前回はジャックの話のはずが最終的にプラグの話になってしまいました。今回はジャックの話を続けます。
ギター弾きには常識となっている話ですが電池で動作するコンパクトエフェクターは使用しない時にはインプットジャックからプラグを抜いておかないと電池が消耗してしまいます。
でも、それってなんでなの??
エフェクターの多くにはインプットジャックにステレオタイプのジャックが使われています。
SWITCHCRAFT ( スイッチクラフト ) / 12B

モノラルジャックと比べて端子が1個多いことがわかりますでしょうか。
ちなみに↓がステレオのプラグ。

モノラルはTIPとSLEEVEだけでしたが真ん中にRINGと呼ばれる端子が入っています、グルっと輪っかの形をしているので覚えやすいですね~。
TIP、RING、SLEEVEの頭文字を取ってTRSとも呼ばれます、このRINGの部分がステレオジャックの1個増えた端子に接触するのですね~。

ヘッドホンなどはこのステレオプラグだからLとRで別々の音が出るのですね~。
あるぇ~~??
みょーに変だな~~
だってそうじゃない?!
ギターはモノラルの音声でしょ?!
ギターの音を2つに分けたりなんてしませんよ!!
ギターはステレオのケーブルを使わないといけないんですか!?
と、思っちゃう方もいるかもしれませんがギターはステレオケーブルで接続しないでください。
エフェクターの多くの機種はステレオジャックのRINGの端子に電池スナップのマイナス(-)側がつながっています。

基板に電池スナップの配線がつながっていたとしても基板を通じて繋がっています。
ここにモノラルのプラグが挿さると。。

なんとRINGとSLEEVEがつながるのです!!
これによりRINGにつながる電池スナップのマイナス(-)側がグランドに落ちることでエフェクターの回路とつながりエフェクターが電池で動作するようになる。
逆に言うとプラグが挿さっていないと電池の片方はどこにもつながっていない浮いた状態になり消耗されないということなのでした~。めでたしめでたし~。
ちなみにTRSのステレオケーブルでつないだ場合RINGとSLEEVEがつながらないので電源は入りませんよ~。ではまた次回~さよなら~~。
おい!ちょ、待てよ!!
じゃあ、エフェクターボードを組んで固定したエフェクターは電池を抜かないといけないのかよ!?
なんて声が聞こえましたが、そんなことはありません。エフェクターに電源ジャックをつないでおけば電池スナップのプラス(+)側は浮いた状態になるのです!!

電源のジャックとは皆さんご存じのこれのこと。
形が丸いのもありますが構造は同じで、このジャックも3つの端子があります。

上の画像の黄色の丸をつけた端子はエフェクターの回路へプラス(+)の電源を送る方につながっています、アダプターをつなげばこの端子からプラス電源が配給されます、そして電池スナップのプラス側は赤い丸の方に配線されています。

実はこの2つの端子は通常は電源ジャックの中でつながっているのです!!
見えませんけどつながっています!!
それにより電池からのプラスの電気がジャックの中を通って回路に配給されエフェクターが動作します。(アダプターでは動作するけど電池をつないでも動作しない故障の場合に電源ジャックが壊れて内部でつながらなくなっている、なんてこともあります)
この電源ジャックに電源プラグを挿すと、、
2つの端子は切り離されるのです!!
それにより電池スナップのプラス側が浮いた状態となりエフェクターのインプットジャックにプラグが挿してあっても電池は消耗しない、というわけです。
なお古いエフェクターなどで電源ジャックがないタイプの機種はあきらめてインプットのプラグを抜いてください。
ちなみにアダプターをつなげば多くのエフェクターはインプットにプラグを挿さなくとも電源は入りますが、中にはアダプター動作の場合にもインプットにプラグを挿さないと電源が入らない構造の物もあります。
ベリンガーの↓のシリーズはまさにそういった構造です。
BEHRINGER ( ベリンガー ) / VD400 Vintage Delay ヴィンテージアナログディレイ
今回取り上げた配線の方式はよくあるやり方ですが機種によって様々ですので電源が入らない!と思っても慌てないでください。
それと電池は何にもつないでいなくても自然に消耗はするので買いだめしていた電池の容量が減っていることもありますので注意してください。
では、また次回。