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人生悔いあり! 過去のトラウマを乗り越えて悔いなき人生を歩む!

2023-08-21

テーマ:サウンドハウス創業者のコラム「Rickの本寝言」

Rickの本寝言 サウンドハウス創業者が本音をついつい寝言でつぶやく!

宮本武蔵の名言、「我事において後悔せず」は、「人生悔いなし!」という現代風の言葉としても知られている。病に倒れ、62歳で天に召された宮本武蔵は、死の直前、自らの力を振り絞って21か条からなる「独行道」という、自身の生き様を書き記した書をまとめた。その中に残された言葉が、「後悔せず!」という、まさに宮本武蔵の生き方を象徴する言葉であった。

そういえば、昭和時代の大スター、石原裕次郎のヒットシングルにも、「わが人生に悔いなし」という歌謡曲がある。国民的スターであり、映画俳優、歌手として大活躍していた石原裕次郎は、52歳でこの世を去った。果たして彼が歌のとおり、若くして亡くなられても、「悔いなし」と思われたかどうかは定かではない。

宮本武蔵、石原裕次郎よりも長生きしている自分は、もちろん、同様に「人生悔いなし!」と言い続け、それを自分の信条とし、最後までまっとうしたいものだ。が、それは夢か幻か。現実問題として、やっぱり悔いというものは、どうしても心のどこかに残っていることがある。そして時折、それが悪夢とまでは言わないが、ふと、脳裏をかすめ、「あの時なぜ、そうしなかったんだ!」と自分を責めることにつながる。責めると言っては言い過ぎかもしれない。どちらかというと、悔しい、残念無念な思いに打ちひしがれてしまうということだ。つまり自分の人生においては、何はともあれ「人生悔いあり」が現実なのだ。

昨今になって自分が後悔することとは、他人から見たらおよそ些細なことばかりかもしれない。それでも、「人生悔いなし」という信条をあっけなく壊してしまうだけの破壊力に富む心のメモリーがある。人生において何が一番、悔いが残るか、ということを考えるにあたり、さまざまな人生のイベント、出来事をランク付けすることは、極めて難しい作業だ。自分の歳、当時の社会環境、友人関係、学校や職場環境など、さまざまな要因が絡むため、比較しながら一概に「これだ!」と言えないからだ。ただ、悔いが残るとは、トラウマのように時折ふと、心の中に思いおこされ、振り返って考えてしまうということだ。よって、なにが一番、自分の心の中に蘇ってくる過去の悔やまれるイベントかを考えてみた。その頻度により、ランク付けができる。

その基準で考えると、No.1のランキングとなるのは、間違いなく、10数年ほど前の成田POPランのハーフマラソン大会だ。当時、自分は市民ランナーとしてはエリートレベルに近いマラソンランナーになっていた。42.195kmのフルマラソン大会を年2-3回は走り、ベルリン、シカゴ、ホノルル、ロスアンジェルスなどの国際マラソンにもエントリーし、3時間少々で走り切るまで力がついていた。しかも毎月300kmから400kmは走り込んでいたので、フルマラソンもサブスリーを切れる、という自信までもっていた(ぎりぎりいつも達成できなかったが)。よって、その全盛期のさ中に開催された成田POPランの50歳代のクラスでは、まあ、優勝できるだろうとふんでいた。無論、そのためには連日、走り込んでいたし、室内ではトレッドミルをおよそフルスピードで回し、厳しいトレーニングを積んでいた。

当時、成田POPランのハーフマラソン50歳代のクラスでは、毎年、優勝している強力なランナーがいた。例年のように優勝リストに名を連ねているのだ。よって、自分が優勝するためには、その方に勝たなければならない。「よっしゃ!」「やったるぜ!」と意気揚々と参戦する決意を新たにし、当日、大会の会場に臨んだ。ハーフマラソン50歳代クラスでは、およそ1時間30分が優勝レベルなので、そのペースに合わせて走っていく必要がある。これまでフルマラソン大会において、ハーフ地点まで2時間59分で走っているし、それからさらに復路の残りハーフまで走ることができているので、体力には自信があった。

ワクワク、ドキドキするなか、スタートの号砲が耳に響く!「よし、スタートだ!がんば!」と自分自身に気合をかけて走り始める。それでもマラソンレースはきついスポーツだ。一種の我慢比べのようなものであり、しかもコンスタントにペースを保ち、つらいのをずっと我慢することが強いられる。そして1時間30分の忍耐の末、優勝の喜びを味わうことができる!しかし、実際にはハーフマラソンもつらい。時速14kmを越えてずっと走り続けるのだから、ほんとに高いモチベーションがなければ、あまりにつらくて、ギブアップしてしまう。そこを「気合いだ!」と、目標達成の執念で乗り越えていかなければならない。そして優勝のトロフィーが待っている。。。

そしていつしかゴールのスタジアムが見えてきた。ほんとにここまで良く頑張って走ってきたものだ。。。そんな思いに浸りつつも、ゴール目指して走っていた自分がいた。ここで大きな間違いを犯している。ゴールが見えてきてスタジアムに入り、最終の1ラップを走るのだから、問答無用で全速力、別エンジンをかけて、最後の一っ走りを猛ダッシュしなければならないのだ。ところがその最後の気合をなぜか、自分にかけずにスタジアムの中に入ってしまったのだ。どこか心の中に、もう早く終わってほしい、というちょっとしたすきがあったのか。。。

ふと前を見ると、10mほど前に、あの例年チャンピオンが走っているではないか。「あ。いた!」「彼を追い抜かなければ!」と思って、第2エンジンをかける。「プルるん。。。」「プルるん」、「おや、スピードがあがらん」と一瞬考えていたすきに、相手はエンジンをかけてダッシュしはじめたのがわかった。その姿を見た時、何故だろうか。「あいつを絶対に追い越す!」「死んでも追い越してやる!」という気持ちがおきず、がむしゃらにラストスパートしなかったのだ。なぜなんだ!!

結果は7秒差で負けてしまい、2位になってしまった。が、ゴールした時点で自分には余力が残っていたことがわかっていた。その時は2位の表彰台で甘んじていたが、そのスタジアムでダッシュして追い付こうとしなかったシーンが、トラウマのように後日、自分を襲うことになる。あの時、前も見ず、とにかく全速力でゴールまで走ろう、と自分に言い聞かせて走っていたら、間違いなく優勝していたのに。。何故だ!「人生悔いあり!」

このマラソン悲劇以外にも、まだ多少は悔いが残る人生イベントがある。しかし、どれも些細なことばかりだ。つまるところ、自分はあまり悔いがない人生を過ごしているように思う。いつも前向きが一番だと思っているからだ。どんな時でもポジティブに考えて、絶対に大丈夫、絶対できる、と前に進んでいくことが重要だ。だから、問題にぶつかっても驚かないし、へこたれない。むしろ、それにぶつかって、問題を解決し、先に突き進んでいくことを、当たり前のように考えている。それが自分の生き方なのだ。

しかし、そんなポジティブな信仰をもっている自分でも、悔いが残ることが幾つかあることがわかった。だから「人生悔いなし!」とは言い切れないのだ。それでも願いは変わらず。「人生悔いなし!」と言い切れる人生を歩みたい。

Rick - 中島尚彦 -

1957年東京生まれ。10代で米国にテニス留学。南カリフォルニア大学、ウォートン・ビジネススクールを経て、フラー神学大学院卒。GIT(Guitar Institute of Technology)第2期生のギタリスト。80年代にキリスト教会の牧師を務め、音楽ミニストリーに従事しながら、アメリカで不動産会社を起業。1989年、早稲田でライブハウス「ペトラクラブ」をオープン。1993年千葉県成田市でサウンドハウスを創業。2001年、月間地域新聞日本シティージャーナルを発刊。主幹ライターして「日本とユダヤのハーモニー」の連載をスタートし、2010年よりwww.historyjp.com を通じて新しい切り口から古代史の流れをわかりやすく解説。2023年、一般財団法人サウンドハウスこどものみらい財団を創設し、こどもたちの支援にも従事。趣味はアイスホッケー、ピアノ演奏、トレイルラン、登山など。四国八十八ヶ所遍路を22日で巡る。グループ企業の経営指導に携わるかたわら、古代史の研究に取り組み、日本のルーツ解明と精神的復興をライフワークとする。

 
 
 
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