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きれいなファルセットを出せるようになるたった3つのコツ

2019-01-21

テーマ:音楽ライターのコラム「sound&person」

Q:自分の思うように高い声が出せません。楽なファルセットの出し方、また発声方法の基礎など教えて貰いたいです。

A:「高音が発声できない」
とても多くの方から寄せられる質問です。

まず声には種類があって、大きくわけると「表声」と「裏声」があります。
よく「地声」=「表声」と思われている方が多いのですが「地声」と「表声」は違います。
わかりやすく説明すると普段のしゃべる声が「地声」とご理解ください。
また「ファルセット」と「裏声」も厳密にいうと別なものです。
「裏声」と比べて息の量が多いのが「ファルセット」です。

「表声だけでは歌いきれない」
「高音域を歌いたいけれど、高くて歌えない」

とても多くの方が高い声について悩んでいます。
基本的に高音域は「裏声」で発声します。
裏声を上手く使えれば、幅広いレンジ幅を歌うことができ、音域の高いKEYの楽曲も歌えます。
しかし、「裏声の出し方がわからない」
「裏声を出そうとするとかすれてしまう」といったご相談はとても多い。
そんな裏声は、コツをおさえれば比較的簡単にマスターできます。

ファルセットと裏声の違いとは?

「ファルセット」は「裏声」より息の量が多く、透明感のある声です。
普通に話したりするときの声が「地声」です。

「表声」は意識としては声帯の前の方をしっかりと使い胸部に響かせる発声方法で「胸声(チェストボイス)といいます。」
「胸声(チェストボイス)」だけでは歌える音域に限りがあるという方でも、裏声を上手く使えれば高音域も比較的楽に発声できます。
そうなれば歌える曲のレパートリーを増やすことができますし、表現の技法も増えていくことになるでしょう。
加えて、声のコントロール力を高めるためにも、裏声の習得は重要なポイントです。

実は裏声には何種類かあって、息量が少なく、比較的声量が出せる発声方法があります。頭に響かせて発声する「頭声(ヘッドボイス)」といいます。
ヘッドボイスを習得するためには、ファルセットをきれいに発声出来るようになる必要があります。
さらにマライヤキャリーに代表される「ホイッスルボイス」など超ハイトーンを発声できるようにするにはまず「ファルセット」のトレーニングが必要です。
そのほか、楽に中音域から高い声を出す「中声(ミドルボイス)」といったボーカルスキルを使いこなすためにも、「ファルセット」は習得しましょう。

ファルセットを発声できない理由

ファルセットを発声しようとしても、声をうまくコントロールできない、声がかすれてしまうといったように、上手に発声出来ないと感じている方は少なくありません。特に男性は苦手な方が多いです。

まずは声の仕組みを知っていただくことが、スキルアップの近道です。
「声帯」には2枚のヒダ状のものがあります。2本の弦だとお考えください。
この声帯が閉じた状態でその弦の間を息が通って弦同士がぶつかってすることで声帯が振動して音が出ます。これが「声」です。

強いしっかりとした「表声」を発声するときは、声帯を閉じる閉鎖筋群という筋肉が働きます。声帯をつよくアタックするため、その声は強く太い声です。(比較的低音域部分の発声に使われることが多い。)

一方、ファルセットのときは、声帯を伸ばす輪状甲状筋という筋肉が働き、声帯を閉じる力が弱まっています。その声帯は伸びている状態(1弦のような細い弦)になっており、その発声は弱く細い声になります。
発声時に声帯を閉じる閉鎖筋群が強くに使われていると、ファルセットは出しづらくなってしまいます。そうした筋肉の動きや声帯の震わせ方を意識しながら、声の出し方を練習していきましょう。

きれいなファルセットを出せるようになる3つのコツ

1.腹式呼吸で歌う
まずは歌唱や発声の基本である腹式呼吸をマスターしましょう。
腹式呼吸は声量アップだけでなくリラックスする効果もあります。発声練習をするときはまずは「腹式呼吸」をしてからにしましょう。
発声する際、舌筋や声帯の筋肉、表情筋に力が入っていると、筋肉がかたまり声帯が強く閉まりやすくなります。まずは余計な力を抜いてリラックスしましょう。

2.頭の方に声を出す
口を「O」の形にして、「FU」と息を出すように発声します。
声はそれほど出なくてもかまいませんので、まずは感覚をつかんでください。

3.咽喉をひらく
その感覚の続きのようなフィーリングで、さらに舌(舌根)を下げます。咽喉を開く感覚を身につけるとファルセットを出しやすくなります。
声帯が開きやすい子音である「F」と母音「U」「H]を組み合わせて、「フー」「ホー」といった声を出す練習をしてみましょう。

おわりに

実は「表声だけで歌いたい」と思う方はとても多い。
しかし、表声だけで歌い続けるのは咽喉が疲労しやすく、場合によっては故障の原因になることもあります。
また、ファルセットのトレーニングは、咽喉の使い方や咽頭のコントロールを身に着けるスキルでもあり、歌ウマの技術を習得するためにも必要とされる重要なテクニックです。

歌ウマになって上手に歌いたいなら、ファルセットは必ず会得したい能力といえます。
なお、もし自分だけで行うボイストレーニングに限界を感じたら、プロの指導を受けることも考えてみましょう。
あなたにあったボイストレーナーをみつけてみては。

本山nackeyナオト


これまで500ステージ以上のライブ、デイレクション、100曲以上のレコーディングディレクションをこなす。
ハードロックからアニソン、R&B、歌謡曲、幅広いジャンルに精通し数多くのボーカリストを養成。ボーカルレコーディングやステージングをディレクション。
アマチュア時代のミスチルやスピッツなど他200組以上のバンドのライブをサポート。

取材実績多数
テレビ埼玉(ミュージックシティスペシャル)定期的に出演。
フジテレビ系(スーパーミュージックジャム)
他にも日テレ、TBSテレビ、テレビ東京等出演。

ボイストレーニングの指導には定評があり、これまで25年のボイストレーニング指導で延べ2000組以上のアーティストにかかわり、多くのプロ歌手や音楽講師を誕生させている。
著書「カラオケ採点必勝ガイド」

SMD音楽スクール代表、SMDボーカル教室代表 スタジオモンキーダンス代表
オフィスザモンキー代表、RedsHipsLabel代表
日本音楽講師協会 代表理事

http://smdvocal.com/

 
 
 
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