10dBV |
電圧比でいうと、かなり違いがあります。
逆に言えば、業務用機器の出力を接続してしまうと、音が酷く歪んだものになり、場合によっては機器にダメージを与える場合もあります。ミキサーに2-TRACK TAPE IN / OUTが搭載されている場合、上記のことを理解した上で上手く利用していきましょう。
それでは、現行モデルでもこの2-TRACK TAPE IN / OUTが搭載されているミキサーを紹介していきたいと思います。
①MACKIE ( マッキー ) / MIX8
コンパクトアナログミキサーの元祖と言えば、「マッキー」ブランド。
これは外せません。ブランド創業から30数年、PAをやっている方なら言わずもがな。ブランドマークの「マッキーポーズ」、機材好きな方なら一度は真似したことがあるのでは。
元祖だけに歴史を脈々と受け継いでいるようで、ちゃんと2-TRACK TAPE IN / OUT搭載されています。
端子の横に2つのボタンがありますが、これもよく見かけるものです。
TAPE INで入力した信号の送り先を指定できるという仕掛けです。
1. TO CR / PHONES:
CRとは、コントロールルームの略です。このミキサーではCR OUTが付いているので、その文字のとおり、CR OUT及びPHONES OUTへTAPE INの信号を送ることができます。
例えば、録音した音源の確認をTAPE INからヘッドホンやモニタースピーカー(CR OUT)で行うことができます。
2. TO MAIN:
文字どおりMAIN OUTにTAPE IN信号を送るかどうかの設定をします。このボタンをONにする場合に注意しなければならないのは、信号ループ/フィードバックの問題です。TAPE INを介してモニター(ヘッドホン等など)している場合、信号ループが起こるため、そのような使用方法は避ける必要があります。
上手く利用すれば、幅が広がります。
②CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / AM802FX
サウンドハウスのブランド、CLASSICPROです。
アナログミキサーのシリーズとしてAMシリーズがラインナップされています。
2-TRACK TAPE IN / OUTの特徴としては前述したマッキーのミキサーと同様です。
コストパフォーマンスから、まずはこのミキサーから始めてみるのはいかがでしょう。
「アナログミキサーの使い方」では、以下ブログも参考にしていただければと思います。
⇒ アナログミキサー Soundcraft Notepad-5 -ギター録音編-
以上、アナログミキサーの使い方「2-TRACK TAPE IN/OUT」編でした。