また会いましたね。
OTOYA通信ライターとして、そろそろ認知されてきていると思い込んでいるさくです。
最近はほぼ毎日、キーボードをカタカタしています。ネタがどんどん浮かんできて困る困る。
さて、今回は私的に一押しのメーカーのご紹介です。
今まで、エフェクターの話ばっかりしてきましたが、私はギタリストでありながらドラマーでもあり、DTMerでもあるのでいろいろな話題に触れます。
とはいえ今回の記事でもエフェクターは登場するのですが……
というわけで、Warm Audioのご紹介です。紹介するまでもなく、知ってるよ!という人の方が多いかもしれませんが、改めて知っていただく機会になると思います。
今までの私の記事でも、ちょくちょく顔を出していたWarm Audioですが、すごいメーカーです。
何がスゴいって、名機を超高精度にコピーして、お手頃価格で売っていることです。
これだけ聞くとそういうメーカーはたくさんあるんじゃないの?と思われるかもしれません。なので今回は、いくつかの製品をご紹介しながら、そのスゴさを味わっていただこうと思います。
エントリーNo.1 エフェクターより Centavo
結局お前かーいという声が聞こえます。バッキングおすすめエフェクターの紹介記事でも、私のケンタ系の紹介記事でも出てきました。かの有名なCentaurのコピーです。
詳細はケンタ系の記事で書き連ねたので省きますが、我々じゃ理解し得ないところまでこだわって、Centaurを再現しています。
私が知っているプロギタリストのボードにも、QUAD CORTEXと並んで採用されていた記憶があるので、音の良さはお墨付きです。
なお、Centaur以外のモデルもコピーされていて、今では入手が難しいFULL TONE – OCDのコピー、ODD Box v1 といった歪み系だけでなく、フェイザーやリングモジュレーターまであります。
これからどのモデルがコピーされてゆくのか、非常に楽しみです。
個人的には、値が張ることで有名なVEMURAMあたりをコピーしてくれると非常に嬉しいですね……。
エントリーNo.2 コンデンサーマイクより WA-8000
続いて、コンデンサーマイクのご紹介です。マイクとかよくわかんないよ〜って人でも、おそらくこのマイクには見覚えがあるはずです。
例えばそう、THE FIRST TAKEなどで。
でもこのマイク、じつは同じものではありません。音だけでなく見た目も寄せてしまうWarm Audioだからこそ、パッと見ではわからないのですが、実際にTHE FIRST TAKEで使われているのはこちらのマイク。
お値段なんと、1,467,400円。ここに専用電源ユニットの AC-MC800G/9X が必要になるのでさらに452,980円プラスで必要です。とんでもないバケモノですね。
しかしながら、Warm AudioがコピーしたWA-8000は驚きの178,000円(税込)。なんと専用電源ユニット付属。私たちが用意するものはオーディオインターフェースとマイクケーブルだけ。
元モデルのC-800Gは日本語に合わせてチューニングされていて、このWA-8000も同様。プロが参加したブラインドテストでも、数人は判別がつかなかったほどにC-800Gの音を繊細に捉え、再現しています。
また、Warm Audioの恐ろしいところは、C-800Gだけに限らず、AKG – C414 や TELEFUNKEN – U47 、同社のELA M 251 Eのコピーまであります。
元モデルの値段が上がれば上がるほど、その道のプロからしてみれば判別できてしまうようですが、それでも音の特徴を捉えており、何よりアマチュアでも手の届く価格で用意してくれています。
シンプルに考えてみてください。200万円を10万円にしてみようと思えば、当然クオリティに差は出ます。ですが、Warm Audioの製品は、その差が非常に僅かなものであり、よっぽどその道を極めていない限りは気になりません。値段以上の品であることも、元モデルに忠実であることも変わりはないのです。
これはWarm Audioのすべての製品に言えることだと思います。
そして、当然の如くマイクのラインナップもすごいです。
ニッケルとブラックのカラバリが用意されているのも地味に嬉しいですね。というか、どれを見ても安すぎて驚きです。
エントリーNo.3 プロセッサーより WA73-EQ,WA-76,WA-2A
そもそもプロセッサーって何?という方もいらっしゃるかと思います。
調べてみると、「音楽信号をコントロールするためのユニット」のことだそうです。
要するにそれって、エフェクターじゃないの?というそこのあなた。微妙に違います。
専らプロセッサーはレコーディング、ミキシング、マスタリングの現場で用いられ、積極的な音作り目的というよりは、音を良くする、つまり聴きやすくする目的で用いられることが多いです。
そして今回紹介している三機種は、ダイナミクスプロセッサーとも言うようです。要はEQとコンプです。
この辺の詳しい話は こちら(サウンドハウス虎の巻!) を読むとわかりやすいかもしれません。
さてさて、話が逸れましたが、上の画像が順に、WA73-EQ、WA-76、WA-2Aです。それぞれEQ、FET系コンプ、OPT系コンプ。DTMを嗜んでいて、ミックスやマスタリングをされる方であればおや?と思われるかもしれません。
それぞれの元モデルを紹介します。
WA73-EQ → AMS Neve / 1073N
WA-76 → UNIVERSAL AUDIO / 1076LN
WA-2A → Teletronix / LA-2A (入手不可のため、UNIVERSAL AUDIO / LA-2A)
いやー、本当に見た目からとにかく似ていますね。そして3つともハンドワイヤードで作られており、個体差も少なく、元モデルの挙動を徹底的に再現しています。どこまでも忠実で、それでいてお手頃な価格で。アマチュアDTMerでも気張れば揃えられそうです。
それぞれの中身です。なんかこう、ワクワクしますね。
私は普段、Wavesから発売されている Scheps 73、CLA-76、CLA-2A でミックスに勤しんでいるのですが、アウトボードとして揃えたいなあという気持ちも非常に、ひじょ〜〜〜に強いです。やっぱ憧れますよね、ラックにこういうのが並んでいる図に。
この3つとWA-251を併せれば最高のヴィンテージサウンドを現実的な価格で手に入れられます。4つ合わせて50万円くらい。まあギリなんとか手に入れられそう。
それぞれの音がどんな感じか、などは今回の趣旨ではないので省きます。どれも現場で非常によく使われる機種なので、ぜひ調べてみてください。
さて、ここまで色々なWarm Audioの製品を紹介してきましたが、いかがでしたか?さまざまなジャンルで名機を丁寧に再現し、それらをとにかくお手頃な価格で販売していることさえ伝われば良いなと思います。仮に元モデルに興味がなかったとしても、エフェクターとして、マイクとして、プロセッサーとして良い物であることは間違いありません。コスパも良いので、迷った時の選択肢として頭の片隅に置いておくと良いかもしれません。
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