ステレオミニ3.5mmと言えば、イヤホン、ヘッドホンなどでよく見かけるプラグです。
「ミニ」「ミニプラグ」「3.5mmプラグ」とかと言うと、おおよそTRS/3極のプラグを想像される方が多いかと思います。

ステレオミニ3極
昨今では3極のみならず、4極のプラグが市場でも見かけられるようになりました。

ステレオミニ4極
ただこの4極プラグですが、規格が曖昧な部分もあり、さまざまなタイプのピンアサインが存在するため、機器間の信号伝達でトラブルが起きるという由々しき事態を目の当たりにすることがあります。
今回ステレオミニ4極プラグの極意と題しまして、少し考察を深めていきたいと思います。
■ 4極プラグの代表的なもの2種類
TRRS/4極ですが、大きく分けて2つの仕様があります。
まずは以下の画像をご覧ください。

CTIA規格 vs OMTP規格 です。
ご存じの方も多いと思いますが、iPhone方式なのか、それ以外なのかということで規格が分かれています。
違いは単純で、グランドとMICのピンアサインが違います。
- CTIA規格は R2:GND(-)、 S:MIC(+)
- OMTP規格は R2:MIC(+)、 S:GND(-)
(※R=RING、S=SLEEVEの略です。R2はRINGの2番目という意味です。)
CTIA (Cellular Telephone Industry Association) は、iPhoneを筆頭に一部スマートフォンで使用されている規格で、略称に「I」の文字が入っているので、CTIAはiPhone系の規格と覚えておいてください。
OMTP (Open Mobile Terminal Platform) は、一部Android系スマートフォンなどに対応する規格となります。
最近では、このピンアサインを入れ替えるためのアダプタなども市場に出ており、上手く利用するためにも、上記のようなピンアサインと名称をしっかりと確認しておくことが必要です。
さて、この他にもバランス方式、映像用のものがあります。
併せて、こちらも確認していきましょう。
■ バランス方式
SONY「MDR-1A」のヘッドホンでは左右独立バランス方式で結線されています。
下記画像はオヤイデ電気から出ているリケーブル用プラグのピンアサインです。

出典:オヤイデ電気
このように左右独立バランス方式で信号伝送する場合もあるため、こちらも知っていると知らないでは違います。
こういうピンアサインの4極も存在しているんだ、という認識があれば、誤った使用方法でトラブルになることも未然に防げるかと思います。
■ 映像用
まずは映像のピンアサインの成り立ちを少し整理しておきます。
下記画像を見てください。

コンポジット
映像系のケーブルは、必ずと言ってよいほど映像端子様に黄色のRCA端子が付いています。
一般的には
黄:映像
白:音声(L)
赤:音声(R)
「3極+アース」で、4極プラグに変換しています。
他にも色が違うものや、音声のアサインが反対のものも時々あるようですが、あまり一般的ではないという印象です。
映像用の4極プラグについて調べてみると、ピンアサインの規格の統一がなされてないために、まさに「沼」状態であることが分かりました。
具体的にプラグの販売ページを見ると、「規格が統一されていないため、ピンアサインを十分確認してください!」という文言が目立ちました。
ぱっと調べてみて、すぐに下記2種類が見つけられました。

この際なので、映像用の4極アサインを整理してみました。
すると確認できた限りで「4パターン」存在し、最も数の多いものが、現在一般的なピンアサインとして使用されているようです。
下記図にまとめてみましたので、参考になさってはいかがでしょうか。

という訳で、4極プラグは現在も規格が曖昧な状態で、様々なピンアサインが混在しているという状況です。
まずは、どんなものが存在しているのかを認識し、何かトラブルが起きた際「ひょっとして?」と勘づくことが大切なのかなと思います。
ここに表示したものが全てではないかもしれません。
ですが、トラブル解決の何かのきっかけになればと思います。
以上、4極プラグの極意編でした。