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ミュージシャンの夢が消える時... 18時に帰宅して音楽に打ち込む時間を作れるか!

2023-08-07

テーマ:サウンドハウス創業者のコラム「Rickの本寝言」

Rickの本寝言 サウンドハウス創業者が本音をついつい寝言でつぶやく!

全国何十万人ものミュージシャンをサポートする会社がサウンドハウスだ。あまりにも有名になった音楽系ネット通販の代名詞のような会社だからこそ、音楽好きの人たちが応募し、続々と入社してくる。楽器演奏をこなし、バンド活動を現役でこなしている社員も少なくない。中には、ミュージシャンとして活躍し、有名になりたい、メジャーデビューだ!という夢をいまだにもっている人もいる。自分も22歳の時までは、ロックスターになる夢を心に描いていた。だからこそ一生懸命ギターの練習に励み、バンドで演奏し、音楽を楽しんでいた。そんな時が懐かしい。

ところがふと気が付くと、ミュージシャンとして期待を膨らまして入社した人の多くが、いつの間にか楽器を弾かなくなっている。そんな不幸なことがあるのだろうか。自分を例にとれば、34歳の時にサウンドハウスを起業してからは、ギターを手にすることもあまりなくなってしまった。それまでは毎週末のように演奏もしていたし、作詞作曲を手掛け、当時の原始的なソフトで打ち込みまではじめていたのだ。が、サウンドハウスがスタートするのと時を同じくして、自分のミュージシャンとしての時計が止まってしまった。その時代から時計の針は動いておらず、最後の作詞も紙に書いたまま、今もって眠っている。創業者であり、責任があり、仕事が無茶苦茶、忙しかったのだから、こればかりは仕方がない。仕事が優先なのだ。

しかしながら、サウンドハウスで働くミュージシャン系社員の多くが、同じように楽器演奏から遠ざかってしまうのはいかがなものか。あれほどまで、みんな、演奏が大好きだったのに。ミュージシャンとしての夢が絶たれてしまったのだろうか。その原因がサウンドハウスにあるのだろうか?

振り返ると、社員が楽器演奏から徐々に遠ざかっていく理由が少なくとも3つあることがわかった。まず、真面目に仕事に没頭するあまり、とにかく時間がなくなってしまい、楽器に触ることさえままならなくなる、という状態に陥る場合がある。そしてその状態がマンネリ化すると、いつしか演奏しないのが当たり前になってしまい、楽器に触ることがなくなってしまうのだ。これはもったいないことではないか。ミュージシャンをサポートする会社で働いて、同じ音楽家を支援しているのだから、楽器演奏をもっと楽しむべきでは?

もう一つの理由が結婚して子供を持つことだ。人間、誰しも結婚生活に入ると、価値観が多少は変わるものだ。特に子供が生まれると、子供好きにとってはたまらない。楽器演奏と子供と遊ぶのと、どちらをとるか、というと断然「子供!」と言わんばかりに、家族と過ごす時間を大切にする人たちもいる。そうでなくても、仕事をしているだけに、余暇の時間は限られている。その限られた時間の使い方が二択あり、それが子供に向けられるのだから、当然のごとく楽器演奏が後回しになる。特にバンド練習となると、外出してからのいろいろがあり、時間を食われてしまう。よって、家族との時間を大切にするあまり、演奏から遠ざかってしまう。これも侘しいかぎりだ。

最後にもうひとつ理由があるとするならば、楽器演奏に対する興味の衰退だ。本来は生涯演奏者のごとく、息が途絶えるまで演奏を楽しめば良いはずだ。しかしながら、人間は歳をとってくると、自分の興味がどんどんと変わっていく場合がある。健康問題を機にウォーキングや登山をはじめたり、釣りを楽しんだり、料理教室などさまざまなカルチャー教室に顔をだして、それまで取り組めなかった新しい趣味を学ぶことに喜びを感じる人も少なくない。それらによって、楽器演奏への興味が薄れていってしまうのだ。

筆者の場合、それに近いような側面が否めないかもしれない。15年ほど前から自らのホームページを立ち上げ、古代史についてこれまで何百ページも記事を書いてきているが、今では時間さえあれば原稿を執筆している。頭にはギターのギの字も浮かんでこない。それがライフワークというものであり、いつしか書くことに使命感を覚えているのだ。よって、ギタリストとしての自分は、おそらく何十年も前に終わっていたのかもしれない。二十歳の時のような情熱は、もはや消え去ってしまっている。しかしながら、それはあくまで、サウンドハウスの創業者としての課題、問題、悩みであり、社員には関係ないのだ。

いかなる理由があるにせよ、ミュージシャンとしてサウンドハウスに入社したからには、それらの社員は楽器演奏を続け、自分の持っている夢を実現するために、果敢にチャレンジし続けるべきだ。何故なら、サウンドハウスの存在そのものが、ミュージシャンをサポートする、という大義名分があるからだ。自分たちがミュージシャンとして成功し、自由気ままに演奏を楽しみ、生活に音楽が密着していることが重要であることに違いはない。音楽を楽しむ社風を大切にしなければ、どうやって全国のミュージシャンにサービスを提供できるのだろうか!

そのためには、会社の在り方も変えなくてはならない。よって、2023年8月より、定時で会社の電気を消すことにした。定時といっても1日1時間程度のオーバータイムは許されるが、とにかく18時に全員が帰宅することを目指し、19時には社屋全体を消灯することとする。数年前、同じことにチャレンジした時は、自分が不在であったこともあり、ものの1か月でプランが崩壊した。が、今は時代が違う。システム化も進み、もうすぐAIも入ってくる。よってその前段として、すなわち19時消灯を実現することにつきる。有言実行あるのみだ!

社員が18時に帰宅する。それが夢か現実になるか、見ものである。それが現実になってこそ、ミュージシャンの夢は消えることがない。そして演奏があるたびに自由に会社から休みをとって、パフォーマンスに全身全霊を注ぐ。それを会社が推奨する!そんな会社にサウンドハウスが衣替えすることを夢みている。

Rick - 中島尚彦 -

1957年東京生まれ。10代で米国にテニス留学。南カリフォルニア大学、ウォートン・ビジネススクールを経て、フラー神学大学院卒。GIT(Guitar Institute of Technology)第2期生のギタリスト。80年代にキリスト教会の牧師を務め、音楽ミニストリーに従事しながら、アメリカで不動産会社を起業。1989年、早稲田でライブハウス「ペトラクラブ」をオープン。1993年千葉県成田市でサウンドハウスを創業。2001年、月間地域新聞日本シティージャーナルを発刊。主幹ライターして「日本とユダヤのハーモニー」の連載をスタートし、2010年よりwww.historyjp.com を通じて新しい切り口から古代史の流れをわかりやすく解説。2023年、一般財団法人サウンドハウスこどものみらい財団を創設し、こどもたちの支援にも従事。趣味はアイスホッケー、ピアノ演奏、トレイルラン、登山など。四国八十八ヶ所遍路を22日で巡る。グループ企業の経営指導に携わるかたわら、古代史の研究に取り組み、日本のルーツ解明と精神的復興をライフワークとする。

 
 
 
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