前回、AUXを使った外部エフェクターの使用方法を紹介しました。
→アナログミキサーの使い方 AUX編
今回はその続きです!
その前に、、、
前回、例に上げたYAMAHA MG12には、リバーブやディレイなどのエフェクターを内蔵したMG12XUがあります。

他メーカーでも、エフェクトを内蔵したミキサーが各種発売されています。
SOUNDCRAFT (サウンドクラフト) / EFX8 アナログミキサー
BEHRINGER (ベリンガー) / XENYX QX1204USB アナログミキサー
PRESONUS ( プレソナス ) / StudioLive AR12 USB ハイブリッド・アナログミキサー
MACKIE (マッキー) / MIX12FX アナログミキサー コンパクト
ALLEN&HEATH (アレンアンドヒース) / ZED-6FX アナログミキサー エフェクト搭載
MG12XUでは、AUX2にFXの表記が足されていることからもわかるように、各チャンネルから内蔵エフェクターへ信号を「センド」することができます。

→YAMAHA シーン別アナログミキサーガイドページはこちら
チャンネルから「センド」された信号は、SEND MASTERを経由して内蔵エフェクターに入り、エフェクト音は、右から3つめのフェーダー「FX RTN」に立ち上がります。(☆印)

入力チャンネルと同様に、アサインボタン「ST」を押せばメインへエフェクト信号が送られます。外部エフェクターを使用しない分シンプルですが、信号の流れは前回とほぼ同じであることがわかると思います。
さて、長い前置きとなりました。本題に入ります。
前回「後ほど説明する」ともったいぶった「PRE」ボタン。これは「センド」する信号の分岐点をチャンネル・フェーダー(ボリューム)の「前」にするか「後」にするかを設定するためのものです。
AUXツマミに「MONITOR」「MON」と表記された機種もあるように、AUXセンドは演奏者へのモニター送りにも使用されます。その際にはPREボタンを押します。なぜでしょう?
順番にセッティングしていきましょう。
例えば、1chにボーカル、2chにギター、3chにベース、4chにキーボード、5-6chにパーカッションが入力されている状態で、ボーカルへモニターを返すことを想定してセッティングしてみましょう。ボーカルへはAUX1を使用してモニターを返します。
まず各チャンネルのAUX1ツマミを上げ、すべての楽器をざっくりミックスして音を送ります。もちろんボーカルも送ります(これが一番大事)。ボーカルの希望に合わせてギターを下げたり、ベースを上げたりと調整。OKがでたら、モニターミックスは完了です。
さて、メインアウトから出力されるミックスは、リハーサルだけでなく本番中にも、曲や演奏に合わせて変更されます。AUXの分岐点がフェーダーの後ろにあったとしたら?そう、メインミックスを変更すると、モニターのミックスバランスも変わってしまうのです!
モニターバランスが、影響を受けないようにフェーダーの前で信号を分岐すれば解決します。そのためにPREボタンを押すのです。この設定をプリフェーダーと呼びます。

☆ Point1 ☆
PREボタンを押す→プリフェーダー→モニター用
PREボタンを押さない→ポストフェーダー→エフェクト用
モニターにリバーブをかけられる機種もあります。YAMAHA MGP12Xは、エフェクトのリターンチャンネルにもセンドツマミが装備されています。このツマミを上げることによってAUX1、AUX2へエフェクト信号を送ることができます。

入力チャンネルからAUX1とFX1に信号が送られ、最終的にミックスされます。バンドをやられている方なら、リハーサル時にボーカルが「リバーブもう少しください」なんて言っているのを聞いたことありますよね。そんなときは、FX1 RTNのAUX1をグイっと上げましょう。
混合機と訳されるミキサー、実はスプリットすることも得意。そして最終的にやはりミックスをするのです。こういった信号の流れを頭の中で想像することができれば、デジタルミキサーも怖くありません!
では、また次回!
とりあげてほしい題材などありましたら、リクエストをお待ちしています。