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「ケチ」と「倹約」は大違い! 無駄をなくし必要なところにお金を使う極意とは

2023-12-18

テーマ:サウンドハウス創業者のコラム「Rickの本寝言」

Rickの本寝言 サウンドハウス創業者が本音をついつい寝言でつぶやく!

人生の旅路の中で、これまで幾度となく「あなたはケチですね!」と言われたことがある。反論をしようにも、所詮、物事に対する価値観が違うのは目に見えているので、あえて何も言わないことにしている。そう言う人は、おそらく「ケチ」と「倹約」という2つの言葉の意味の違いを知らないのではないか。言うならば、自分は倹約家なのだ。その定義とは、「目的を持って節約し、状況や必要性に応じてお金を使う」ということであり、それは正に、自分の信条に近い。

自分の場合は、目的をもってというより、ただ単に物持ちが良く、とことん使うことにより、無駄をなくすのが当たり前と考えているにすぎないのかもしれない。遠い昔、結婚直後、元妻といざこざが生じた。ある寒い冬の日、スキー用のジャケットを着ようと思ってクローゼットをあけると、ないのだ!「あれ、ない!」そして「どっかに見てない?」と聞いてみると、何と、「ボロいジャケットだから捨てたよ!」と言うのだ。青天の霹靂とはこのことか!確かに汚れも目立ち、後ろ側は切れていて中が見えていたとは言え、高校生の時代からずっと着込んでいたこともあり、愛着のこもったジャケットであり、20年もの間、大切に着続けてきただけに、ひと悶着あった。

そもそも着るものにはあまり興味がない。着られればいいじゃん、ということで、靴下はぼろぼろになって穴があくまで履き続け、グレーの背広は40年も着ている。体型が全く変わってないことから安心して着用することができ、自己の歴史を感ずることができる逸品だ。確かに新しい衣類が着やすく、安く、品質が良くなったこともあり、2年前からTシャツだけは、やっとユニクロで購入するようになった。そんな自分を哀れんでか、ここ最近、誕生日の度に、いろいろな人から衣類のプレゼントをもらうようになった。ふと気がつくと、着ている靴下、シャツ、セーターの多くがいつの間にか、もらいものになっている。これもありがたいことであり、時の流れを感じる。

車にしてもしかり。走ればいいと思いながら運転し始めてから、かれこれ50年が過ぎた。ウォー!半世紀も車を運転するって、すごいことだと改めて実感するこの頃だ。サウンドハウスを創業した直後、荷物を運び、人も大勢乗れることを考えて、TOYOTAのアルファードを新車で購入した。それから30年近く、23万キロも走り続けた。そしていつしかガタが目立つようになり、ドアが開かなくなったり、鍵がこわれたりと、末期症状を見せ始めていた。そんな矢先、社員が事故を起こし、このアルファードは廃車になったが、よくここまで走ってくれたと、思い出が一杯の車に感謝だ。今では10年物の社用車を借りて運転することが多く、他の社員も使っていることから時折、社内が埃っぽく汚くなっているのが気になる。が、そんなことにもめげずに、とにかく走ればいいやと、乗り続けている。

とにかく自分は無駄なことが嫌いであり、また、時間を大切にしていることから、余計なショッピングはすべて考えないようにしている。そんな暇がないのだ。買い物をする時間があるくらいならば、他のことに有効活用したいのが本音である。そもそも買いたい物、欲しい物があまり思い当たらない。そんなことを言うと、それはRickが何でも持っているからだ、と言われかねないが、現実はそんなこともない。自分が持っているものは家ぐらいか。快適に住む家さえあれば、仕事もはかどるし、それだけでも恵まれていると思っている。それ以上に何が必要なのだろうか。

そう言えば、食生活においても自分の好みは安価なものに偏る。大好物は松屋の牛丼。はやっている松屋ならば、大鍋に入れたての柔らかい牛を味わうことができ、最高に美味しい。日高屋の野菜たっぷりタンメン、仙台神田の立ち食い春菊天そば、ココイチのほうれん草カレーなど、自分にとっては御馳走であり、値段は関係ない。そういう意味で、東京の池袋界隈は学生も多いことから安価な食堂が多く、家庭料理も大変安く食べられることから嬉しい限りだ。勿論、会社で来客を接待する際は、まあまあ、良いレストランに行くことが多いことから、スタッフの目からみると、Rickはいつも高価なものを食べているように思われるのだろう。とんだ間違いであることに、そろそろ気づいてほしい!

もう一つ、サウンドハウスでは「ウーロン茶」の伝説がある。「Rickはウーロン茶が嫌いなので、気をつけて!」と噂され、それが「ケチ」と言われる所以のひとつでもあるらしい。本件については説明が必要だろう。そもそも会社で外食する度に、お酒を飲まない人は、みんな右へ倣えで何とかのひとつ覚えのようにウーロン茶をオーダーするのはいかがなものか。ウーロン茶の原価は大変安いことから、お店にとっては得になる。しかし店へは、もっと他の食事面で貢献したいとは思わないだろうか。最初にみんなで乾杯するなら、水ではだめですか?そういう人達に聞いてみたい。「あなたは自分のお金でオーダーするならば、ウーロン茶のために3~400円払いますか?」と。自分が払うならオーダーはしないが、会社が払うので、とりあえずオーダーする、という人が大半だと思う。そういう考え方が嫌いなのだ。ましてや、ウーロン茶をお代わりするなど論外だ。

いずれにしても、他人の金ならウーロン茶をオーダーしましょう、という考え方には納得がいかない。人のお金だろうが、会社のお金だろうが、何事も自分のお金のように大切に考えるべきではと考える。また、海外でも特に欧米諸国ではウーロン茶など出す店はまず、ない。また、イタリアンやフレンチ料理など、そもそもウーロン茶の味が合わない料理もたくさんある。欧米ではいかなる食事においても水を飲むことが基本であり、料理を確実に味わうためには、水が一番だ。だからウーロン茶の代わりに水はどうですか、と言うと、「ケチ」と言われかねない。実際、クレームのレターを社員からもらったこともある。「ウーロン茶をオーダーさせてもらえなかった」と。出されたものを感謝していただけないなら、来ないでください、と言いたくなってしまう。

つい先日も、仕事でロサンゼルスに行き、メーカー担当者から連日ホテルまで迎えに来てもらった際、2日目、「なぜ違うホテルに泊まっているのですか?」と聞かれた。答えは簡単だ。予約をする際、連泊を前提とせず、1泊ごとに安いホテルをチェックしているからだ。その時は、たまたま2日目に安いホテルがあったので、移動することにした。そう説明すると、「I cannot believe it!」と言われてしまった。「会長でお金があるのに、何で?」と言いつつも、実は彼の会社の会長も全く同じように安いホテルを連日チェックするので、経営者は同じなんですね、と言われたことを新鮮に覚えている。そういえば、自分の海外旅行はすべてマイルを使って無料航空券で旅をしているので、これもまた、会社経費の節約につながる。ひたすら安く旅行する極意をマスターできたことは嬉しい。

何だかんだ書いてみたが、これらをざっと読むリーダーの方々は、やはりRickは「ケチ」なのだ、という結論に導かれるかもしれない。何故なら、年商200億円を越える大会社の会長なのに、たかがウーロン茶のことでガタガタ言うから、と、そんな声が聞こえてきそうだ。でも信念は曲げることはできない。そしてこのような倹約、節約を続けた結果、今の会社がある。それは決して無駄金を使わないということを意味する。するといつしか会社の財務体質は健全になり、余剰資金が生まれ、そのお金を使って再投資をすることが可能になる。そして土地建物の拡張をはじめ、さまざまな事業展開に資金を投入することができる。これも倹約家のスタイルを徹底して踏襲した結果と言える。

個人の場合でも同様に、倹約家であるということは無駄なお金を使わないことを意味することから、お金が残りやすくなる。ではどうするか。基本的に余剰資金はできるだけ寄付に回し、社会貢献に尽力をするというのが自分の信念だ。困っている人があれば、すぐに手を差し伸べて助けるのが自分のスタイルだ。聖書にも書いてあるとおり、孤児を助けることは、神が喜ばれることであり、経済的に恵まれている人達にとっては当たり前の責任と思っている。また、必要に応じて会社にも資金を投入し、経営が潤滑に回るようにすることも自分の責任であり、資本政策には余念がない。それ以外に何ができようか。できることがあるとするならば、自分の体をケアするために、そろそろお金を使うことぐらいか。

果たして読者はどう思うだろうか。「ケチ」と思われても自分の生き方が変わるわけではない。やはり自分の夢は、みんなが豊かになり、恵まれない子ども達にも十分な手が差し伸べられ、虐待を受けている人達がDVの被害から解放され、虐げられている在留外国人の方々も支援を受け、日本における生活環境が改善されることだ。つまるところ、倹約をすることにより余剰資金が生まれ、困難に直面している人達を助けることができる。今、自分のできることを、今、実行する。それが自分の倹約家としての生き様であり、これからも歩んで行く道のりなのだ。

Rick - 中島尚彦 -

1957年東京生まれ。10代で米国にテニス留学。南カリフォルニア大学、ウォートン・ビジネススクールを経て、フラー神学大学院卒。GIT(Guitar Institute of Technology)第2期生のギタリスト。80年代にキリスト教会の牧師を務め、音楽ミニストリーに従事しながら、アメリカで不動産会社を起業。1989年、早稲田でライブハウス「ペトラクラブ」をオープン。1993年千葉県成田市でサウンドハウスを創業。2001年、月間地域新聞日本シティージャーナルを発刊。主幹ライターして「日本とユダヤのハーモニー」の連載をスタートし、2010年よりwww.historyjp.com を通じて新しい切り口から古代史の流れをわかりやすく解説。2023年、一般財団法人サウンドハウスこどものみらい財団を創設し、こどもたちの支援にも従事。趣味はアイスホッケー、ピアノ演奏、トレイルラン、登山など。四国八十八ヶ所遍路を22日で巡る。グループ企業の経営指導に携わるかたわら、古代史の研究に取り組み、日本のルーツ解明と精神的復興をライフワークとする。

 
 
 
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