前回ではブラックモアらしいMODIFYを紹介した。今回も、ファンにとって またストラトキャスター 愛用者にも役立つ事をなるべく書いてゆく。
では いってみよう!
⇒ サウンドハウスの商品でRITCHIE BLACKMORE STARTOCASTER モディファイ をやってみた 前編
■ トレモロアーム
MONTREUX ( モントルー ) / Montreux RB Moon Stainless Arm Inch [9689]
ブラックモア・ファンにとって とても馴染み深いパーツ。アームに関しては第二期ディープ・パープル以降は鉄棒みたいな極太アームを使用していた事が多かったがレインボー後期以後、激しいアーミングをする事が少なくなった。
彼はレインボー時代に、サブギターとしてスタンバイしていた内の一本に、普通の長さの倍はある30cm程のアームを着けていた事があった。それを操る光景は異様であったと思うが、楽屋でアーミングをしていた姿を見たかった気もしないではない。
そのような中、1984年3月の日本公演において登場した『弧を描くようなアーム』は存在感があった。
長年、そのようなアームが発売されていたと私は 知らなかったが、サウンドハウスではこのニッチな商品を販売している。
また、フロイトローズやケーラーに代表されるトレモロユニットならともかく、歴史あるクラシカルなシンクロナイズド・トレモロユニットはあまり激しく使わない方がよいだろう。
プロフェッショナルであるブラックモアなら『商売道具』なので費用と時間にこだわらないが、アマチュアは新しいパーツ代金、リペア代金、修理納期 全てでプロにかなわない。ほどほどの使用にしたい。

【真ん中】1984年頃のブラックモア愛用アームのレプリカ。勿論長年ストレートを使用しているが、個性としてはこれが一番だろう。下の短いアームはピンク・フロイドのデビット・ギルモアのメインストラトのアームに近い。これは手の中で、微妙なビブラートを施せるように考えた仕様だと思う。
■ シンクロナイズド・トレモロユニット
Freedom Custom Guitar ( フリーダムカスタムギターリサーチ ) / SP-ST-01 Nickel
本人はトレモロユニットの素材にそれほどこだわってはいなかった。しかしトレモロ・スプリングとトレモロユニット本体のバランスにはスーパーギタリストならではの企業秘密がたっぷりあるはず。ブラックモアの場合、サドルはダイキャストのままが基本だ。
以前、私は鉄製プレスのvintageの駒サドルとダイキャストのサドルをブラインドテストして聴き比べた事があるが、両者には音の違いこそあるものの、どちらも音楽的な音色が出て好感を持てた。
トレモロブロックは高額商品になると響きが上品に落ち着く場合が多い。よってラウドな音を求めるブラックモアにはあえて換えなくても良いと考える。
純正フェンダー・オリジナル・パーツの惜しい所として、6弦のオクターブ調整がやりにくく、『FREEDOMの製品は調整しやすい』と以前に知った。シンクロナイズド・トレモロユニットの商品の中では、比較的リーズナブルな値段なので 材質共にオススメ。私はこの商品を換装してはいない。
トレモロユニットを使う上で、あと二つ注意点がある。
激しいアームを頻繁にすると、サドルに弦の跡が付く。これが原因でチョーキングなどでサドルに出来た『溝』に引っ掛かり、弦が劣化する前に早々と切れやすくなるのだ。
またアームを激しく扱うと差し込む穴が大きくなりガタツキや本来の機能を果たせなくなる事もある。アームの金属疲労も考えられ、アーミングをする頻度によっては、ある程度トレモロユニットは消耗品と考えて置いた方が良いだろう。

シンクロナイズド・トレモロユニットをボディから見たショット。6弦のオクターブ調整に苦慮する。また弦を通す穴にスクリューがひっかかり仕事の現場での弦交換にストレスがある。
■ MASTERノブ・ボリューム・コントロール
これぞ!!ブラックモア ・ストラトのウルトラMODIFY!!一時期、ボリューム ・ノブをフェンダー製セミ・アコースティックギター『スター キャスター』1970年代後半のモデルのノブ『MASTER』を流用していた。
今、それを探せば激レアであるはずだ。少なくとも私には入手経路は考えられない。今後フェンダー社が金型を作る事はまずあり得ないであろうから、どこかで見つけたら千載一遇だ!
しかし音には全く関係ないし、普通の楽器店の若い店員に見せて自慢してもスルーされるのがオチだ。現在発売されているシグネイチャーモデルをアップデートして装着できないだろうか?
私がディレクターならやる(笑)。

一時期 ブラックモアはこれを スターキャスターの『MASTER』ノブを使用していた。これは 意外と簡単に見つかるか、『絶滅パーツ』かどちらかだろう。
■ トレモロハンガー
FU-Tone ( エフユートーン ) / Titan Claw
ここを換えてどうする!?と怒られそうだが音が変わらないのならこのような高額商品が市場に出る事がないので、実際の所、交換したらサスティーンが若干増した。
例えばブラックモアがライブの後半における即興で『LAZY』のイントロ等で、『音の伸び=サスティーン』を演出する場面がある。それがイメージだ。なおこのトレモロハンガーはチタン製で半田が付かない。半田が流れてしまうので要注意だ。しかしパーツにアースを引っ掻けるようにしてあるので安心してほしい。チタン製の特長なので注意。

トレモロ・ハンガー チタン製。高価で取り付けも知識がいるが、サスティーンは確かに伸びた。上級者向けのMODIFYといえる。このMODIFYは現在サンバーストのギターに施してあり、ブラックモアモデルには付いていないが近日交換予定。
■ トレモロ スプリング
RAW VINTAGE ( ロウビンテージ ) / RVTS-1 トレモロスプリング
これはサウンドハウス ユーザーにはお馴染みのパーツで多くのストラトプレイヤーが換えてみた事があるだろう。
効果とコスト双方に利点があり、スプリングが柔らかく、交換作業も比較的易しい。ブラックモアにとってスプリングはトレモロユニットの動きを左右するので、決して疎かに出来ないが、正確に伸び縮みする劣化のない物なら、特に問題は無いと言える。
ちなみにRaw Vintage はソフトな優しい響きがするが、マーシャルなど真空管アンプに接続し、それなりに大きな音を出すと、音圧が増す。(ややくだけた言い方だが『怖いドス』が出る!)
ESP ( イーエスピー ) / TREMOLO TONE SPRINGS Type-1
ESP ( イーエスピー ) / TREMOLO TONE SPRINGS Type-2
ESPも2種類 高品質な商品が サウンドハウスから発売されている。耳の肥えた方、研究熱心な方は数種類をブレンドしてみると意外な発見があるかも?

Raw Vintageのスプリングは柔らかくて取り付けやすい。
■ コンデンサー
MONTREUX ( モントルー ) / Retrovibe Cap “F69” [8985]
エレキギターの電気回路に興味が出て来た人が行う電気パーツのMODIFY。一般に量産ギターには安価な物が取り付けられているが、1990年代以降のギターハイクオリティ化の時代から脚光を浴びるようになり、いまでは1個数万円で取り引きされる商品もある。
ピックアップの相性とも関連があり、音の抜けが良くなる場合がある。また音色にも少なからず変化があるが初心者にはハードルが高いパーツと言える。
勿論、ブラックモアの使用コンデンサーを見た事はないが、このタイプがサウンドハウスの商品ではベストだ。
■ ジャック
音の出口のパーツだ。半田ごて作業に慣れた方なら簡単にMODIFY出来る。高級ギターでもここのパーツは基本変わらない。音質に劇的な変化は さほど区別はないが、耐久性が大きく違う。今までMODIFYしてきた最後の締めだ。手抜かりのないよう、最後まで頑張ろう!

侮れないパーツ。いざ本番の時、シールドをさしても 緩くて、音がでない!など言わない様に交換をオススメする。新品のギターを入手して、よく考えてからでも可だが。安価なので是非ともMODIFYしてみよう!
■ 最後に
ここまで 誰でも知っているMODIFY から、そこまで こだわるのかよ!といわれてしまうような改良を提案して来たが、購入したギターに手を加える時、一つ留意する点がある。
それは『ギターの一点豪華主義』はあわない事だ。
例えば入門用モデルに高額ピックアップを付けても良い音はしない。ピックアップがギターの音色の半分を決めると言う専門家もいるが、木材の質の良さの方が後々MODIFYしやすいと思う。
ギターにとっての木材は人間に例えると『体』そのもの。
ピックアップは『心臓』に一般に例えられるが、パーツなどは『素敵な洋服』と例えたい。(これには様々な意見があると思うが・・・。)
バイオリンの王者ストラディバリもやはり木材の育った環境により、結果として良い音が完成されたと言われている。(当時の天候が木材の木目の詰まりに作用し、 サウンドの肝になったという説もある。)
パーツは押し並べて進化を遂げている。楽しみながら頑張ろう!
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