
ギタリストにとってエフェクターは自分だけのサウンド作りを行う重要な機材です。
シンプルにアンプ直結というのもかっこいいスタイルですが、多くのギタリストが一度はエフェクターの沼にハマった経験をお持ちではないでしょうか?
今回は数あるエフェクターの中から著者の独断と偏見も混ぜつつ、ギタリストの目的別エフェクターを紹介していきます。
■ 初心者ギタリスト向け
BOSS ( ボス ) / GT-1 マルチエフェクター
2万円ちょっとの価格で手に入ってしまうBOSSの大ヒット商品です。
GT-100という上位モデルと同等のエンジンを積んでこの価格というのが人気の秘訣でしょう。
小さな筐体ながらサウンドやできることはGT-100に近く、ボリュームやワウを割り当てられるペダルまで装備しています。
エフェクターやアンプモデリングのサウンドメイクに慣れていない初心者ギタリストは、GT-1を使うことでサウンドメイクの勉強にもなります。
また、アダプター駆動以外にも単三電池で約7時間も稼働させることができます。
足元の配線をできるだけスッキリさせたい場合やストリートライブでも活躍できますね。
■ ギターボーカル向け
VOX ( ヴォックス ) / StompLab IG
なんと4000円代で購入できてしまうマルチエフェクターです。
ここまで安くなるとちゃんと使えるのかと不安にすらなってしまいますが、発売から10年が経っても売れ続けている人気機種です。
特に歪み系エフェクトに力が入っており、歪み専用マルチとしてエフェクターボードに組み込む人もいるようです。
著者がこのエフェクターをボーカルギターにおすすめしたい理由は2つあります。
まずは低価格で使えるエフェクターだということです。
ボーカルギターにはマイマイクやボーカル用エフェクターにも予算を当てて欲しいという思いがあります。
特にボーカル用エフェクターはまだまだ利用者が少ないですよね。
以前に『ボーカル用エフェクター使っていますか?』というコラムも書いておりますので、使ったことがないボーカリストは読んでみてください。
もうひとつの理由はこのシンプルなボタン2つという筐体です。 ボーカルギターは歌いながらエフェクターの切り替えをする場面がありますが、あまり足元を見る余裕がないので踏み間違いをするということが多々あります。
そういった事情もありStompLab ⅡGというペダル付きの機種もあるのですが、あえてペダルなしのものをおすすめしています。
ボタンが2つだけなので踏み間違えるリスクは最小限に抑えることができます。
■ アンプの音を生かしたい
Line 6 ( ライン6 ) / M9 Stompbox Modeler ギターエフェクター
最近のマルチエフェクターは標準装備と言っていいほどアンプシミュレーターが搭載されています。
ですが自分のアンプを持っている人やスタジオにあるJC-120などで満足している人はアンプシミュレーターはあまり必要ありません。
でもコンパクトを揃えるのは大変だから純粋にエフェクターだけのマルチが欲しい、という人におすすめしたいのがLINE6のM9です。
アンプシミュレーター付きマルチのシミュレーターを切れば同じことではありますが、シミュレーター付きマルチにはメーカーの技術を結集したぶんの価格が含まれているのでなんだか使わないのも忍びないですよね。
サウンド的には空間系や飛び道具系エフェクトの評判がよく、それだけを使うために購入するギタリストも多いです。
歪み系は賛否両論ありますが、著者は以前使用していた時にTubeDriveという歪みを好んで多用していました。
もし気に入った歪み系が見つからない場合はそれだけ別で用意するのもアリですね。
その他、地味に嬉しい機能としてグローバルノイズゲートがあります。
事前に設定しておいたノイズゲートが全てのチャンネルに効くというものです。
M9では最大3つのエフェクト音が同時使用できるものの、このグローバルノイズゲートは3つの中に含まれていません。
あまり強くかけると不自然になってしまいますが、うっすらと常時かけておきたい機能です。
■ 実力派ギタリストならこれ!
Kemper Profiling Amplifier ( ケンパープロファイリングアンプリファイヤー ) / PROFILER STAGE フロア・タイプ
これくらいの価格帯になってくるとどの商品も素晴らしいサウンドですが、KemperのPLOFILER STAGEがイチオシ商品です。
最近のマルチエフェクターは安価でも高性能なアンプシミュレーターを搭載していますが、Kemperは仕組みからして全く違います。
これまでの実機をできるだけ忠実に再現する技術を駆使するのではなく、実際のアンプの音を取り込んだものが使われているので他のマルチエフェクターでは出せない生々しさがあります。
この商品が発売されるまでは約20万円のProfilling Amplifierに約7万円の専用フットコントローラーを付けないとライブなどでの使用は難しかったのですが、この一体型が発売されてからはこれ1台で自宅でもライブでも済むようになりました。
■ コンパクト派にもすすめられるマルチ!
TC ELECTRONIC ( ティーシーエレクトロニック ) / NOVA SYSTEM
マルチエフェクターが便利とわかっていてもあのデジタル臭さは我慢ができないという人はいまだに多く、コンパクトエフェクター派もまだまだ健在です。
どうしてもコンパクトエフェクターで使いたい音があるという人は仕方ありませんが、そうでなければNOVA SYSTEMを試してみてください。
歪み系はアナログ回路で設計され、温かみのあるサウンドは全くデジタル臭さを感じません。
2008年発売の商品なのでかなり古いのですが、現在でも製造されているので新品で購入することができます。 これはこれで完成された製品なので後継品もなく売れ続けているんですね。
注意点としてはアンプシミュレーターが付いていないことと、歪みはオーバードライブとディストーションの2種類のみというシンプル設計ということです。
■ まとめ
エフェクターって本当に選択肢が多くて迷ってしまいますよね。
まぁその迷いも含めて機材選びは楽しいのですが。
あまりにキリがないのでここではタイプ別に1商品ずつ紹介しましたが、まだまだおすすめしたい名器はたくさんあります。
ぜひエフェクターの沼にハマってください。
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