何事にも感謝すること。それが長生きの秘訣!だから、食べ物があること、学校に行けること、仕事があること、寝る場所があること、健康でいられること、これらすべてに感謝すると、幸せな人生が歩める。そんな格言のような言葉は、遠い昔のおとぎ話になってしまったのだろうか。最近耳にする社内での出来事は、不満を爆発させたような言動が散見される事例が多く、困惑することがある。
サウンドハウスは社員にとって、居心地の良い会社であってほしい。2023年度、とりあえず売り上げも順調に伸びているし、女川や徳島における地方での展開も軌道に乗ってきている。初任給も今や上場企業に勝るとも劣らない。時給ベースでも成田界隈ではトップクラス。待遇面においては、業界のトップに君臨すると自負する。また、数年前に上場の準備をしたこともあり、雇用環境も充実してきている。しかも社内の雰囲気は結構自由だし、仕事ができるようになると、誰からもつべこべ言われることなく、自分のペースで作業を続けることができる。しかも社屋が大変広く、スペースにゆとりが十分にあることから、とにかく風通しの良い会社になりつつある。と、感じているのは自分だけだろうか。
こんなことを書いていると、ふざけんなー、そんな自己満足ばかり言っているから、社員が苛立つんだ。。という声が聞こえてきそうだ。何故なら昨今、多くの社員は良いことについては当たりまえのように受け止めているようで、むしろ嫌なこと、気に入らないことだけに着眼し、ひたすらそれを思い起こすかのごとく、追求する傾向にあるように感じる。もっと前向きに考えようよ、と言っても、どうしてもネガティブな思いが先行するのか、慰めようにも説明しようにも、限界を感じることがある。
その要因を考えてみた。問題点はいくつもあげられる。まず、苦労せずに甘やかされて育ってきた環境があるのではないか。「働かざる者食うべからず」。これは古代から現代に至るまで、永遠の格言である。ところが、働かなくても何とかなるし、家に帰ればママがいるとか、そんな甘えが見え隠れしているような気がしてならない。また、自分の家では炊事を手伝ったり、洗濯さえしたことがない人が増えた。女子にしてもしかり。だからお米をといだことがないとか、はては電球を取り換えたことがないとか、これまでいろいろなことを耳にしてきた。長年にわたりお家では何不自由なくわがままに過ごしてきたのだから、実社会に出ると、面倒なことが増えて不満だらけになってしまうのかもしれない。
もう一つの問題は、夜更かしと運動不足による軽うつ病の影響だ。とにかく昨今入社する人たちの多くは、夜更かしが当たりまえになっている。しかも余暇を使って運動する人が極端に少なくなった。日光にあたる時間もほぼなくなってしまっている人が多いのも気になる。そんな日々の生活パターンでは、うつ病を発症しても何ら不思議ではないのだ。しかもいくら自分が「早寝早起き」、「運動しよう」、と言っても、もはや耳を傾けてくれる人がいないのに愕然とする時がある。これも仕方のない時代の流れなのか。この大変厄介な社会現象ともいえるうつ病のまん延により、ネガティブ志向が増えたような気がする。
無論、会社内にも問題、課題は山積みだ。スタッフをトレーニングできる上級社員の数は少なく、十分なレッスンを経ないまま仕事に従事するため、あちらこちらから文句の声が聞こえてくる。「きちんと教えてください!」と。また、真面目なスタッフで、こつこつと仕事をこなす人が現れると、案の定、その人は同じ仕事を任されたまま放任され、月日が経っていく。するとある日、ずっと同じことをしていることにふと気が付き、先が見えなくなって失望する、という思いに浸ってしまうスタッフもいる。また、隣の畑は青くみえるせいか、若いスタッフの間では、転職を考えている人も、後を絶たない。人生、一度はサウンドハウス以外の外部の空気を吸ってみるのもよいかもしれないが、それでもあっさりと会社を離れていく若者が多いことに驚く。無論、これは社会現象でもあり、どの会社も同様の問題を抱えているようだ。だからといって、無視するわけにはいかない難題だと心得ている。
それでも光明はある。会社を辞めた多くの社員が出戻りで、サウンドハウスに戻ってきてくれているのはうれしい。やはり隣の畑は青かったのだろう。また、先が見えないとつぶやく社員に対しては、先が少しでも見えるようになるため、トレーニングセッションのやり方を改め、チームを再編しながら働きやすい環境を構築できるよう、リーダーの在り方そのものを取締役会で見直している矢先である。大事なことは、希望を捨てないこと。いつでも前向きに取り組むこと。必ずできると信じて進むこと。そして何より大切なのは、お互いを必要としている、という謙虚な思いを持つことだと考える。その思いさえあえば、どんなことがあっても話し合えるし、どこかで互いに理解し合える接点を見出すことができるのだ。
つまるところ、サウンドハウスという会社は、人助けのために生まれた会社であるから、最後の最後まで、社会貢献に尽くしながら、一生懸命働くスタッフにも幸せになってもらうことが、目指す頂と言えるだろう。そのために、今の自分に何ができるのかを考えたい。会長職として会社の全容を見渡しながら、スタッフにとってプラスになることは、どんどんと改善していかなければならないことは無論、そのためにも、みんなの声に耳を傾け、それらのコメントを的確に聞き分けながら、修正点、改善点を即座に見出すことが大事だ。スタッフ全員が、サウンドハウスで仕事ができて、良かった、幸せです、という会社になることを目指したい。
もうすぐ自分はダブルRockになってしまう。歳はとれど、気持ちはいつも若く、なおかつ、知恵が増し加われば、いかなる問題にもチャレンジし、解決できると思う。そしてやれることは何でもやる。すぐにやる。できるまでやる。それが自分のモットーだ。そんなポジティブ、前向きな考えをいつも持ちながら、これからも歩んでいくことにする。みんなが幸せになるために。
