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時代は目まぐるしく変わる 激変する世界の流れについていくサウンドハウス

2023-12-11

テーマ:サウンドハウス創業者のコラム「Rickの本寝言」

Rickの本寝言 サウンドハウス創業者が本音をついつい寝言でつぶやく!

昨今の技術の進歩、進化はまさに、目まぐるしく激変するばかりで、正直、なかなかついていけないというのが本音だ。ダイヤル式の電話だけが頼りだった昭和の時代から、80年代はブザーだけが鳴るポケットベルが登場し、レトロな大型携帯電話もお披露目された。それでも実社会では電話とファックスだけがメインの通信手段だったが、PCの技術が進歩した結果、90年代の半ば頃からはパソコンを駆使し、メールを使って誰にでもメッセージを送れるようになった。

実はこのメールの登場が、サウンドハウスの躍進に大きく役立つことになる。1993年に創業したこの会社は何もない所から始まっただけに、当初は電話機が3台、事務デスクの上に置いてあるだけだった。ところが「衝撃的な価格です!」というメッセージ広告が音楽業界にインパクトを与え、瞬く間に売上が伸び、予想を大きく超える、とんでもない忙しさになっていくのだった。社員もパートを含め2-3名だった頃、ひとりで会社をきりもりしていた自分に課せられた宿命が、営業、技術、通関、海外、経理などの業務を一人で担うことであり、あまりにやることが多すぎて、常に体力が限界となるすれすれまで仕事づくめだった。そんな時に登場したメールにより、業務の流れが激変することになる。

メール技術の普及は、正に青天の霹靂、信じられないほどの業務効率化となった。これまでメモを書き留めながら、あれもこれも、とスケジュールを組み合わせて業務に取り組んでいたが、メールを送ることにより、その時、やらなければならないことを書き留めることなく、即実行に移し、終わらせてしまうことができるようになったのだ。後から他に仕事を依頼するのではなく、何でもかんでも思った時に依頼を終えてしまうということだ。また、海外とのやりとりも、もはや電話とファックスに頼らなくてよくなった。これは劇的な進化だ。

それからの技術の進歩は枚挙にいとまがない。PCの普及と共にメールが一般的に使われるようになっただけでなく、すぐにインターネットの時代が到来した。サウンドハウスも1999年、音楽業界にていちはやくホームページを開設し、WEB上の買い物かごに商品を入れるだけで買い物ができるようにした。そして営業業務においては当初、汎用タイプの販売管理ソフトを使っていたのだが、頻繁にプログラムが壊れてしまうことから、遂に自社開発をすることになる。EMAXの登場だ。それからというもの、20年もの間、自分が設計デザインに関わったEMAXと時間を過ごすことになる。

ちょうどその頃、日本では携帯電話の代名詞となるガラケーが登場する。そして10年後の2009年には、スマホの時代に移り変わっていく。当初スマホを見た時は、「こんなものがあるのか」くらいにしか考えていなかったのだが、そのスマホという便利ツールはいつしか、世界共通の通信インフラとなるだけでなく、誰にとっても生活に欠かせない常備グッズとして認識されるようになり、子どもたちも持つようになる。そろばんしかない時代に生まれ育ち、中学生の時にやっと電卓が普及、大学時代にはじめてパソコンと出会い、それから携帯の時代へと進化したことを体験してきた訳だが、それだけでも変化が多すぎると思うのは、自分だけだろうか。

1960年代、小学生の時代に日本では白黒テレビが普及し始め、日本人なら誰もが1日2~3時間はテレビを見て、日々を過ごすようになる。テレビは正に、社会インフラの一つであり、情報発信の一大拠点となってく。そのように誰からも愛されたテレビだったのに、その登場から半世紀以上経った今、テレビを見ない人が増えていくことになる。スマホの普及はSNSの進化に繋がり、誰もが世界を相手に思いのまま、情報を発信できるようになった。その結果、テレビよりもむしろ、スマホを経由した情報をいち早くゲットし、見たいものを見たい時に視聴するというのが、今風になりつつある。ひと昔前では、考えられないことだ。今や日本人なら1日平均2~3時間はスマホを見ている、というようなデータまであるように、正に全国民がスマホにはまってしまったようだ。それは麻薬のようなものでもあり、お家に限らず、学校でも、電車の中でも、どこに行ってもスマホばかりみている人が急増した。歩きながらのスマホ利用も後を絶たず、多くの人がスマホの虜になってしまった。

そんなスマホの時代がいつまでも続くとは思わない。今やスマホを無くしてしまうと、その人の人生が壊滅するかのごとく、何もできなくなってしまうようにも思えてくる。そこまでスマホに依存して良いものか。実際、弱点も多々ある。スマホにいちいち文字を打ち込まなければならないのは面倒だし、Siriを活用して音声入力はできるものの、日本人の風習としてはあまり馴染まないようだ。また、便利な機能は一杯あるが、スマホの極端な利用は、どうも精神的、肉体的にも良くないことがわかってきた。そんなことを心配するやいなや、遂に技術の進化は頂点を極めるかのごとく、AIの時代へと突入する。

AIの進化は、もはや言葉では言い表せない。この半年間を振り返るだけでも、社会が激変し続けているのが分かり、その度合いが加速しているように見える。AIの進化により、もはやリアルな真実と、AIが創生した偽情報は、段々と区別がつかなくなってきた。Chat GPTなどの生成AIの技術の進化は想像を遥かに超え、AIが人間の知能を上回るのは、もはや時間の問題となった。当然のことだろう。AIのデータベースには、人間個人が知りうる情報や知識の数億倍ともいえる限りなきデータが蓄積されているのだ。そしてAIの技術を駆使すれば、いろいろな情報を生成することができるだけでなく、例えば顔や言葉をすり替えて、あたかも本人が話をしているように情報を発信することなど、もはやお手のもの。見たいもの、見せかけたいもの、作りたいもの、作らせたいもの、つまり人間の欲する情報を、いかようにでも作らせてしまうことができるようになった。いずれ近い将来、戦争で敵を殺すことだけを目的としたロボットも登場するに違いない。怖い世界になったものだ。

このAIの登場は、音楽の世界も激変させていくことになる。そもそも昨今、流行りの楽曲の多くは既に、AIの力を借りて作詞作曲されている。どのような曲がヒットするか、どのような歌詞が好まれるか、それらの知恵をAIから得て楽曲が作られることが少なくない。そのうち、作詞作曲家など、必要なくなってしまうのではないかと思うほど、音楽家のAIへの依存度が日増しに高くなっている。と同時に音響制作の現場も変わりつつある。いや、激変すると言っても過言ではないだろう。これまで特大のコンソールと多くのアウトボードを周辺機器としてそろえ、さまざまな編集ソフトやツールを駆使して音響制作の現場では、多大なる時間をかけて人力により編集作業を行ってきた。そのような世界も、もうすぐなくなっていくとみている。ちょうど電算機が登場して、そろばんが廃れていったように、AIの台頭により、大がかりな音響制作の場は消滅していく道筋を辿ることだろう。つまるところ、人間が苦労して、夜更かしをして、音響制作、編集作業をする、という行為が健康を害することもあり、AIにお任せする、と言う時代が目前に迫っているということだ。

自分が苦労して学んできたこと、体得してきたこと、マスターしたことなどが、時代の激変と共に、ことごとく不要な技術になっていくのをこの30余年間、見てきた。そしてその流れが今や、加速しており、もはや自分のノウハウ、力、才能はAIにとって代わることになるようにも思えてくる。ならば、その分、自分が苦労しなくなることを意味するはずだ。そうした余暇の時間をどのように過ごすのか。こればかりはまだ、未知の世界だ。というのも、そこに至るまで、まだまだ激変の時代を幾年か過ごさねばならず、右往左往しながらも、日々、いろいろなことを学んでいかなければならないからだ。たとえそれが捨てられるような技術、知識であっても、AI化が進む社会にあっては、否応なしに今は、あらゆる情報をまんべんなく吸収し、何とか先を見据えることができるようにならなければならないのだ。これも苦しいタスクであるが、サウンドハウスの創業者としての責任だろう。いや、社会全体の責任でもある。

ゆく年くる年、考えるだけでも、もはや言葉が出てこない。来年はすさまじい年になる。世界各地で戦争は続き、日本では大地震の予兆がさらに見えてくるだろうし、温暖化の結果、異常気象による災害が世界各地で勃発し、食糧難の時代も間近にせまりつつある。平和で素晴らしかった昭和後半から平成にかけての時代は終焉を遂げ、今や末法の時代、人類の歴史を締めくくるAIの時代へと突入する。そんな一見怖そうな時代であっても、それでも今の日本で、現在の社会情勢の中で、サウンドハウスという会社を経営できることを誇りに思う。何故なら、僕らの働きによって社会への貢献に一矢を報いることができるだけでなく、AI化が浸透する最中にある音楽業界において、その流れをしっかりとモニターしながら、できるかぎりのサービスを、音楽を愛する日本全国の人たちに提供することができるからだ。

つまるところAI化が進んでも、サウンドハウスは不滅だ!と言いたい。それは虚言になるかもしれない。しかし常に歴史は人によって作られてきた。サウンドハウスの歴史も、僕らが自分たちの手で、作り上げていくものだ。その思い、情熱によって、多少は歴史を動かすことができるかもしれない。いや、きっとできるはずだ。それが2024年に向けての自分の思いだ。たとえ時代が目まぐるしく変わろうとも、必ずサウンドハウスは歴史を塗り替えていく。その中に、自分がいることを幸せに思う。

Rick - 中島尚彦 -

1957年東京生まれ。10代で米国にテニス留学。南カリフォルニア大学、ウォートン・ビジネススクールを経て、フラー神学大学院卒。GIT(Guitar Institute of Technology)第2期生のギタリスト。80年代にキリスト教会の牧師を務め、音楽ミニストリーに従事しながら、アメリカで不動産会社を起業。1989年、早稲田でライブハウス「ペトラクラブ」をオープン。1993年千葉県成田市でサウンドハウスを創業。2001年、月間地域新聞日本シティージャーナルを発刊。主幹ライターして「日本とユダヤのハーモニー」の連載をスタートし、2010年よりwww.historyjp.com を通じて新しい切り口から古代史の流れをわかりやすく解説。2023年、一般財団法人サウンドハウスこどものみらい財団を創設し、こどもたちの支援にも従事。趣味はアイスホッケー、ピアノ演奏、トレイルラン、登山など。四国八十八ヶ所遍路を22日で巡る。グループ企業の経営指導に携わるかたわら、古代史の研究に取り組み、日本のルーツ解明と精神的復興をライフワークとする。

 
 
 
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