今回で10回目を迎える「レコーディング&ミキシング・ワークショップ by KENJI NAKAI」。2日程ある内の1日目はとくにマイキングにフォーカスした内容。5人編成(ドラム、ベース、ギター、キーボード、ボーカル)のリズム録りからダビング、ボーカル、コーラスまで全てのパートの録音を詳細な解説を交えながら半日で完成させるワークショップを行いました。そこでは数多くのWARM AUDIO社のマイクやマイクプリ、コンプレッサーなどを使用する機会に恵まれました。
Q. 今回使用したマイク、プロセッサーの感想を教えてください。
- WA-251 x 2:ドラムスのオーバーヘッド
ドラム全体的にバランス良く、クリアでリアルな音像が得られました。 - WA-14 x 3 : タムタム
C414EBの持つソリッドなキャラクターと豊かな中低域な音質を提供してくれました。 - WA-84 x 2 : ハットなど
KM84に通じるクリアで耳障りの良いサウンドでした。 - WA-CX12 x1、WA-47 x1 : ボーカル
WA-CX12 : 抜けの良い明るい音色です。
WA-47 : 膨よかな中域が魅力的です。 - WA73-EQ x 4 キックとスネア
クラスA型プリアンプの持つ抜けの良さと高い密度感が特徴。EQポイント数がNEVE1073よりも多く使い易いです。 - WA-1B x1
アコギに使用しましたが、オリジナルと比較して、若干明るい音質です。
Q. WARM AUDIOのマイクはどのようなユーザーにおすすめですか?
まずは、使い易く汎用性の高いマルチパターンのソリッドステート系のマイクがお薦めです。特に今回、タムタムに使用したWA-14は好印象でした。
Q. WARM AUDIOのマイクが他ブランドのマイクと比べて優れていると感じるポイントはどこですか?
まずは、コストパフォーマンスです。同型の高価格のマイクを一本よりWARM AUDIOのマイクをペアで揃えると用途の幅が広がります。
Q. WA-CX12とWA-47ではどのような違いがあり、どのようなタイプのボーカルに向いていますか?
明るいオープンサウンドのWA-CX12は、少しハスキーヴォイスのボーカルに試してみたいです。WA-47は、ダイナミックレンジが広く、声量と倍音が多いボーカルに向いています。

Q. WARM AUDIOのマイクプリアンプWA73-EQはどのようなユーザーにおすすめですか?
まずは、WA73ーEQで、クラスA級のプリアンプの良さを体感し、それを自身の基準にして、次へのレベルアップを考えると良いでしょう。
Q. WARM AUDIOのマイクプリアンプWA73-EQが他のブランドのマイクプリアンプと比べて優れていると感じるポイントはどこですか?
WA73ーEQは、同型ビンテージ機に比べ、多くの機能やEQポイント、LEDメーターなどが追加され、さらに汎用性と視認性が高くなっています。
Q. WAー73EQについて、用途別、狙うサウンド別におすすめの設定を教えてください。
キックとスネアに使用し、ゲインを高めにすることにより、パンチのあるサウンドを得ています。
Q. WA73ーEQを設定していく際、どのようなポイントに注意していますか。
デフォルトとなる位相オフ、TONEオフ、HPFオフ、全EQオフを確認し、始めます。
Q. WA73ーEQにはTONEスイッチがありますが、ON/OFF時の音色について感想を教えてください。
マイクの種類や音源によって効果的な結果が得られる時とあまり変化がない場合があります。
Q. WARM AUDIOのコンプレッサーWA-1Bはどのようなユーザーにおすすめですか?
オリジナルと同様にボーカル、ギター、ベースなど、ほぼ何にでも使うことができます。
Q. WARM AUDIOのコンプレッサーWA-1Bが他のブランドのコンプレッサーと比べて優れていると感じるポイントはどこですか?
オリジナルと類似する機能、音質で低価格を実現している点です。
Q. WAー1Bについて、用途別、狙うサウンド別におすすめの設定を教えてください。
特殊な効果を狙う時以外は、ミディアム・アタック、ミディアム・リリース、2:1レシオでピークで3-4dBのリダクションです。
Q. WAー1Bを設定していく際、どのようなポイントに注意していますか?
求めている音のキャラクター、特にアタックからディケイに着目して、アタックタイムを決める。オーバーコンプレッションを避ける。

Q. WARM AUDIO製品を使用していただいているきっかけ、理由を教えてください。
音質の揃った1073型のプリアンプを複数台、購入する上で、機能と価格からWA73ーEQを選びました。現在、同機を4台、所有しています。
Q. 今回のセミナー受講者の方の反応はどうでしたか?
WA73-EQを使ったキックとスネアのクリアな音質、WA-14が捉えたタムタムのリアルなサウンドは非常に高い評価を受けていました。
Q. WARM AUDIO製品を検討している方に向けてメッセージをお願いします。
WARM AUDIO社のラインナップは、マイク、プリアンプ、コンプレッサーなど幅広くカバーしているので、可能であれば実機の音を自分の耳で、その良し悪し、好き嫌いを確かめることをお薦めします。その中でも個人的には、WA73ーEQとWA-14が気に入っています。