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ノイズと音楽

2022-06-01

テーマ:電源周辺機器, 実録 ! サービスマン日記

音楽をやっている方は必ずと言ってもよいほど遭遇する問題、そう、ノイズ問題。
今回はノイズについて書きたいと思います。

そもそもノイズの定義とは、処理対象となる情報以外の不要な情報であり、音楽においては雑音や騒音と呼ばれたり、映像分野では雑像と呼ばれたりしています。

今回は音楽に関するノイズに焦点当てていきます。

■ ノイズの種類

ノイズと言っても多くの種類があります。
よく耳にするのはホワイトノイズ。「サー」といった音で可聴域全体に広がって聞こえるノイズ。
似た様なノイズでヒスノイズがありホワイトノイズに比べ高い周波数域に寄った音がします。 他にもカラードノイズと総称されピンクノイズ、レッド(ブラウン)ノイズ、パープル(バイオレット)ノイズ、グレーノイズといった一定のオクターブや特定の周波数域で発生するノイズもあります。

これらのノイズは一例です。
ノイズは前記のとおり処理対象となる情報以外の不要な情報なので、名称が定まっていないノイズも含め無数に存在すると言えるでしょう。
今回は次のノイズについて深掘りしていきたいと思います。

■ ハムノイズ

ノイズの中でも特によく聞くのはハムノイズではないでしょうか?
ハムノイズとは電源周波数に準じたノイズの事で、信号の中に交流電源の周波数が混入することで発生します。
日本では東日本は50Hz、西日本では60Hzの2種類の周波数(Hz)が使用されています。
※一部両方のHzが混在する地域有り

エレキギターを持ってアンプから音を出したことがある方はよくご存じだとは思います。
ブーンといった低いノイズ、ちなみに倍音を含んだジーといった音はバズノイズと言います。
エレキギターはマグネティックピックアップというマイクを使用していることが多く、その特性上ノイズを拾いやすくなっています。

ギターのマイク以外でも、例えばハンドマイクでもハムノイズを拾っていますが信号伝達がバランス方式でバランスケーブル使用しているとノイズを感じる事はあまりありません。
しかし、電源機器や電源ケーブルが近いとノイズが混入する事があります。

極端な例ですが、電源付近にマイクを近づけてみると大きなハムノイズを拾う事ができます。
また、マイクケーブルを電源の近くに這わすとノイズが混入する事もありました。

せっかくノイズの音がよく聞ける状況だったので、電源周波数の音を細かく聴いて理解してみようと思います。

まず、サウンドハウスの環境は千葉県なので東日本、50Hzの電源周波数なのか確認します。
デジタルテスターでHzにセットしてコンセントにプローブを挿入。
49.91Hzでほんの僅か低いですがほぼ50Hzですね。

次に、交流電源は正弦波なので正弦波の音を用意します。
今回はジェネレーターで正弦波出力させます。

ジェネレーターで同じ周波数の正弦波を出力し聴き比べてみました。

間違いなく同じ音程の音が出力されています。これ、電源環境変えてみて音の拾い方変えると聴こえ方が違って面白いです。マイクで拾った音だと倍音も多く入りますが、倍音による違いに個性があってノイズを使った音楽をやる方にはたまらないと思います。

■ ハムノイズを軽減するには

上記ではノイズを音楽と捉えてみましたが、やはりノイズは無くしたいという方が多くいると思います。
簡単ではありますが、すぐにできるノイズ対策方法をご紹介させていただきます。

  • マイクは電気機器付近で使用しない
  • 信号用ケーブルを電源から遠ざける

まずはノイズの発信源から離すこと。当たり前の事のように思えますが実際に配線を這わしたりすると近くで纏まったりしてしまう事ってよくありますよね。
中には電源ケーブルと信号用ケーブルをバンドで纏めてしまっているというのも見た事あります。これだと間違いなくノイズ混入してしまいますので分けた方がよいです。

また、少し工夫するだけでノイズが軽減する(かもしれない)方法もご紹介させていただきます。

  • 電源を分ける
  • 安定化電源を使用する

電源を分けるというのは極端に言えば、アンプのみで1箇所、ミキサーで1箇所、PCで1箇所、といった様に電源を取るコンセントを分ける事、もっと極端に言えば分電盤から分かれている系統毎に電源を取るという事です。
一般家庭でそこまでやるのは難しいと思うので、音響システムだけ他の電源と分けるだけでも変化はあるかもしれません。そのシステムに安定化電源を組んでみるのも有りですね。

CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / PDM/R 安定化電源

今回はこの辺で締めたいと思います。他の種類のノイズもいずれ紹介します。
この記事が問題解決の糸口になれば幸いです。

技術サポート / 黒巣 翔太

ESPミュージカルアカデミーでギター・エフェクター・アンプ製作の技術と知識を学び、卒業後はライブハウスでPA・照明を担当。ステージ上の全ての機材をメンテナンスするようになり現在の修理業務のベースが完成。照明のムービングヘッドやフォグマシンをメインに修理を行っていますが、ジャンルにとらわれず修理業務に従事しています。最近はアナログレコードの面白さを覚え、レコード屋を巡っています。

 
 
 
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